長い残暑もようやく落ち着き、だんだんと過ごしやすくなってきましたね。

CRESSでは、毎週火曜日の午後にグループ作業というプログラムを実施しています。ある程度の期間をかけて一つのプロジェクトにグループ全体で取り組み、その中で生じるコミュニケーションや仕事の仕方について考えるプログラムです。

7月末から始まった「リワーク通信秋号」のプロジェクトが先日終了し、今週はプロジェクト間の小休憩の週です。成果物が完成した達成感や安堵感を持つと同時に、グループ全体やメンバーそれぞれがプロジェクト内での仕事の仕方を振り返り、次のプロジェクトに向かおうとしています。

今回のプロジェクトを通して、自分の感じていること、思っていることをありのままに伝える、ということの難しさがプログラム内外で度々話題に挙がっています。中でも、その時自分が何を感じているのか、何を思っているのか、という自分の気持ちにリアルタイムで気づくことの難しさを多くのメンバーが感じているようです。自分の気持ちを伝えるためには、まずは自分の気持ちに気づく必要があります。しかし実際には、後になって嫌だったことに気付いたり、その時はいいと思っていても少し落ち着くと怒りが湧いてきたりすることがあります。「今、ここ」で感じていることに目を向けるのは、案外難しいものです。私たちは日々、頭で物事を捉え、処理しています。仕事場面では尚更でしょう。社会で生活していくために、合理的に考えることは必要不可欠です。しかし、それによって感情が置いて行かれてしまうことがままあります。

私自身、忙しい生活の中で自分の感情を捉えることの難しさを感じます。そんな中、何となく始めた編み物にそのヒントを得たような気がしています。毛糸を手繰って、かぎ針を持って、自分の手を動かしているとき、頭ではなく体で感じることに集中しています。そうすると、自分自身が今ここで何を感じているのか、ということに目を向けやすくなるように感じます。編み物に限らず、料理、スポーツ、楽器、芸術等、自分の体を動かすことの力は大きいのではないでしょうか。

せっかく涼しくなってきたこの頃、秋らしい活動を通して体で感じる経験をしてみてはいかがですか。