大阪市中央区南本町にあります、心療内科・心理療法の『こころのクリニック和-なごみ-』は不眠、うつ、神経症、情緒不安定等の病気に対して治療、サポートを行っております。また、心の病気によって休職中の方の職場復帰のサポートもしております。

リワークプログラム~6.リワークを利用した復職までのプロセス~

6.リワークを利用した復職までのプロセス~回復段階に応じたリワークプログラム~

リワークでは、回復段階に応じたプログラムを提供しています。この無理のない段階を経ることで、回復が促されます。また、リワークの中での経験が積み重なっていくこと自体が、ステップアップしていくプロセスです。リワークのグループでの経験が豊かになって、ステップアップしていくことは、職場での体験になぞらえることができます。

リワークではどのような段階を経て、ステップアップしていくのでしょうか?

①プレリワーク、②リワーク初期、③リワーク中期、④リワーク後期、⑤アフターリワークという5つの段階をリワークでは提供します。少しずつ、無理なく、進んでいけます。段階を経るごとにリワークでの経験が積み重なって、復職と再発予防が実現できるでしょう。

それぞれの段階が要する期間には、個人差があります。以下に示す期間は、一つの目安です。

① プレリワーク(3週間)~リワークに入る準備をしよう~
リワークに入る準備をしましょう。継続メンバーで構成されるリワークグループにいきなり入るのではなく、スタッフとの一対一の導入面接を通じて、復職への不安やリワークに参加する不安をお話できる段階です。
自ら進んでリワークへの参加を求められる方もおられます。しかし、実際には、主治医や産業医、職場など、自分以外の人から、リワークリワークへの参加を勧めらて来られる方が多いのです。そういう方からは、次のような声が寄せられます。
  • 「復職と再発予防にリワークが役立つと聞いたけど、自分自身はあまり参加したくない」
  • 「リワークがどう役立つのか、わからない」
  • 「プログラムが難しそうで、付いていけるか不安」
  • 「コミュニケーションが苦手だし、グループに入るのは怖い」
職場というグループで辛い体験をして休職した方が、リワークというグループに入ることに抵抗を感じることは、当然だと思います。しかし、リワークという集団療法は、復職の実現はもとより、その後の再発予防に非常に大きな効果があります。プレリワークを通じて、リワークに入るときの最初の不安を少しでも緩和することで、私たちは、少しでも多くの休職された方に、リワークを使って復職していただきたいと思っています。
(1)第1回 導入面接(休職の経緯/リワークの説明/生活改善プログラム/心理検査1回目)

スタッフとの最初の面接です。事前に「リワークプログラムCRESS受付票」に必要事項を記入してご持参下さい。この受付票に基いて、休職の経緯や、リワーク参加にまつわる気持ちやその経緯等をスタッフがお聞きします。上に書いたようなリワークの参加にまつわる不安も率直にお話し下さい。
スタッフから当院のリワークについて、パンフレットを使ってご説明します。現在の睡眠や生活リズムについてお訊きし、リワークで使う「生活記録表」と「生活目標」の用紙お渡しし説明します。プレリワークの間に、自己理解の一助となる心理検査を2回実施しますが、最初の検査を実施します。

(2)第2回 導入面接(生活改善プログラム/心理検査2回目)

第1回でお渡しした「生活記録表」と「生活目標」をスタッフと確認し、睡眠や食事、活動、生活リズム、健康状態をスタッフと一緒に振り返ります。生活改善に向けてのプログラムをゆっくり始めましょう。
2回目の心理検査を実施します。

(3)第3回 導入面接(リワーク参加契約/生活改善プログラム/心理検査のフィードバック)

心理検査の結果をスタッフがフィードバックします。自己理解の一助にして下さい。リワークへの参加決定された方とは、リワーク参加同意書(契約書)を交します。初日の説明やルールなど、リワークの参加の仕方について具体的に説明します。
「生活記録表」と「生活目標」を確認し、リワークに入るにあたって睡眠や生活リズムの改善目標を考えておきましょう。

② リワーク初期(3週間)~少しずつリワークの中に入ってみよう~
プレリワークが終わったら、今度はリワークグループの中に実際に入ってみましょう。リワーク初期は、第1週目は午前3日(2日間はお休み)、第2週目は午前で1週間、第3週目は前半2日間は午前、後半3日間は全日参加。このように1週ずつ参加日数を増やしていくことで、リワークのプログラムとグループに無理なくゆっくり慣れていくことができます。
(1)まずは午前中のプログラムから

リワークのスタートです。プレリワークと違って、実際にグループに入って、メンバーと一緒にプログラムに参加します。しかし、最初から無理は禁物です。リワーク初期では、午前のプログラムへの参加から開始し、3週間をかけて、全日参加に移行します。

(2)1週ごとにステップアップ

以下のように、1週ごとにステップアップしていきます。

参加曜日
第1週
午前3日参加
(2日休み)
AMセルフ
チェック
PM
AMグループ
ミーティング
(選択)
PM
AM個別作業
・個別相談
(選択)
PM
AMグループ
セラピー
(選択)
PM
AM個別作業
・個別相談
PM
必須月・金 選択火・水・木
から1つ
第2週
午前5日参加
AMセルフ
チェック
PM
AMグループ
ミーティング
PM
AM個別作業
・個別相談
PM
AMグループ
セラピー
PM
AM個別作業
・個別相談
PM
月~金まで
全部
第3週
午前2日+
全日3日
AMセルフ
チェック
PM
AMグループ
ミーティング
PM
AM個別作業
・個別相談
PM軽運動
AMグループ
セラピー 
PM自己分析
AM個別作業
・個別相談
PMSST
月~金まで
全部 AM月・火 ALL水・木・金

「個別作業」は個人で課題に取り組めます。隔週で行われる担当スタッフとの「個別相談」も、リワーク初期で始められます。講義中心の「グループミーティング」(アサーション・認知療法・ストマネ)は、初めてグループに入る新メンバーにも安心して受けられるプログラムです。グループミーティングを通じて、再発予防にとても役立つ考え方や方法論を学ぶことができます。「セルフチェック」では、プレリワークの期間に取り組んできた生活改善プログラムを、他のメンバーと一緒にグループ全体で取組みます。「グループセラピー」は見学から始め、リワークの中でのメンバー同士の交流が、リワークの治療体験につながることを感じてみて下さい。

(3)リワーク初期の段階で少しずつ新しい環境に慣れていこう

リワーク初期の段階は、リワークという新しい環境に適応するために、様々な不安を感じるはずです。この段階ではスタッフがプログラムの説明を丁寧に実施します。また、リワークでの経験を積んだ在籍メンバーが、いろいろと教えてくれたり助けてくれることでしょう。コミュニケーションを少しずつ体験しましょう。

③ リワーク中期(2ヶ月~)~リワークでいろんな経験をしよう~
プログラムでの経験と学びが積み重なっていく段階です。最初の不安を乗り越えられると、リワークへの安心が増し、リワークが楽しい場所になってくるかもしれません。しかしリワークでの治療的経験を重ねることで、表面的な楽しさだけでなく、様々な葛藤や苦しみを経験するようにもなります。
リワークの中で、職場の自分が自ずと再現されていくのです。リワークの中で、休職に至った自分自身と再会することになるのです。この再会は苦しい経験にもなります。しかし、これは変化のチャンスです。リワーク中期で再現した困難を、スタッフとメンバーと共に、グループの中で乗り越えていく経験が持てると、復職に向かうこともできます。
参加中期には復職の土台となる健康的な生活を実現していくこともとても大事です。また職場とのコンタクトを開始することも意識します。担当スタッフと一緒に進めていけます。
(1)リワークは全日参加に

リワーク中期では、リワークを1日フルで参加します。お昼休みと午後のプログラムを経験することで、実際の職場の勤務に近づきます。

(2)グループの中でのコミュニケーションを経験するプログラムが入ります(グループ作業、SST、自己分析、軽運動、マインドフルネス、アートセラピー、個人プレゼンなど)

グループの中でのコミュニケーションを主軸に置く午後のプログラムが入ってきます。「グループ作業」は、職場を模したプログラム。メンバーで協力してプロジェクトに取り組みます。
「SST」は、職場を舞台にしたロールプレイを実施し、メンバー同士でフィードバックし合います。グループの中の体験を巡って、全員で考えるプログラムが増えることで、一人だけでは気付かなかった自分自身への発見がもたらされるでしょう。グループで一緒にお互いのことを考え合う経験は、リワークが持つ治療的効果の中核です。

(3)リワークでの経験の積み重ねが、再発予防につながります

リワーク中期のメンバーは職場で言えば、仕事の経験を重ねてきた中堅に当たります。リワークのグループ作業で、リーダー的なポジションに挑戦することで、職場につながる体験ができます。リワークを「心の職場」にできる経験が、発予防の鍵です。

(4)職場とのコンタクトを開始

リワークでいろんな経験が持てると職場とのコンタクトに前向きになれます。復職に向けて、職場との連絡を担当スタッフと一緒に進めましょう。

(5)リワーク中期には、自己評価による振返りを実施

リワーク中期では、質問紙を使ってリワークでの取組みを振返り評価する自己評価を定期的に行います。その結果をスタッフと面談で話し合い、復職と再発予防につながるリワークでの個人目標を設定し、その目標に意識的に取り組みます。
このような自己評価を重ねることで、リワークの体験は充実し、復職に近づける実感が持てるでしょう。

④ リワーク後期(1ヶ月~)~リワークで復職に向かっていこう~
リワーク後期は、職場と復職について実際に話し合い、現実的な復職の見通しが持てる段階です。復職が現実になる達成感や不安、リワークから離れメンバーやスタッフとお別れする悲しさなど経験されるかもしれません。
リワークの卒業と復職を前に、豊かな情緒的経験がもたらされることは、そのメンバーがなした大事な仕事です。リワークのグループの力をもらいながら、復職に向かいましょう。
(1)リワーク後期でのグループ体験

後期では、リワークで一緒の時間を過ごしてきたメンバーが、先に復職を決めて卒業しているかもしれません。自分より後に入ってくるメンバーも増えているでしょう。自分がリワークで得た学びを、新しいメンバーに伝えたいと思えるかもしれません。
こうしたグループ体験をリワークで持てることは、復職してから職場できっと生きてきます。

(2)復職に向けた職場とのコミュニケーション~リワークを併用しながら復職に向かおう

復職を控えたこの段階では、職場の方と復職に関して話し合えることが必要です。職場との相互理解を目指して、メンバーと職場の方と担当スタッフとで合同面談を実施する場合もあります。
また、リワークの卒業と復職の際に、職場からの理解と協力の下で、1~4週間、リワークを併用しながら少しずつ職場に通う段階的復職(試し出勤)を実施する場合もあります。リワーク後期までのプロセスを活かし、復職を着実に成功させましょう。

(3)復職を控えた今だからこそ、困ったことや悩みに目を瞑らないで

最後まで復職への不安が消えることはないでしょう。復職を前にした今こそ、これまでのリワークでの取組みが生きてくるはずです。つまり、「リワークを卒業し復職する今、どういう不安や悩みがあるのか」に目を向け、コミュニケーションを通じて乗り越えようとする姿勢です。
リワークを終了する段階でも、意義のある経験が持てます。それは、復職に向かう真の力につながります。

復 職

継続的な再発予防

⑤ アフターリワーク ~復職後もリワークで再発予防~
リワークを最後までやり抜き、卒業し、復職を実現しました。しかし、ここからが本当のスタート。
職場に戻ってから、いろいろな悩みが出てきます。場合によっては、また職場を休んでしまうこともあるかもしれません。そんなとき、『リワークで学んだことをもう一度思い出せたら』、『メンバーどうしで話し合えたら』と思われるでしょう。
リワークでは、「アフターリワーク」で、復職後のメンバーをサポートしています。
アフターリワーク

「アフターリワーク」は、毎月1回開催している再発予防のための集団プログラムです。復職後も多くの卒業メンバーがアフターリワークに参加しながら、職場での仕事を継続されています。
午前のプログラムの「グループ・ディスカッション」では、復職して困っていることなどを参加メンバーで話し合い、悩みを共有しながら、困難を乗り越える道をみんなで模索します。午後のプログラムは、「ストレス・マネージメント」や「アサーション」、「心理教育」、「マインドフルネス」といった、リワークで実施していたプログラムです。
復職後もアフターリワークに参加して、自分自身の気持ちを見つめることの大切さと、それをコミュニケーションすることの重要性に立ち返りましょう。再発予防しながら仕事を続けていく力につながるはずです。

●リワーク定員

24名

●開催時間

月・火・水・木・金の週5日 10時~16時

●料金

自立支援医療適用により、約850円(自治体により変わります。月の上限負担額が決まります。)

リワークプログラム「CRESS」グループ作業作品集 〜リワークの参加メンバーによる取り組みをご紹介〜

「患者様の声」リワークプログラムCRESSを利用された患者様の感想をご紹介

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15:00〜20:00

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