このたび、当院のリワークプログラムCRESSを、日本うつ病リワーク協会のホームページでご紹介いただきました。

https://utsu-rework.org/rework_introduction/982/

昨年、日本うつ病リワーク協会理事長の五十嵐先生が当院のリワーク施設を訪問され、お話をさせてもらった内容を、記事にしていただきました。

日本うつ病リワーク協会のホームページでは、これまでも様々なリワーク施設をそれぞれの施設の特色を含めて個別に紹介されていました。

当院のリワークも、そういった施設の一つとして紹介していただき、大変ありがたく思います。

そこでもお話させてもらいましたが、当院のリワークでは、グループでの経験を中心に置きながら、同時に個別のメンバーへの心理面へのアプローチを大事にしています。リワークという職場での仕事(プログラム)と、そこで発生するメンバーどうしのコミュニケーションを中核に置いて、メンバーがそこで感じていることを一緒に考えていこうというアプローチです。その意味で、リワークは心の仕事場と言えるでしょう。

リワークへの参加を開始し、リワークを卒業するまでの期間は、職場での新人時代から始まって、経験を積んだ上席のポジションにつき、最後は新しい人たちに未来を託すプロセスにも重なります。むしろ、そういう葛藤と変化に富んだ職場での仕事の経験が、このリワークでも圧縮された形で経験できるようなグループになりえることを、大事にしています。

もちろんリワークメンバーは、リワークを卒業してからが本当のスタート。リワークで経験を経たメンバーは、いずれは新しい人たちに何かを残し、自分の席を譲り、元の職場での日々を始めます。

グループの中で、いろんな関係性とそれに基づく体験が持てる。人と一緒に働き、協力し、体験を創ることができる。そんなグループを、当院は大事にしています。

リワークに参加することにある大事な意味は、一人じゃなくて、人と一緒に進むことです。メンバーとスタッフとどれだけ関わり合いながら、一緒に協力して進めるのか。

復職に向かうこともそうです。自分に向き合うこともそうです。生活習慣を改善するのだって、一人でやるんじゃなくて、グループで一緒に向かいます。

休職される方は、職場というグループで傷ついた方たちです。そのなかには、元々、グループは嫌だし、グループで良い体験をしたことがない、という人もいるかもしれません。

性格が違い、得手不得手も違う人たちどうしが集まって、一緒に働くことは、本当に大変なことです。いがみ合ったり、理解し合えなかったり、誰かを悪者にしたり、排除されたり。

職場から休職者が出るという事実が、グループが持つ困難や、何らかの暴力性を示唆しているのでしょう。

そして不思議なことに、休職者がリワークに参加して、リワークというグループを本当に体験しだすと、リワークも職場と同じグループになります。リワークの中でも、いがみ合ったり、理解し合えなかったり、誰かが悪者になったり、排除されたり。

しかし、だからこそ、一人ひとりのメンバーが、そしてグループが、そういう危機を、感情を抱えながら考え、コミュニケーションに向かうことで、乗り越えることに、意義があります。

そういうリワークグループでの経験が、復職の力になり、辛いことがあっても働き続けていける力になると、私たちスタッフは信じています。