陽が長くなってきて、明るい時間帯が増えてきました。それに、日中は上着が必要ないほど暖かくもなってきましたね。それでも朝晩はまだまだ寒く、日中との寒暖差で体調を崩しやすくなる時期でのすので、必要な対策をとって季節の変わり目を乗り切りたいなと、私は思っています。
さて、今週のリワークでは、月に一度のプログラムである「グループディスカッション」を木曜日に実施しました。
グループディスカッションを、簡単に言いますと・・・テーマにそって、自らの経験や考えを言葉にしつつ、そのことを皆で話し合うプログラムです。
そのテーマというのは、「休職経験を振り返る」と「復職に向けて」の2つです。
今月のディスカッションは、「復職に向けて」をテーマに皆で話し合いました。現在、リワークのグループには、復職のスケジュールが具体的に決まっている方もいれば、リワークでの経験が深まり出した方やリワークに通い始めて間もない方がいます。メンバーによって状況は異なりますので、それぞれが感じている、考えている「復職に向けて」の思いを率直に言葉にされていった時間だったと思います。
もう少しグループディスカッションについて説明してみます。
リワークには、さまざまなプログラムがありますので、メンバーは各プログラムでいろんな経験をされていると思います。
また、個別面談を隔週で行いますので、集団でも個別でも“自分”について考える時間があると思います。こうしたさまざまな経験を通して、職場に対する見方や当時の自分への理解が変化していくことを、グループディスカッションを通じて確認して頂きたいと考えています。
また、他メンバーの体験に耳を傾けることで、休職経験や復職に向けた同じような悩みを抱えている仲間から安心感や勇気を得ることが出来るでしょうし、リワークでの体験が深まっている仲間から刺激を受け、自分自身の休職の経験や復職に向けて改めて向き合う時間にもなると思います。
こうしたことを目的として、今月もメンバーそれぞれの生の体験、リアルな感覚が、話し合われたと思います。
復職に向けてというテーマですので、復職に後ろ向きな思いを抱えていると、後ろめたさから、その率直な思いを言葉にしづらいと感じる方がいらっしゃったと思います。実際に、復職に向けて、不安だけど次のステップへ進もうと動き出している方から発言が開始されました。そうなると、復職したいと思えない自分は余計に話しづらくなってくるようでした。
ディスカッションの中で、「皆と同じことを同じようにやらなければと考えて、自分で自分を追い込んでいた。皆と同じじゃなくても、自分ができること、自分に必要なことをやる必要があるし、それを相談していけたらと考えている」というような意見が複数登場し始めました。そうすると、「復職に前向きな人のように自分も発言しなければ」や、「皆と同じように前向きになれていない自分はダメだ」と感じて、率直な思いを吐露できずにいたメンバーが、少しずつ「復職に前向きになれない」「怖い」「不安」といった率直な思いを言葉にし始める動きがグループにみられました。
課題が分かっているけれど、どうすれば良いかわからないといった困り感もディスカッションの中で出ていました。
例えば、「復職に前向きな人のように自分も発言しなければ」や、「皆と同じように前向きになれていない自分はダメだ」と皆と同じことを同じようにやらなければと考えることで、自分でハードルをあげたり、自分を追い込んでいったりすることが自分の課題だとします。
そうすると、今回のディスカッションで、他メンバーが前向きに話していると感じて不安になった時に、自分の気持ちを偽って、自分も前向きになっていると話したり、復職への不安を自分の中に閉じ込めるように、じっと黙って、喋れない自分に罪悪感や嫌気がさしてくることが生じてきていたかもしれません。
しかし、今回のディスカッションで実際にあったように、「自分は復職のことを考えられない」「復職は不安」「今日は喋れないと思っていた」ことを言葉にできたことは、「皆と同じじゃなくても、自分ができること、自分に必要なことをやる必要があるし、それを相談していく」という経験の一つになっていますし、「他者に合わせる自分」とは違った経験の一つになっていると思います。
苦しい時間だった方もいらっしゃると思いますが、何かを受け取ったり、何かを感じたりして、こころが動いた経験が皆さまの中にあると、「復職に向けて」をテーマに今の自分と向き合えた時間になっていたと思います。
次回は、「休職経験を振り返る」です。皆さまにとって、どのような時間になるでしょうか。