リワークプログラムCRESSも、1月4日が初日でした。
私達がしばしば、休み明けの職場や学校には行きたくないと思うように、冬休み明けのリワークの初日には、多くのメンバーが足取りが重かったことでしょう。
リワークのセルフチェックのプログラムでは、生活リズムの改善にグループ全体で意識的に取り組んでいます。
セルフチェックでは、一週間の生活リズムをグループ内で各自発表してもらって、スタッフを交えて生活習慣の振返りと修正を実施しています。
身に付いてしまった生活習慣は、一人だけではなかなか変えられないものです。
しかし、「社会復帰に向けて、豊かな人生に向けて、より良い生活習慣を目指す」という共通の目標を持つリワークグループにしっかりと所属できれば、一週間をお互いが報告し合うセルフチェックによって、多くのメンバーが規則正しく、健康的な生活習慣を身につけることに成功していきます。
年末年始の長期休暇とは、以上のようなグループで抱えられる治療的体験からは、しばらく分離し、一人で生活を律しなくてはいけない時間です。
その分、生活リズムも乱れやすくなります。
特に、今回の休みは、大晦日にお正月。お祝い気分も高まります。
この休み中には、起床就寝時間が遅くなったり、暴飲暴食気味になってしまったり、運動不足になってしまったりしたこともあるでしょう。
せっかく確立しつつあった「より良い生活習慣」が、一瞬で崩れてしまったようで、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
しかし、休み明けのリワークに来るのは苦痛でも、それを乗り越えてリワークにやって来れば、昨年までともに生活改善に取り組んでいたメンバーたちの顔があります。
リワークグループにしっかりと辿り着くことができれば、また立て直すことができるでしょう。
休職した方が、復職を目指す際には、いろいろな方法があり、リワークプログラムを利用するのは、その一つです。
リワークプログラムという方法の最も大きな特徴は何か、と訊かれれば、いろいろな答えが可能ですが、私は、「グループの治療的な力を利用して、休職者が自分自身を発見し、社会復帰と、より豊かな人生に向けた自己の変化に取り組むこと」だと答えます。
CRESSを見ていると、そう思うのです。
CRESSに参加しているメンバーにとって、リワークは治療の場であり、私たちは社会復帰に向けた心の仕事をしています。
そして、それは、プログラムの時間に限りません。
休職という時間、同じリワークルームに通い、ともに生きる集団として、そのメンバーにリワークが体験されるとき、その人は、グループの持つ治療的な力を利用できる力を身につけつつあります。
これは、グループに個人が埋没してしまうことではありません。
個人が、他者との相互作用に開かれるようになることです。
自分と相手を理解していく作業に手を付けようとしていることです。
CRESSに参加しているメンバーの一人でも多くが、グループの持つ治療的な力の恩恵を受けられると良いなと思います。
そして、それは、一方的に与えられるものではありません。
リワークに参加し、悩みながらも自分と向き合おうとしているあなたが、グループの治療的な力を生み出している当事者なのですから。
そのとき、あなたは、誰か他のメンバーに、恩恵を与える人にもなっているはずです。