最近、デンマークの社会制度について考えさせられる機会がありました。デンマークの教育システムの自由度の高さが、子どもたちの思いやりや、寛容性の育ちに非常に強く関連していると感じたことが、デンマークのあれこれが気になりだした発端です。デンマークを始め、フィンランドなどの北欧諸国が世界の幸福度ランキングの上位を占めていることは皆さんご存知かと思います。日本は2022年のランキングで54位だそうです。人の幸福とはいったいどういうものなのでしょう。人により幸せの内容はいろいろかもしれません。

 

 世界の幸福度を測る基準は何かみてみると、客観的要因として「一人当たりのGDP」「健康寿命」、主観的要因として「社会的関係性」「自己決定感」「寛容性」「信頼感」があげられていました。日本は「健康寿命」は1位だそうです。それに対し、「寛容性」、「自己決定感」が半分以下です。これらのランキングは、文化の違いなどもありあくまで一つの参考に過ぎないかもしれません。

 それでも、日本のように幼、小、中、高、大学など次のステージに上がる時期が一律ではなく、個々の発達や意志に合わせて進級する仕組みがあるため、何度も学び直せたり、労働者も、解雇されたとしても失業手当が最高2年間従前給与の90%が支払われるため、低額で学び直して新たな職業にチャレンジする機会が与えられるなど、ゆったりと時間をかけて誰しもが人生を自由に選択して生きることができるため、高い税を払ってでも人々は満足できているようです。それぞれの状況に合わせて何度もやり直せるという安心感は、人々を根本にある精神的なストレスから解放するのに役立つのでしょう。

 

 メーテルリンクの「青い鳥」のように、遠い国に想いを馳せるのではなく、自分の足元(心の中)にある幸せを感じることこそが大切なのかもしれませんが、一律、一斉の流れに乗れず(乗らず)に居心地悪い想いを味わわざるを得ない人の多い日本の現状を思うと、自由なやり直しのきく制度への転換も模索し続ける必要がるのではないかな・・・。自分は何を行動するのか・・・考えつつ、ここでつぶやいてみました。