休職されてリワークに参加された方たちの多くは、集団に入ることが不安な方たちでした。

職場でひとと一緒に働くのがどれほど辛かったか。リワークで他の参加者と一緒にプログラムで何かに取り組むなんて、想像するだけでも嫌だったのではないでしょうか。

ひとを頼りにすることなんて、ひとから助けてもらうなんて、想像もできない方もいたでしょう。ひとを求める自分がいるだなんて受け入れられなかったでしょうし、ひとを求める気持ちを自分の気持ちとしては、受け入れることができなかったでしょう。

そんな思いで参加した方が、リワークを終えられるときに、一緒にリワークに参加したメンバーとの別れを悲しみ、スタッフとの別れを悲しむ場面を、私はこれまでどれほど見てきたでしょうか。

集団を忌避し、自分の殻に閉じこもっていた方が、数カ月間の日々で、恐れながらも、心が触れ合うような経験を得ました。メンバーと向き合い、スタッフと向き合い、そこで何かを感じました。それは楽しかったり、嬉しかったりする気持ちであったり、辛かったり、苦しかったり、腹が立ったりする気持ちであることもあったでしょう。

また自分の殻に閉じこもりたいと思ったり、せっかく進んだのに、振り出しに戻ってしまった、と落胆したこともあるでしょう。

いろんな経験をしたんです。

そんな方が、ここで出会ったひとたちとお別れするときに、寂しく、悲しい気持ちになっています。ありがとう、という感謝を伝えられています。

もっと一緒にいたかった、離れたくない、と思われているのかもしれません。きっとまた、どこかで会えるのではないか、と淡い思いを抱いているのかもしれません。

あんなに一緒にいることが不安で嫌だったのに、もっと一緒にいたいと、お別れのときに思う。会えなくなるのを、悲しく思う。

それは、きっと、いつのまにか、あなたが、ひとを頼りにしていたからです。人に助けてもらえていたからです。自分のことを一緒に考えてくれるひとを、求めていたからです。

お別れするときに、その人とのお別れが、本当に悲しいと思えるとき、ひとを求めているのは、あなたでした。ひとを求める気持ちは、あなたのものでした。

そんなあなたは、生きていこう、と思えるのです。