春の陽気で過ごしやすい日があったかと思うと、雨風で急に冷え込む日もあり、なかなか落ち着かないこの頃です。
近頃、私は「力の抜き方」について考えることがあります。4月、春、新しい環境や新しい人たちとの関わりが始まった人も多くいるのではないでしょうか。これまでと違う生活や環境の変化に直面すると、知らず知らず体と心に力が入ります。その力は、もちろん慣れない状況を何とか過ごしていくための力ですが、力が入りすぎると、どこかに無理が生じることがあります。

最近、私は編み物にハマっています。毛糸を手繰り、かぎ針を動かし、自分の動きに呼応してするすると編地ができていく様子が面白く、なんだか心を落ち着かせてくれるような気がしています。編み物は、力加減が肝になります。力が弱すぎるとうまくリズムを作って編み進められないし、力が強すぎると編み目が固くなって針が通らなくなります。少し肩の力を抜き、脇を緩めて、力が強くなりすぎないように意識しているのですが、どうにもそれが難しいのです。編み目がきつくなるだけでなく、気づくと指に豆ができていたり、眉間に力が入って頭が痛くなってきたり、筋肉痛になったりしてしまいます。日々の楽しみになっていることでも、力を入れすぎる、やりすぎるとどこかに無理が来るものです。今は、編み進める段数や時間を予め決めて意識的に休憩したり、腕や背中を伸ばしたりして、力を抜くことができるだろうか、と試しながらやっています。

環境が変わった人も、そうでない人も、日々の仕事や生活の中でいかに物事を進める方向に力を使うか、ということに注意が向きがちです。力を入れることだけでなく、力を抜くこと、楽にすることについても、ぜひ考えてみてください。