こころのクリニック和は、明日から夏のお休みに入ります。

当院での治療的な営みの一つである、リワークプログラムCRESSも夏のお休みに入ります。

自分が頼りにしている人や、繋がりを感じている人がいるとき、そういう人と離れている時間は、不安です。リワークに参加されているメンバーのなかに、夏のお休みが不安だと感じている人たちがいます。おそらくそれは、その方が、リワークを頼りにし、リワークとの繋がりを感じているからです。だから一人で大丈夫かと不安になる。頼りにできる人がいるだろうか、と不安になります。

夏のお休みのあいだ、リワークと離れる不安が、人を頼りにし繋がりを感じていることを意味しているならば、私は、それは大事な進展だと思います。

休職のときは、人を信じられなくなり、一人だけで苦しみを抱え込み、繋がることが怖かったはずなのですから。

「人を頼りにし繋がりを感じている自分は、人を頼りにしないとやっていけないのではないか」と逆に不安になるかもしれません。それこそ、復職してリワークから離れたら、やっていけないんじゃないか、と不安に襲われるみたいに。夏のお休みに不安を感じるのと同じように。

「大事な進展なんじゃないか」と私が思うのは、その方が、自分がリワークや大事な人を頼りにして繋がりを感じていることを認識し、不安を感じながらも、その経験を考えられるようになっているからです。人を信じられず、一人で抱え込み、繋がることが怖かったときよりも、ずっと触れ合いに開かれています。そして、わけもわからず不調になっていた頃よりも、自分が大事な人と離れているから寂しいし不安なんだ、と考えられるようになっています。

離れているからわかる気持ちを、決して無視しないで。その経験が、復職してから、人との出会いと交流を大事にしようとする姿勢を生む種(たね)になります。