リワークのグループ作業で、CRESSのメンバーはこの9月から11月にかけて、
ワクワク♪リワーク通信(2014年秋号)
の制作に取り組んできました。
2ヶ月の全8回にわたるグループ作業を経て、リワーク通信が完成しました。
今回のリワーク通信は、通算で第7号になりました。
リワークプログラムCRESSが開始してから現在まで、その当時CRESSに参加されていたメンバーの皆さんがグループ作業で力を合わせて作り上げてきたリワーク通信も、第7号を数えることとなりました。
7冊のリワーク通信は、在籍されたメンバーの過去から現在までの軌跡であり、CRESSの足取りでもあります。

今回のリワーク通信では、新たな挑戦をメンバーの皆さんはしました。
これまでは、一枚の紙の両面に収めていたリワーク通信を、今回からはページと厚みを持った冊子形式へと変更したのです。
冊子にした理由は、これまでは紙面の制約上、残念ながら掬い取ることのできなかったメンバーの声を、もっともっと発信できるようにするためです。

様々なプログラムを受けて、メンバーが何を学んだり、発見したり、戸惑ったり、悩んだりしているのか。

休職で療養していたメンバーが、復職を目指してCRESSに参加することが決まったとき、どんな期待や不安を感じていたか。

そして、リワークルームの扉を開けて、休職の時間をこのリワークルームで過ごしながら、日々何を思い、どういう出会いを重ねているのか。

こうしたメンバーの体験を、もっとリワーク通信の中に反映させようと、リーダーを中心にして、この2ヶ月間、作業に取り組んできたのです。

リワーク通信は、自分たちと同じように心の病で休職を余儀なくされて、復職ができるのかどうかと不安でいっぱいな今を生きている、まだ見ぬ仲間たちへ向けた、リワークメンバーからのメッセージです。

そして、リワーク通信は、メンバーの皆が、休職をして職場からは身を隠すように療養していると外の人達からは思われているかもしれないけれど、自分たちは今、日々リワークに通い、そこで職場で働いていたときと同じように、仲間たちと一緒に、考え、悩み、笑い、お喋りをし、仕事をしている姿を、外の人達に知ってもらおうとする、メンバーからのコミュニケーションでもあるのです。

そういうリワーク通信を、ぜひ一人でも多くの方に、見てもらいたと思っています。
では、御覧ください!(当院のホームページにも後日掲載いたします。)












 メンバーの皆さんは、このリワーク通信の作成を通じて、自分が、自分と違う存在である他者と一緒に、グループで共通の目的に向かって仕事をすることにある難しさを、おのおの強く感じたことだろうと思います。
 その難しさの体験を、大事にしてもらいたいと思います。それこそが、休職に至った自分と、復職を目指す自分を知るための、手がかりになるからです。
 そして、生まれも育ちも年齢も性別も違っているし、考え方も仕事の仕方も価値観も決して同じでない、そういう他者を理解することの難しさと、でも、仕事を通じてこと、そういう他者の一部でも理解することができるかもしれない可能性に、触れてもらえたら、と思います。

 贅沢をいえば、そういう仕事のあとで、何らかの喜びを感じている自分を発見できたら……。

 その人は、これまで住んでいた自分の世界では決して知ることのできなかった何かを心の中に取り入れたのでしょうし、同時に、誰かに何かを与えてもいたのでしょう。
 
 いずれはCRESSを旅立ち、皆さんが外の世界の仕事の場に赴いた時、今回完成したリワーク通信を見返すことはなくなり、それを作ったことも、その内容も、いずれは記憶の底に沈んでいきます。
 職場という社会との接点を回復した時、リワークでの時間や出来事は自然と忘れ去られ、リワーク通信という形あるものは見えなくなります。
 そして、それは、自然なことなのです。
 本当に残るものは、形のないものです。
 リワークで、その時期に同じ空間を過ごした他者であるメンバー同士が、リワークの仕事を通じて得られた何かは、内側から皆さんに恵みを与えてくれる何かとして、復職後も、残っているはずです。