10.リワークプログラムCRESSでの心の交流
ここまでご覧いただくと、当院のリワークでは回復過程に応じた段階を踏まえた上で、グループの経験を通じたメンバーの心の変化と成長を大事にしていることがおわかりいただけると思います。
リワークのスタッフである臨床心理士・公認心理師、看護師は、個人心理療法も実践する中で、自分だけでは知ることができないその方の内面性を、力を合わせて一緒に考えていくプロセスこそが治療的になるという姿勢を共有しています。ですからリワークという集団療法でも、メンバーの休職経験を内面的で心理的な観点から理解していくことを大事にしています。
心の真実を深く知る経験を大事にする私たちリワークのスタッフは、リワークグループをダイナミックな心としても理解します。スタッフは、メンバーの職場復帰という現実を援助すると同時に、メンバーがグループの中の経験から自分自身を深く知っていくプロセスを共にします。そういうリワークの中での経験こそが、再発予防に繋がる力になると考えるからです。
こうした治療姿勢の下、リワークという集団療法ではメンバー間の相互作用と相互交流が治療的経験の中核だと考えます。
例えば、段階ごとのプログラムと同時に、段階の違うメンバー(リワーク初期、中期、後期)が一つのグループを構成するプログラムも実施することで、多様な感情や想い、葛藤がグループ内で経験されます。
まさに職場がそういうグループだったはずです。あなたは上司や同僚、新人や後輩や先輩に取り囲まれ、様々な感情や想い、葛藤を経験していたでしょう。
リワークのグループの中で経験する不安や葛藤を一緒に考え、その経験を価値あるものとして共有し伝え合えるメンバーがグループを構成する時、何が起きるでしょうか?
そのグループが、ワークできるグループメンタリティ(グループに宿る心の性質)を持つようになるのです。すると、ワークするグループの誕生に寄与している各メンバーの心の中にもワークする心が喚起されます。
このプロセスは集団療法の本質の一つです。それまで凍結していた休職者のメンバーの心が、生きたグループを経験することで、息を吹き返す。葛藤や不安を経験し、それを人とコミュミケーションして乗り越えていける、そんな生きた心を持ったメンバーが一人でも多く、現実の職場に向かって行かれることを、私たちリワークスタッフは援助しています。
リワークプログラム 目次
- ●リワーク定員
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24名
- ●開催時間
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月・火・水・木・金の週5日 10時~16時
- ●料金
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自立支援医療適用により、約850円(自治体により変わります。月の上限負担額が決まります。)