リワークプログラムCRESSのblogをお読みの皆さん、こんにちは。
この季節、天候の良い日は暑くも寒くもなく気持ちが良くて、とても過ごしやすくなってきましたね。
4月17日のブログの記事で、グループ作業で作った「リワーク通信2015年春号」をご紹介しました。
今日は、3月と4月の2ヶ月間に渡るグループ作業でメンバーさん達が作り上げた
「タウン誌 和 (なごみ)〜こころの寄り道〜」
をご紹介したいと思います。「タウン誌 和」は、クリニック和 ―なごみ― 周辺の散策マップです。
グループ作業では、毎年3月と4月でタウン誌の作成に取り組んでいます。
タウン誌も、今回で第3号となりました。
創刊号と第2号についても、blogで以前にご紹介しているので、この機会にぜひお読み下さい。
創刊号:グループ作業で、タウン誌を作りました![2013年4月26日の記事]
第2号:グループ作業でタウン誌(第2号)を作りました。[2014年4月25日の記事]
では、最新の「タウン誌 和 (なごみ)〜こころの寄り道〜」第3号、御覧ください。
CRESSで作るタウン誌の作り手は、現在休職し、復職に向けて治療に取り組んでいるリワークメンバーです。
このタウン誌が、心の病でクリニックを訪れる患者さんや、リワークに関心を抱いてこのblogを読んでくれている読者の人たちの手に届けば、とても嬉しく思います。
そういう方たちに、タウン誌を見てもらって、手にとってもらって、クリニックへの行き帰りにでも、少し寄り道してもらって、心が癒やされるような素敵な場所の発見のお手伝いができれば、と思います。
そういう読み手のことを考えながら、リワークメンバーの皆も作成に取り組みました。
クリニック周辺をエリア分けし、タウン誌で取り上げるスポットを持ち寄りました。
そして、実際にメンバー全員で足を運んで、その雰囲気を作り手のメンバー自身で感じ、写真を撮り、紹介文を書き上げました。
地図上に皆でコラージュをしたり、パソコンでデザインして、タウン誌が出来上がりました。
「2ヶ月かけてタウン誌を作る」という同じ目標を共有し、メンバー同士でコミュニケーションしながら作業をする体験は、職場での仕事に近いものがあります。
普段は特に意識されることのないお互いの考え方や性格の違いが、グループ作業という協働作業を通じて、浮き彫りになることがあります。
今回も多くのメンバーが、そうした相手と自分との違いに気づき、グループでコミュニケーションしながら仕事をすることの難しさと大切さを、体験を通じて学ぶ機会を持ったことでしょう。
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それは、過去に参加していたメンバーさん達の仕事が、現在のメンバーさんたちに大事にしっかりと引き継がれていることです。
過去に生み出された作品群や、そこでの仕事を記録した議事録などを、その都度参照し、参考にしながら、今回もメンバーさん達は作業に当たりました。
そして、継承できるものは大事に継承し、改良できるものは改良し、新しいものを生み出しました。
過去に明らかになった仕事上の問題や課題を、今回はどうやったら乗り越えられるか、考えることもありました。
卒業されていったメンバー達のかつてのグループ作業の取り組みが、現在参加しているメンバー達の作業の土壌となって、新しいものを生み出していく。
そういう時間の繋がりを、実感します。
それは、今回紹介する「タウン誌」もそうですし、「リワーク通信」や「メモワール」もそうですね。
過去から現在の仕事における繋がりを、リワークのグループ作業を通じて、私は実感します。
それはきっと、あらゆる仕事というものを支えているものなのでしょう。
今の私たちも、よく知らないかもしれないけれど、過去仕事に取り組んできた先人たちの土台の上で、今の仕事をしているはずです。
それは過去と現在との繋がりというだけでなく、同時代においても。
今、自分の見えないところで、多くの人達が、自分の仕事の基礎ともなる仕事に取り組んでいて、私たちは知らないうちに、その恩恵に浴しているのでしょう。
「仕事を自分一人だけで抱えてしまって、苦しくなり、休職してしまった」という体験は、多くの休職者からきかれることです。
リワークメンバーも、人の協力を得ることができずに、一人で仕事を抱え込んでしまった体験を、多かれ少なかれ持っています。
しかし、私たちは明確には気づいていないだけで、すでに多くの他人によって、仕事を抱えてもらっているのです。
それは、今の仕事の土台を作り、今の自分に手渡してくれた過去の人たちであり、まさにこの瞬間も、見えないところで自分の仕事に関わっている現在の人です。
そう実感するならば、皆さん自身も、同時代の誰かの仕事を支え、未来の人へと仕事を手渡しているのだとわかるでしょう。
仕事を一人で抱え込んで苦しいと感じたら、手を休め、少し周りを見渡してみましょう。
あなたが一人で抱え込んでしまったと思っている目の前の仕事の背後に、多くの知らない人たちの仕事が見えてきませんか。
そう気づけたならば、自分一人ではなくて、周りの人とともに仕事をすることは、自然なことだ、と感じられると思います。
人と一緒に仕事をする行動(つまり、相談したり、助けてもらったり)を取りやすくなるでしょう。
そして、あなたもまた、誰かの仕事を助け、支えていくのでしょう。