先日、二ヶ月に一度の、院長のうつ病講習会を行いました。


今回のテーマは、“うつ病の再発・慢性化”についてでした。


うつ病は再発・慢性化が多い病気なので、まずは‘うつ病’についての正しい理解を深め、治療しながら、再発・再燃を予防する手段を自ら取っていくということが必要になっていきます。


うつ病の再発率は高く、ある程度回復したとしても、最初の2年のうちに半数以上の方が再発すると言われているので、その2年間が重要な時期としてとらえることができると思います。



今回は、講習会の中では、架空の事例をもとに、治療の経過がどのように進んでいったかを辿り、再発しないためにどんなことを心がけるとよさそうかを学びました。

発病するまでの様子や、発病してからの経過、そしてどのような問題を抱えているのかを整理することで、
これからどういうことができるようになると良さそうかということが見えやすくなっていきます。


①性格や、考え方が過度に偏っていないかどうか

②どんな生活習慣になっているのか

③仕事以外のことはどうなっているのか

という上記の3つの視点で見てみたり、

考え・気分・行動
が、どうなっていて悪循環が生じているのかを客観的に捉えられると、

現実的な行動が少しずつ取りやすくなっていくと思います。






〜外来でよく話していること〜
◎過去のことをイメージしすぎるとしんどくなってしまうので、
「こんな自分でも、まあいいか」「何でも思い通りにならないよね」と良い意味での「あきらめ」を
 ・・・自分のダメな部分を受け入れたり、周囲に対する過度な期待を下げることができたら、楽になるかもしれないですね。


周りに気を使いすぎないように、
「ありがとう」というように。
 ・・・周囲のことばかり配慮して、身動きがとれなくなってしまうのを避けられるとよさそうですね。

肩の力を抜いて
「病気とうまく付き合っていきましょう」
 ・・・こころのゆとりをどのように確保できるかが大切ですね。

もとの自分に戻ることより、あらたな自分に。
 ・・・これからどんな風に過ごしていけるとよさそうか、少しずつ考えてみてください。




講義のあとは、メンバーの皆さんから、率直な質問がいくつか挙げられていました。

これからどうしていけばいいのか、不安なことはたくさんあると思いますが、
少し先のイメージが持ちやすくなったのではないかと思います。


いろんなプログラムや、CRESSでの関わりを通して、今後も一緒に考えていけたらと思っています。