卒業式のシーズンになりました。当リワークの「卒業式」は復職が決まったメンバーの方を対象に随時行われていますが、ちょうどこの年度末の時期に、CRESSを卒業される方々もおられます。メンバーの方々の復職する日程とリワーク最終日が決まると、その最終週にプログラム時間を短縮して40分ほどの卒業式を行います。卒業する方は、リワークメンバーやスタッフに向けてメッセージを伝えます。前もって原稿を準備される方もおられますし、特にメモなど用意せずに話される方もいらっしゃいます。どの方にも共通しているのは、これまでのリワークでの時間を振り返り、共に過ごした人たちへの伝えたいメッセージが詰まっているということです。

 休職に至った辛い過去を振り返り、そこから見えてきた新しい気づきや視点は、そばにいたメンバーたちとの交流があったからこその体験であり、一人だけで考えている時間の中では得られなかった気づきかもしれません。休職前、周囲との人間関係の中で生じたつらさや傷つきを、プログラムの中でリワークメンバーとの交流を通して振り返り、今度はそこから新しい気づきを得て復職に向かっていくのだと思います。普段のプログラムの合間に、改まって体験したことを語る機会はあまりないと思いますが、卒業式という場でそれまでの道のりを再確認することで、次のステップへの思いを新たにされているのだと思います。そして、卒業する方だけでなく、見送る側にとっても今の自分の立ち位置や今後目指す方向を考えるきっかけとなる貴重な時間となります。その意味でも、一つの節目となるセレモニーはとても意味のあることだと思います。

 一つの別れでもあり新しい出会いの始まりともなるこの機会が、皆さんにとっても思い出に残る貴重な時間になることを願っています。