周り見渡せば、梅の蕾が桃色に膨らんでいるのを目にするようになりました。
季節は巡っていますね。
CRESSでも、メンバーさんの卒業や、新しいメンバーさんを迎え入れたり、彩りの違いを感じています。
CRESSでは、「ご自身のペースで参加してください」というのを、リワークに参加されるメンバーさんに伝えることがよくあります。
新しい参加者の方を迎え入れるとき、すでに参加されているメンバーさんが新しいメンバーさんに、「マイペースで参加されるといいと思います」とお伝えしていることもよくありますよね。
人が大勢集まれば、必ず起こりうることですが、人にはそれぞれ違う価値観、ものの見方、考え方や気持ちがあります。
そこでふと思ったのが、もしかすると“ご自身のペースで”という理解の仕方にも相違があるのではないかなということです。
今このブログを読んでおられる方は、“自分のペース”というのを、どういう風に捉えておられますか?
おそらく、いろんな基準があるのではないでしょうか。
自分のそのときの体調を基準にしていくのか。
自分のそのときの気持ちを基準にしていくのか。
どちらも大切にしていくのか。
もしかすると、他にも基準になるものがあるかもしれませんが…
基準にするものを選択していくとき、“どういう風に進んでいくことできれば自分が困らずにやっていけるか”という視点から考えてみると、その答えが見つかりやすくなるのではないかなと思ったりします。
リワークに参加する日常を例にして考えてみましょう…
たとえば・・・
体調がすごく悪くて、頭が痛くて何も考えられない時に、「気持ちとしては問題ないから行こう」と思って、リワークに参加する。
果たしてこの行動が自分のためになっているのかどうかを考えると、どうなのでしょう?
これは、そのときの自分の体調が見えていないということになっています。
一部分だけ見ると、体調が悪くても頑張っているという見方ができるかもしれません。
「参加したい」という欲求は満たされるかもしれませんが、体調が悪くて困っている自分自身を置き去りにしてしまっているということになっていないかに目を向ける必要が生じてきそうですね。
エネルギーがかなり消耗された状態で、さらにエネルギーを費やしてしまうと、枯渇してしまうリスクというのを考えておくことも大切でしょう。
それでは、
体調は優れているけど、「リワークに行くのが億劫で、家を出たくない」と思って、リワークに休む。
これは極端な例ですが、
体調は回復しているのに、リワークに足が向かないというのは、たびたび経験されることがあるように思います。
気持ちだけで行動を選択するというのは、そのときどきの気持ちによって、行動が制限されてしまうので、結局は自分自身を追い込んでしまうというリスクが伴うように思います。
こうしてみてみると、どちらか一方だけを基準にして判断するというのは、何だかうまくいかないように思われますよね。
でもおそらく、自分の体調と気持ちのバランスを考慮した上で行動を選択するというのは、意識していたとしても難しくて、気づかないうちに無理をしてしまっているということが多いように思います。
では、どうしたら自分のペースをつかめるのでしょう?
まず、1つには、CRESSに参加されているメンバーさんは、毎日【生活記録表】に一日の生活リズムやその日の体調、気分などを記載しています。
その記録したものを手がかりに、自分の体調や気分が悪くなったきっかけや原因を振り返っていくという作業をします。
そうして記録していくことで、自分の気分の変化や体調の変化に以前よりも速やかに気づけるようになっていきます。
そしてそれは、復職して継続して勤務するために、「毎日こういうリズムで生活していけたらいいな」という目標と照らしあわせていくことによって、どういうところを改善していけるとよさそうか、どういうことを気をつける必要がありそか、そしてどんな工夫ができるとよさそうかということが見えてくると思います。
そこで考えたことを実行していくことで、体調と気持ちのバランスを取りながら、少しずつ自分のペースをつかんでいくということが可能になっていくように思います。
いつもSFA(ソリューションフォーカストアプローチ)でお伝えしていることですが、
『うまくいかないなとわかったことは続けない』
『うまくいったなら、それを続けましょう』
『何も問題がないのであれば、変える必要はありません』
・・・うまくやれていることを、いい変化を皆さんには大切にしてもらいたいと思っていますし、そこには必ずみなさんがうまくやるために工夫していることがあって、その良い変化が起こっているとSFAでは考えています。
今のペースで進んでいっていいのか不安になったとき、何も指標がないなと感じられる方は、一日一日を振り返って、気持ちや体調の点検をしてみると、あなたにとって無理のない過ごし方というのが自然に見えてくるように思います。
気持ちでは大丈夫だと思っていても、身体が悲鳴をあげていないかどうか、
気持ちで無理だと思っていても、本当に体調は整っていないのかどうか、
いまの自分の状態に真っ直ぐ向き合うことを恐れずに。
そうすればきっと、新しい季節の中で、いろんな変化を感じられるようになっているのではないでしょうか。