本日のリワークの午後のプログラムでは、ドクターのうつ病講座が行われました。今回は「うつ病の再発・慢性化」というテーマで講義が行われました。

さて、皆さんは「うつ病の再発・慢性化」と聞いて、どのように感じましたか?
今回の講座に参加されていた方々も、講義のはじめは普段と比べると暗くて重い雰囲気が漂っているように思いました。

うつ病は再発・慢性化が多い病気です。しかし、必ず誰もが再発や慢性化するとは限りません。では、再発や慢性化しないためにはどうすればよいのでしょうか。

再発・慢性化の危険因子をご存知ですか?再発や慢性化には様々な事柄が複雑に関係します。いくつかありますが、特に気をつけるとよいものを3つご紹介します。

1.早すぎる服薬の中止
 主治医の先生の判断なしで勝手にやめてしまうとよくない
2.性格や考え方が偏っている
 0100しかない!裏か表か!正しいか正しくないかのどちらかだ!思い当たることはありますか?
3.本人を取り巻く環境
 どれだけ支えになるもの(人)があるか、どれだけ負担になるものを減らせるか


講義では、うつ病の再発率に関することや再発や慢性化の危険因子に関する講義が行われ、その後に症例が紹介されました。症例では発病前・発病・経過・現在の状況を順に見ていきました。「○○すると良い」「〜〜は避けたほうが良い」などと講義を聞くだけでは、なかなかイメージし難かったり、理解ができなかったりするものですが、症例をもとに話を聞くことで、参加されていた方々も「うんうん」「そうなんか〜」と頷きながら聞いておられ、とてもわかりやすく理解が深まったと思います。

症例をみていくことで、考え・気分・行動の3つは密に関係し、互いに影響しあうことがみえてきました。例えば1つの考えにとらわれてしまうと行動にも制限がかかり、上手くいかないと気分も落ち込む焦ると考えに柔軟さがなくなり、行動を起こせなくなるこれぞ、悪循環のスパイラルですね。

では、このような悪循環にはまらないようにするにはどうすれば良いのか?

再燃・再発予防の手段として、今回の講義で学んだこと。
1.    病気に対する理解を深める。
間違った知識のまま過ごすと、良くなるものも正反対の方向へ自分の体に起こっていることはしっかりと理解しておきたいもの

2.    ストレスの管理
働き過ぎない、趣味をみつけて気分転換、規則正しい生活。簡単そうでこれらをしっかりと取り組むことは難しい

3.    健康増進
飲酒や喫煙、カフェインの過剰摂取を避け、過度な運動を取り入れる。アルコールやタバコはお薬との相性が悪いことが多いです。禁煙される方は主治医の先生と相談されることをお勧めします。

4.    家庭、社会資源、自助グループの活用
家族やリワークなどでの仲間との関係は大きな支えになります。良好に保つことで対人関係のもつれによるストレスも軽減されますね。


上記の事柄が全てではありませんが、再発や慢性化しないために少しでも参考になると良いなと思います。