リワークプログラムCRESSでは、毎年夏に、CRESS交流会を開催しています。CRESS交流会とは、復職したリワークの卒業メンバーと、復職と再発予防を目標にして現在リワークに参加している在籍メンバーとの年に1回の交流のイベントです。

去年の交流会の様子を、ブログでもご紹介していました。

CRESS交流会

2020年から2022年と残念ながらコロナで開催を見送ってきましたが、去年から再開して、今年は7月20日(土)にCRESS交流会を行うことができました。

今年で第9回目となる交流会。去年から午前の部、午後の部と二部制で行うようになり、午前午後合わせて、実に23名もの卒業メンバーの方に交流会に来ていただけました。

交流会を迎えるにあたって、在籍メンバーは、プログラムであるグループ作業の時間を使って、交流会のための準備をしてきました。交流会のメインイベントは、卒業メンバーと在籍メンバーとの対話です。在籍メンバーのグループがインタビュアーになって、卒業メンバーのグループにインタビューするのです。

在籍メンバーはリワークでの取り組みから、お互いの考えや思いをなるべく正直に伝え合える経験を大事にしています。交流会をグループ作業で準備していくにあたって、在籍メンバーは、リーダー(在籍メンバーの代表)の提案のもと、お互い本音で交流し一緒に仕事をしようと団結しました。

交流会に向けて、どんなインタビューをするか、どういう姿勢で対話するか、在籍メンバーで考えました。本音で交流して交流会のための仕事をしようしている在籍メンバーは、そういうコミュニケーションの重要性を、きっと卒業していったメンバーも大事にしていたはずだと思ったでしょう。交流会に参加してくれる卒業メンバーは、復職した経験を良いことも悪いことも、楽しいことも辛いことも、率直に話してくれるはずだ、と。そういう卒業メンバーを迎える自分たちが、本音で仕事をし、交流会当日に卒業メンバーを迎え、対話する……。

そして、在籍メンバーは、交流会当日のウェルカムボードやしおり、名札や部屋の飾り付けなど、卒業メンバーを迎えるために必要な作成物も、協力して作ってきました。在籍メンバーのグループが、本音を大事にし、協力して仕事をするグループになっていくこと自体が、交流会で卒業メンバーと対話するための大事な準備だったのです。

 

そして、交流会当日。

自らの経験をもとに真摯に復職にまつわる話をしてくれる卒業メンバーと、それを大事に受け取っている在籍メンバーとの交流がありました。

復職してみて良かったこと、復職してみて辛かったこと、リワークの経験が復職にどうつながったのか。

リワークを経験して復職した卒業メンバーが、本当の経験を言葉にしていました。参加された卒業メンバーの中には、リワークを卒業してそのまま継続して仕事を続けられている方もいれば、そうではなくて、リワークを卒業して復職したものの、職場にいけなくなったり、休職したりした経験を持っている方もいます。リワークを卒業してから、それぞれ置かれている状況は違っても、リワークにいた頃のように、自分の思いや気持ちに目を向け考え、復職後も一人ではなく、ひとの助けをもらいながら、もう一度仕事に向かっていかれている経験を伝えようとされていた。

卒業メンバーどうしの懐かしい再会。

卒業メンバーと在籍メンバーとの対話。

交流会に集まった、たくさんの心が、大事な経験を分かち合っていました。

休職経験は、心がつながることが、壊れてしまう経験です。会社も同僚も、自分を取り巻くものたちが信じられなくなり、怖くなり、ひとりぼっちの心になる経験です。

そういうひとがリワークに参加しました。

そこで、自分以外の心と出会い、触れ合うことをおそれながらも、接触が生じ、さらに心と心がぶつかり、交わりました。ひとりぼっちではなく、自分以外の心とつながることもできるのだ、という経験です。

それが、リワークでのとても大事な経験なのだと思います。

交流会では、そうしたつながりを大事にし、それを求めている心の交流がありました。

交流会もそうですが、時間が経ったらいずれは、アフターリワークも含めて、リワークから遠ざかるときが来るでしょう。それはとても自然なことです。ここで出会えたひとたちと、もう会わなくなるときが来るでしょう。

大事な出会いだったから、それは悲しいことですね。

それでも、リワークで自分以外の心と出会い、つながった経験を持てたあなたなら、たとえリワークから離れてからも、もう会えなくなっても、きっとまた別の場所で、大事な心と出会い交流し、つながることができる。

交流会に参加されたメンバーの方たちにも、そして、今では会えなくなったメンバーの方たちにも、私は、そうであったら、と願っています。