リワークプログラム“CRESS”では、グループミーティングという名前のプログラムが、毎週水曜日の午前中にあります。

このグループミーティングの中で、「ストレス・マネージメント」「認知療法」「アサーショントレーニング」の3つに取り組みます。それぞれ3週(3回)ずつ実施し、最終的にはまとめの回で、これまで学んだ内容を含めて、セルフケアなどの対策をどんな風に取り組めるかを確認していきます。

 

ちなみに、9月の末から今週までは、認知療法を行っていました。

その認知療法の中で、改めて面白いなと思ったことをあげてみたいと思います。

 

1回目の講義の最初にワークを行いました。「来週は10月」と提示し、その情報を目にして、どんなことを考えたり、イメージしたりするかを個々に書き出してもらいました。その後、小グループに分かれて、各々が書き出したものを共有し、あ〜だこ〜だと話をする時間を作りました。

 

メンバーさんが、それぞれに頭に浮かんだことや考えたこと、それによる気持ちの現れ方はさまざまでした。

例えば・・・

季節的なことをイメージされた方がいました。涼しくなってくることが嬉しいと感じた人もいれば、寒くなっていくことを想像し、嫌だな〜と感じた人もいました。

 

他には、誕生日についてイメージされた方がいました。

友達の誕生日のお祝いは何にしようかな?だったり、自分の誕生日があるな〜だったり。

 

リワーク歴に関することもあがっていました。

復職が決まり、リワークの卒業が決まっている方は、仕事に向かっていくことを意識したイメージ(例えば、来月は職場にいるな〜。やっていけるかな?などの不安)でした。

リワークに参加して間もない方は、リワークの経験をこれから深めていくぞといったようなリワークの取り組み対してのイメージでした。

 

他にもいろんな内容が出されていました。同じ刺激(来週は10月と聞く)を受けても、必ず皆が同じことを考えるわけではありませんし(もちろん全く同じことを思った!ということもあります)、人と違うことを考えていても、“それは間違い”ではありませんね。

 

さらに・・・リワークの参加歴や復職に向けての状況についてのイメージを共有されていたグループに、一年前の9月末の自分だったら、どんなことを考えていたと思いますか?と訊いてみました。すると、「うわ〜違うこと考えているわ〜」といったような反応がありました。自分が置かれている環境や状況が異なると、同じ情報に対して、違うことを考えるということも、自然に起こることのようですね。

 

同じタイミングで同じ人から同じ情報を同じ方法で受け取ったみなさんでしたが、イメージされたことは、さまざまなものでした。もちろん共通したイメージもありました。

いろんな皆さんのイメージや考えに触れて、自分ではイメージしない皆さんならではの思考や、皆と違う自分ならではの思考があることに、興味深いと感じた時間でした。

 

人によって、感じ方や捉え方は異なるとよく言いますが、“本当に違う”という体験を先ずはしてもらいたくって、こういったワークを用意しています。頭ではわかっていても、実際には“どうしてわかってくれないの?”だったり、異なる考えを持つ人を排除したり、冷ややかにみたりすること(自分が少数派になり、辛い経験をすることもありますね)があります。

まずは、違うってことはこんなにも自然に起こるんだと、体験してみることで、みなさんが「自分と受け取りや考えが違うかもしれないから、このことを報告しておこう・相談しておこう」と思えるきっかけになれば良いなと思います。