皆さんは、苦手なものはありますか?おそらく、全く“ない”という方よりも、大なり小なり“ある”方のが多いのではないでしょうか。苦手な理由もそれぞれだと思います。過去の体験から不快な気持ちになったこともあれば、未体験だけれども苦手意識が自分の中に植え付けられているなんてこともあるでしょう。

ここで私の苦手について、ひとつ話をしていきたいと思います。私は野菜のブロッコリーがとても苦手でした。まだ幼稚園児だった頃、給食で出されたものを食べきるまでお昼休みに入れなかったのですが(今は状況が変わっているかもしれませんね)、ブロッコリーが固くて、繊維が噛み切れず、飲み込めないまま、涙目になりながら、楽しめるはずのお昼休みが苦痛な時間なまま終わってしまったという過去の体験がありました。楽しい時間を過ごすことなく終わってしまった、周りのお友達は食べられているのに自分だけできなかった、先生に怒られた。以降、ブロッコリーは、苦手な野菜と認識するようになりました。

大人になっても、ブロッコリーへの苦手は変わらないままでした。ブロッコリーを見ると、幼稚園の頃の自分が頭に浮かんで、とても手をつけようとは思えなかったからです。しかし、ある日、いつもと違う気持ちが自分の中に出てきました。スーパーへ買い出しに行った時のことです。野菜売り場をウロウロしていると、ふとブロッコリーが目に入りました。いつもなら避ける相手ですが、『お弁当のおかずのレパートリーが欲しい』『美味しいと言っている人が多い気がする…』『腹持ちが良いと聞いたことがある』と、妙に気になりました。自分が頭を悩ませているところへの解決に繋がる気がした私は、人生で初めて(だと思います)自分の意思でブロッコリーを手に取り、カゴに入れ、お会計を済ませました。帰宅し、ブロッコリーと対面し、また食べきれなかったらどうしようという不安が幼稚園の記憶と共に浮かびます。茹でたブロッコリーを目前に何度も深呼吸を繰り返し、いざ実食。

あれ?食べられる…!

とても感動したのを覚えています。私が感動したのは、味が美味しかったから、ということではありません。これまで人生のほとんどをブロッコリー抜きで過ごしてきました。生きていく上で必須ではありませんし、困ることもさほど多くはありません。今回の出来事のきっかけは、些細なことでしたが、得られた感動は大きいものでした。それは、幼稚園の頃の自分から、変われた自分を実感できたからです。

変化した自分を実感出来た時、それは自信や充実感へと繋がります。そして、自分の内に自信や充実感の体験を重ねていくことが、私たちの内の芯へと進化していきます。

私のブロッコリー話にしても、自分の苦手に飛び込むという選択は、その後を大きく左右するものだと思います。無理やりに苦手に飛び込むのが良いとは全く思いません。しかし、自分の中でふとした瞬間に、やってみようかな?という気持ちが出た時に飛び込んでみると、苦手が“苦手だけではなくなる”。克服するということではなく、その苦手への向き合い方が変わるかもしれません。言い切ることはできませんが、私が自分の体験として感じたことを、このブログで共有することで、誰かの苦手への向き合い方・変化につながりますように。