●適応障害とは
適応障害は明らかな原因となるストレスに反応して、感情面や行動面に症状が現れ、それにより社会生活が大きく障害されているものと定義されています。気分の落ち込み、不安、イライラなど感情面の症状の他、不眠、食欲不振、頭痛、動悸、倦怠感などの身体症状を認めることも少なくありません。その結果、朝が辛くて起き上がれない、職場で泣いてしまう、イライラしてトラブルを起こす、酒量が増える、出勤できない、不登校など、行動面の問題も起きてしまいます。うつ病との違いは原因となるストレスがはっきりしていることと、そのストレスから離れた場合、比較的早く症状が良くなることです。
●適応障害の治療
当院はビジネス街にあるため、仕事の質、過重労働、職場での対人関係など様々な職場ストレスを抱えた方が多く受診されます。また近年開始された職場でのストレスチェックの結果、受診を促される方もいらっしゃいます。そういう方のお話を聞いていると、ストレスの原因を取り除けば楽になるわけですが、それが簡単にできないから適応障害になってしまったことも見えてきます。とはいえ、医療が介入することで、職場環境や家庭環境が整うことも少なくありません。重度の場合は安心できる環境で休養をとることで症状は改善します。ですので、一人で悩まずに、甘えているだけだと思わずに、専門医にご相談されることをおすすめします。まず楽になって下さい。
ただし症状が楽になったからといって、問題が解決した訳ではありません。本当に改善しなければならないのは、自分自身の適応力です。これがそのままなら、同じような状況下で再発するリスクは高いままです。当院では、ストレス耐性を向上して再発予防につなげるため、様々な心理プログラムを組み込んだリワークプログラムと心理療法を行なっております。