毎週水曜日の午後は、軽運動やリラクゼーション、書道やルービック脳トレといったプログラムを実施しています。

 今週は、軽運動とリラクゼーションを行う週でした。具体的には、卓球と筋弛緩法がそれです。卓球の他、ヨガやもぐふ(CRESSオリジナルのスポーツです。これまではコロナの影響で実施を中止していましたが、近々復活する予定です)を行う日もあります。

 

 個人で行えるヨガ、個人競技だけど対戦という形式で他者と関わる卓球、チーム戦で行うもぐふなど、メンバー皆でさまざまな運動を体験します。この活動を通じて、多くの方が体力の回復を確認することができると思います。自宅療養から、リワークへ移行し、そして職場へ戻る中で徐々に体力を回復していけることは必要ですし、今の自分の状況を把握することはとても大切です。その機会として、ぜひ活用していただきたいと思います。

 また、ゲーム的要素のある運動をメンバーと一緒に行うことで、喜びや楽しさを共有する経験ができると思います。集団で運動することによって、おのずと自分の中にある子どもの部分が出てくると思います。子どもの部分が生じることは決して駄目なことではありませんし、誰しも自分の中に子どもの部分を持っています。どんな自分が表出するのか、どういったことを楽しい(もしくは、悔しいなど)と思うのか、そういった自分と出会う(向き合うと言って良いかもしれません)ことも体力の回復を確認することと同様重要な視点です。

 

 さて、本題です。前置きが長くなりました。今回は、卓球の時間に焦点を当ててみようと思います。(ちなみに、筋弛緩法やルービック脳トレについては、随分前ですが本ブログで取り上げたこともあります。良ければそちらも御覧ください。)

 

 CRESSの卓球は、一般的な卓球のルールにベースは沿っていますが、CRESS独自のルールに変更して実施しています。例えば、コートをやや縮めていたり、サーブでミスした場合は何度もサーブのやり直しが可能だったりが、CRESS独自のルールです。これらの他にもあります。こうしたルールは、これまでのメンバーとのやり取りの中で生まれたものでした。卓球の経験の有無によって、勝敗が決るだけでなく、多くの方が対戦を楽しめることを考えてきた結果でもあります。

 こうした経緯もあり、今回の卓球もラリーが続く、白熱した戦いがたくさんありました。そこで私が注目したのは、その試合での皆さんの反応でした。

例えば、主審や線審を担当しているメンバーの中には、ジャッジを正確にしたいという緊張感の中、前かがみでピン球の行方を見ている姿もありました。観客は、プレイに対して自然と拍手をしたり、「お〜!」と歓声が上がったりすることもありました。

 こうした様子は、競技中のメンバーの緊張感や真剣さを受け取って、ジャッジを適当に出来ないと緊張した自分の姿だったかもしれまんし、試合を行っているメンバー同様に、その試合にのめり込む自分の姿だったかもしれません。

 

 実際に対戦をしている当事者だと、ラリーが続き、呼吸が荒れるほど体力を使ってへとへとになっている姿や、ラリーが長くなればなるほど、その1点を相手に取られて悔しがる姿、ヨッシャ!と喜ぶ姿が見られました。勝敗が決まることで、負けたくない!と意地になる自分だったかもしれませんし、勝ちにこだわり、周囲が見えなくなっていた自分もいたかもしれません。

 

 軽運動では、おのずと子どもの部分が登場することになると思います。時には、子どもっぽいと、こうした自分が嫌になるかもしれません。しかし、のびのび出来ない自分を知る機会になるかもしれませんし、勝つことにこだわりたい、負けたくないと奮闘する自分と出会う機会になるかもしれません。とにかく、楽しみたい、緩く羽を延ばしたいと思うことも、大人の社会からの開放される時間を求めている自分だと知れるかもしれません。

 

軽運動の時間を楽しみつつ、いろんな自分の部分と出会える機会になると良いなと思います。