今回は、身近で夏に起きやすい『結膜炎』について書きたいと思います。
「目が充血して痒い!」このような症状、皆さん一度は経験したことがあるのではないでしょうか?結膜炎とは、白目の一番表面の膜である結膜に炎症が起きる病気です。原因は、細菌やウイルス、花粉やハウスダストなど様々。ここでは、結膜炎の種類と特徴、治療について簡単にまとめたいと思います。
○結膜炎には“うつる”ものと“うつらない”ものがある!
<うつる結膜炎>
・流行性角結膜炎(はやり目):ウイルス性
症状:大量の目やに、目の充血、涙、瞼の腫れ、耳の前にあるリンパ節が腫れて触ると痛い
潜伏期間:約1週間から2週間
感染源:ウイルスの付いた手、タオル、ドアノブなどを介した接触感染
治療:残念ながら特効薬がない。自然に治るのを待つ。炎症を抑えるための点眼薬や、症状によってはステロイドの点眼薬が使われることがある。
*豆ポイント:感染力が非常に強い!!医師の指示のもと、学校や仕事はお休みしましょう。
・咽頭結膜熱(プール熱):ウイルス性
症状:目やに、充血、38℃以上の発熱、のどの痛みなど
潜伏期間:5日~7日程度
感染源:プールを介して感染
治療:対症療法
この他に、クラミジア性結膜炎、急性出血性結膜炎などがある。
<うつらない結膜炎>
・細菌性結膜炎:結膜炎の中で最も多い。身近な細菌、常在菌によるもので、免疫力が低下し発症することも少なくない。
症状:目やに、充血、目の痛み、ゴロゴロ感など
治療:抗菌点眼薬で3日から1週間程度で軽減
・アレルギー性結膜炎:花粉、ハウスダスト、埃、ペットの毛に対するアレルギーとして起こる。
症状:目のかゆみ、充血、瞼の腫れ、ゴロゴロ感など
治療:抗アレルギー点眼薬、症状が酷い時はステロイド点眼薬や、免疫抑制点眼薬などを使用することもある。
*豆ポイント:目薬の使用に関しての注意点
・目薬は症状がある目にのみ使用する→目薬を通しもう片方の目に感染する危険性がある。
・目薬の貸し借りはしない→上記同様、感染の原因となるため。
・使用後はキャップをしっかり閉め直射日光の当たらない冷暗所で保管する。一度開封したものは記載された使用期限を守る。
目の痒み、充血、目やに、といった症状を認めた際は、一旦市販の目薬で対応することは可能ですが、症状の改善が見られない際は早目に眼科を受診しましょう。