もう6月になりましたね。時間の経過の速さに驚き、2026年になってから何か積み上げているものはあるのかという不安、何か今からでもできないかという焦りを感じる一方で、何かをしないといけないと思う自分の心に『日々を過ごしていること自体が積み重ねであり、今の自分に繋がっているのだ』と胸を張って言いたくなる気持ちもあります。皆さんはどうでしょうか?

今日はリワークで実施した心理教育というプログラムのお話です。心理教育は、リワークの心理スタッフが各自の専門性をもとに、リワーク参加メンバーの自己理解の体験や復職に繋がるような講義やワークを実施しているプログラムです。先日は『私が存在することについて~自己心理学の視点から~』というテーマで講義を実施しました。自己心理学については、より詳しくわかりやすい説明がインターネットを探せばいくつも見つかると思いますが、簡潔に言うと、『私たちは、他者との関係の中で“自分”を保っている』という考え方です。

私たちにはいろんな場面でいろんな心の動きがあります。褒められたい、認められたい、励まされたい、悲しさを聞いてほしい、など、これらの気持ちへの共感を求めています。具体例としては、自分たちの仕事をしたことに対して、認められたい、という気持ちがあったとしましょう。評価をしてもらうと、そこで認められたいという欲求は、相手から認められた、で満たされるわけです。ここには、私はよくやったんだ、と自分自身で自動的に思えるということではなく、相手からの承認があります。私たちは、相手に理解されている、と感じると、相手に対して『良い人』と思うだけではなく、理解してもらっている側の自分のことも『良い存在』と感じられるようです。相手との関係性があるから私たちは、「自分は自分でいても良いのだ」と肯定感を持てると考えられます。

リワークには休職という体験も含め、自分のことを肯定的に捉えることを難しいと感じているメンバーが多く居るように思います。そして、そう思えない自分が問題なのだ、と更に自己否定を深めていく動きも見られます。しかし、ここまでのお話の通り、私たちが自分を大切にするのには、自分の考え方だけを変えれば良いということではなく、自分に対して反応を返す相手が居ること、関係性を持つことが必要なのも事実です。私はリワークという集団療法の場所で休職をした自分に向き合い復職を目指すメンバーだからこそ、この話をしてみたいと思いました。

心理学の話は抽象的で小難しいことも多いのですが、心理教育のあとにいただいた感想を聞いて、『私たちは個人だけで自分を保っているわけではなく、誰かに理解されること、認められること、一緒に考えてもらうこと。そうした関係の中で、「自分は自分」と感じながら生きている・生きていけること』はお話しできていたように感じています。

自分だけで生きていけたら楽だと感じられることは多いです。誰かとの関係性で感じる気持ちに苦しむこともありません。自分の想いのまま進めたら、心の波も穏やかなのでしょう。ですが、現実として、自分と誰かとの関係性をゼロにできることもありません。

私たちが他人と生きていいくことの大変さを理解したいからこそ、その大変さに向き合いながら今日も『自分』を生きている人たちに敬意を示したい。心理教育を受けたメンバーにも、このブログを今読まれている皆さんにも、私は伝えたいです。