5月の連休は、どんなお休みになったでしょうか。
不安なことや辛いことがあると、なかなか休んだ気持ちになれないものです。

気になることがあったり、悩みがあると、寝付けなかったり、ぐっすり眠れないように。

私たちがどんな睡眠をしているのかは、心の安定や健康を知るときの手がかりになります。

睡眠の質が良くなることと、心の中に安心できるものが増えることとは、関連しています。

睡眠中は、無意識的な心の生活の時間です。起きているときは考えないようにして封じ込めていること——その多くは、私たちの覚醒中の日常を脅かすような不安にまつわるものです——が、睡眠中には、「眼を覚ます」のでしょう。
そういう不安を抱え込んでいたり、封じ込めて日常を送っていると、無意識的な心の生活時間、つまり眠っている時間に、眼を覚ました不安に脅かされる。そういう睡眠に入っていくことに、私たちは抵抗するでしょう。
そういうとき、寝つきが悪くなるのかもしれません。
あるいは、眠れたと思ったら、睡眠中に「眼を覚ました」不安に逆に襲われて、私たちは眼を覚まして、無意識的な心の生活時間から逃れるように、覚醒した現実の生活に戻ろうとするでしょう。
そういうとき、中途覚醒や早朝覚醒が起きるのかもしれません。

寝ている時間は、起きている時間よりも、生活の中に心が占めている割合が、ずっと大きいのです。心が丸ごと経験されると言って良い睡眠が、何らかの障害を被っているということは、それだけ心の中に怖いことや不安なことがいっぱいあることを示しています。さらに言えば、そういう恐怖や不安を、起きている時間に、つまり普段の生活の中で、私たちが封じ込めて、考えないように、触れないようにしていることを、示しています。

起きている時間に、誰かと一緒に、自分が心の中にたくさん封じ込めている恐怖や不安に、少しでも触れられることができたなら、心が丸ごと経験される睡眠時間を、もう少し安定したものにできるかもしれません。

お気づきの方もいると思います。そういうことは、心の治療でやろうとしていることです。

こう考えてくると、夢を見ることも、心の治療において、非常に大事な経験です。

丸ごと心の生活時間、つまり睡眠中に、夢を見られるのは、心が活動している証拠です。苦しく悩んでいると、悪い夢を見るから、夢を見たくないという話を聞くことがあります。心が活動して、心が生きているから、苦しみや悩みを心が夢の中に示してくれます。確かに、嫌な夢を見るくらいなら、夢なんて見たくないというのもわかります。

しかし、起きている生活時間に、心の中に不安を封じ込めてしまうのがあまり良くないように、丸ごと心である寝ている生活時間に、心の中の中にある不安や欲求が自ずと夢の中に出てこないのは、良いない以上に、心配な状態です。

心が生きて動いているからこそ、心の生活時間である睡眠中に、夢を見るのですから。夢を見ることで、心は不安を考えようとしているのです。

あなたは、今、どんな睡眠をとっていますか?

それは、「どんな心の生活時間を過ごしていますか?」という問いです。

そして、「今、どんな心で私たちが生きていますか?」という問いでもあるのです。