このブログを読んでおられる方は、おそらくリワークプログラムに関心のある方や、CRESSに参加してみようか考えておられる方、現在CRESSに参加されている方や、CRESSを卒業してそれぞれの道を歩んでおられる方々が殆どだと思います。

 CRESSでの体験を有意義なものとして今後に活かしていっていただきたいという思いから、今回は、[リワークプログラムに参加すること]、CRESSでの過ごし方について、書いてみようと思います。

 

 まずは、リワークプログラムに参加してみようと思ったきっかけには、みなさんどういったことがありましたか?
 
 仕事をお休みされて、気分や体調の改善に努め、少しずつ“復職”ということを考えられるようになった頃、自らリワークを探された方、主治医の先生に勧められた方、職場から勧められた方など、知るようになったきっかけはぞれぞれだと思います。


 いざ、本当に参加しようと思ったとき、みなさんはどういう目的で参加してみようと決断されたのでしょう?

 人との関係を円滑に築けるようになりたい・・・
 苦手な人との関係の取り方を考えたい・・・
 ストレスの要因の対処方法が知りたい・・・
 悪い方に考えてしまうことをどうにかしたい・・・
 休職に至った理由がよくわからないから整理したい・・・
 
   それぞれ目的は違うと思いますが、必ず目的がありますよね。

 そしてその目的というのは、リワークを続けていくために、重要な支柱となっていきます。
 
 どうして、目標が必要になるのか?

 目的意識を持っていないと、日々過ごしてしまうことに追われて精一杯になったり、参加してることに安住してしまうからです。

 
 みなさんがこれから仕事へと歩んでいくために自分自身のことについて考えていく安全な場所を提供できるようにスタッフが関与しています。
 一番には、みなさんの主体性を尊重しています。
 こちら側が何かを強制してプログラムに取り組んでもらう場所ではないので、自らが主体的にどう取り組むのかというところが大きな鍵となります。
 
 「復職したい!」と強く望んで、「リワークには毎日通おう!提出物は必ず出そう!どんなプログラムでも自分なりに考えて、意見を言ってみよう!」と思って通いながら、日々できることに取り組んでみると、今どのくらいのことが自分はできるようになっていて、これからどうしていったらいいのかという方向性が明確に見えてくるかもしれません。

 「復職したいけど、苦手な仕事に戻ることを考えると復職が不安で仕方ない」と懸念されている場合は、「何が不安に思うのか整理してみたり、復職するまでに改善できることをやってみよう」と思って参加すると、復職後の働いているイメージを持ちやすくなるかもしれません。

 目的意識がなく、「産業医の先生に行った方がいいと勧められたから」とか、
 目的意識を途中で見失ってしまい、意識的には「復職しようと思っている」けれど、心のどこかでは「復職したくない」という気持ちがあると、何のためにプログラムを利用すればいいのかというのが曖昧になって、徐々にモチベーションが下がっていってしまうということが生じやすくなってしまいます。

 どうして自分はCRESSを利用しているのか、何のために参加しているのか、どんな目標を目指して歩んでいるのか、今一度、確かめてみてください。

 
 もちろん、目的意識を持って参加するということは大切にしていただきたいことですが、もし、途中でそれを見失ってしまうこともあるかもしれません。

 「今まで復職に向かってきたけど、復職するのがこわい」
 「半年以上リワークを続けてきたけど、もう少し参加したい」
 「自分には復職するのが無理なのではないか」
 と、どこに向かっていけばいいのかわからなくなっていることに気づけたとしたら・・・?

 そのことに目を向けて考えていくことが重要になりますよね。

 常に同じ気持ちや考えを貫いて真っ直ぐ進むというのは容易いことではありません。

 続けていく中で、しんどいなと思ったり、うまくいかないなという壁にぶち当たったり、このまま進んでいくのがこわいと感じたり、復職したら一人でやっていかないといけないと思うと孤独感に襲われるかもしれません。

 そのときに、その気持ちを置き去りにせず、そう思うことについて考えていくことが、リワークをどう利用するかということにつながっていきますし、復職後どういう風に歩んでいくのかということに通ずるように思います。

 きっと復職したあとにも、しんどいことはやってくるし、つらい状況に陥ることもあるでしょうし、どうしようもできないと思うことに遭遇すると思います。

 でも、そこで立ちすくんでしまったら、勿体無い!

 そういうときに、目を背けずに自分の気持ちと向き合っていくことを、リワークプログラムを通して考えていきましょう。

 立ちすくんで身動きが取れなくなっていくのではなく、
 立ち止まって考えて、そのときどうできるとよさそうか考えていくことで、できることが見えてくるはずです。


 これが正しいという道はないですし、正しい答えというのもありません。

 みなさんがどう歩んでいくのかは、みなさんが考えていく必要のあることです。
 
 どうしていったらいいのかわからないときは、そのことについて一緒に考えていきましょう。

 それぞれのペースで、それぞれのタイミングで、それぞれの主体性を大切に。