今年の7月から開始したリワーク・プログラムCRESSですが、年末が近づいてきた今、リワークを卒業され、復職されていくメンバーさんが少しずつ出てきました。
復職を決められたことをとても喜ばしく嬉しいと感じると同時に、これまでリワークでともに活動していた方々とお別れしなくてはいけないことに、寂しさや悲しさも感じます。
確かに、リワークは、復職を目標にしています。
うつ病で休職を余儀なくされた方がリワークに参加されることで、復職に必要な生活リズムを整え、なぜ休職に至ったのかを考える機会を提供して、病気の回復と復職へのプロセスをお手伝いすることが、リワークの意義です。
しかし、リワークの意義は、それだけに留まらないように思いました。
もし、復職することだけがリワークの唯一の目的ならば、見事復職という目標を達成してリワークを巣立っていく方たちに対して、喜ばしいという感情以上のものは出てこないかもしれません。
しかし、実際にリワークを卒業されるメンバーさんを前にして、他のメンバーさんや私たちスタッフは、喜ばしく祝福したいという思いと同時に、この方とお別れしなくてはならないことへの悲しさも同時に体験していました。
もっとお話ししたかった気持ちや、最後に特別にお別れの時間を取りたい気持ちが湧き上がって来ます。
大切な人やものを失うとき、人は、悲しみや寂しさを体験します。
そして、大切なものを喪失したときに、悲しみやこころの痛みを感じられる心こそが、健康な心だといえましょう。
卒業されていくメンバーさんとの別れを名残惜しそうにされている情景を見て、CRESSで出会ったそれぞれのメンバーさんがそれぞれの方のこころの中にいて、お互いの繋がりを感じておられることを、思わずにはいられませんでした。
うつ病と休職という辛い経験の中で、リワークでの出会いを大切に感じらる心が生まれることは、復職を達成することに勝るとも劣らない、リワークの意義だと感じました。
CRESSから卒業され職場に赴いていかれるメンバーの方たちの、職場での健闘と、これからの人生の幸を、願っています。