少し肌寒くもなってきて、秋が深まってきた感じがしますね。
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さて、リワークのプログラムの中で、「休職に至った自分を考える」というテーマでフリートークをしました。参加メンバー各々が、休職したときのことを思い出しながら、そのときの出来事や自分が感じていたことを話していきました。
メンバーは、職業も年齢も性別も違うけれど、休職に至った過去を振り返ると、おどろくほど共通する体験をしていたことが、わかりました。
「仕事へのやり甲斐やモチベーションを見失ってしまった」という風に振り返ったメンバーさんがいました。
今の仕事そのものが、果たして自分がやり甲斐を感じられる仕事なのか?
もし、やり甲斐を感じられなくなったとき、いったい、仕事とどう向き合えばいいのか?
すぐには答えがでない疑問でしょう。
フリートークのプログラムの時間では、「なぜモチベーションを喪失してしまったか?」をそのメンバーさんが問う中で、子供の頃の自分にまでさかのぼっていかれることがありました。
休職に至った自分を振り返る時、その原因は様々ですが、各自の人生史が絡んでいることがあるのだと思います。
「内心ではどれだけ疲れ、悩んでいても、仕事をしているときは、決して弱音を吐くことができなかった」と振り返っていたメンバーさんがいました。
弱い自分を見せらなかった、という体験は、多くのメンバーに共通していた体験でした。
「職場の誰も弱音など吐かずに頑張って仕事をしている中で、弱っている自分を出してしまったら、脱落してしまう」という不安は、多くのメンバーさんが感じていたことでした。
以前のブログの記事で、「弱い自分」とどう向き合うか、という内容を書いたことがあります。
「強さ」と「弱さ」(2013年3月29日の記事)
弱い自分は、どこかで助けを求めています。依存したい気持ちを、持っています。
しかし、弱い自分を見せることが叶わないときには、なかなか、誰かに依存したい気持ちや、寄りかかりたい気持ちが自分の中にあることを、自分が肯定することができません。
どうしたら、そうした自分を認められるのか。
弱い自分を認められなくなってしまったのは、昨日今日の話ではないので、すぐに解決できることではないでしょう。
しかし、そういうメンバーさんが、こうしてリワーク・プログラムに参加することを決断し、日々リワークに足を運び、メンバー同士やスタッフに対して、自分の弱いところや苦しい気持ちを表現できるようになっていくことが、とても大切な一歩となるでしょう。
リワークの中で、弱っていて大丈夫じゃない自分を、他の人に表現しても、「大丈夫」と感じられるようになること。それが、第一歩です。
自分の中にいるいろんな自分がリワークプログラムを通じて表現され、その存在に自分が気付いていくこと。
それは、不安を乗り越えていく大切な仕事です。