12月も2週目に入り、2024年も終わりが近づいてきました。皆様はこの一年どんな変化がありましたか?私は小さな変化ではありますが、読書の習慣がつき、例年よりも本を多く読むことができました。そこで今回は、私が今年読んで印象に残った一冊を皆様に紹介いたします。

大崎善生さんの『パイロットフィッシュ』という小説です。この作品では、主人公・山﨑のもとにかつての恋人から19年ぶりに電話がかかってきたことをきっかけに、過去の記憶を思い返し、現在と過去が交差しながら物語が進んでいきます。この作品は「記憶」がテーマになっており、『人は、一度出会った人間と、一度発した言葉と、二度と別れることができない。』というキャッチフレーズのもと、山﨑は過去に出会った人物や、過去に起こった様々な出来事を思い返します。

上述のキャッチフレーズはとても印象的で、私自身この本を読みながら過去のことを思い返し、かつて出会った人々との交流や様々な経験が今の自分を形作っているのだと感じました。

皆様もリワークでの体験を通じて、休職に至るまでのこと、自身の経験や人間関係など様々なことを思い返すことが多いのではないでしょうか。中には、過去を振り返ることに苦痛を感じる方もおられるかと思います。しかし、それは苦しいだけの体験ではなく、過去の中に今の自分の状態、そしてこれから(未来)の自分がどうしていくかのヒントを見つける体験にもなり得ると考えています。

皆様がよりよい未来に向かっていけるよう、スタッフ一同これからもリワークを通じて皆様を支えていきたいと思っています。

寒さが日に日に増してはいますが、体調を崩されないよう、どうぞご自愛ください。