リワークプログラムCRESSのプログラムの一つに、「グループ作業」があります。
 これまでも本ブログでは、以下のグループ作業をご紹介してきました。
① 2012年10月のグループ作業より、「ワクワク♪リワ〜ク通信 ー秋号ー
② 2012年11月・12月のグループ作業より、「グループ作業〜2012年を振り返って〜
③ 2013年1月・2月のグループ作業より、ワクワク♪リワーク通信〜春号〜

 今日は、この3月と4月の二ヶ月間に渡りメンバーさんが取り組んできた、最新のグループ作業をブログで紹介したいと思います。

 今回のグループ作業のテーマは、「タウン情報誌をつくる」でした。
 どんなコンセプトのタウン情報誌を作るか決めるところから始まり、役割分担、進捗管理などのプロジェクトの進行を、メンバーの皆さん主体で取り組んでいかれました。

 メンバーの皆でアイデアを出し合って考えたタウン誌の名称は、
「和 なごみ  〜こころの寄り道〜」
と決まりました。
 
 それでは、CRESSリワークメンバーが創り上げたタウン誌、「和 なごみ  〜こころの寄り道〜」を、ご覧下さい!!

和−なごみ− こころの寄り道(表表紙・裏表紙)

和−なごみ− こころの寄り道(お散歩MAP)


 この完成品を見たとき、私達スタッフも、「よくここまで丹念に作り込まれたなぁ」と驚きを禁じ得ませんでした。

 「和 なごみ  〜こころの寄り道〜」の表紙には、メンバーの皆さんからのメッセージがこうあります……。
 リワークプログラムCRESSの参加メンバーが、こころのクリニック和〜なごみ〜を中心としたおよそ半径1kmのエリアを4つに分けて展開。独自の取材をもとに作成・提案するお散歩MAPです。さあ、あなたも小さな発見を探しに行きませんか?


 「和 なごみ  〜こころの寄り道〜」には、現在うつ病で休職し、復職に向けて日々こころの回復と変化に取り組んでいるリワークメンバーの特別な思いがこもっています。
 それは、“現在自分たちと同じようにこころの病気で苦しみ悩んでいる方たちに、このタウン誌を手にとってもらえたら……”という思いです。

 普段何気なく過ごしていると気付かないけれども、「和 なごみ  〜こころの寄り道〜」を片手にクリニック周辺を散策してもらうことで、私たちの近くには本当は興味深いものや素敵なものがあるのだ、ということ。
 そして、この「和 なごみ  〜こころの寄り道〜」が、小さいけれども、こころが癒されるような素敵な発見に、少しでも役立つことができれば、というメンバーの皆さんの気持ちです。
 
 メンバーで散策コースを決め、実際に歩き、取材をし、撮影をしてきました。
 そして、リーダーを務められたメンバーさんを中心に、参加したメンバー全員がグループ作業に携われる作品として、更には、CRESSならではの手作りのタウン誌を作るためにも、お散歩MAPはコラージュ形式を採用し、写真や文字をメンバー全員で切り貼りして創り上げて行きました。リワークのアートセラピーでコラージュ作品に向かい合ったことが、メンバーの皆さんのこころに残っているからだろうと思います。

 今回のグループ作業には、このタウン誌の完成を見る前に、復職を決めて卒業されていかれたメンバーの方たちの存在がありました。グループ作業の途中で卒業することで、完成まで携われないことを気に掛けながらも、在籍メンバーへとバトンを託していかれた卒業メンバーの思いがありました。「完成品を見ることを、楽しみにしています」と温かいメッセージを残されて、職場へと戻っていかれました。
 また、グループ作業の途中で、新しくCRESSに参加されたメンバーの方たちもおられます。ただでさえ新しいリワークへの参加で緊張している中、出来上がりつつあるグループ作業にどうやって自分が関わり、更に自分を出していけばいいのか、内心では戸惑いや不安を抱えて参加されていたことでしょう。実際には歩いていないコースの作成に携わりながらも、これまでの作業のプロセスを何とか自分たちも繋げていこうと協力されていました。
 リワークグループが持つ激しい流動性のただ中で、仕事の引き継ぎの難しさを各自が体験されていたことでしょう。
 そんな困難な状況下でも、リーダーを中心に新旧両メンバーが活気を持って作業に取り組まれました。
 そして、そうしたリワークメンバーのことを、今はリワークルームにいなくても、どこかで卒業メンバーが見守ってくれていることを、在籍メンバーが心で感じていたのだろうと思います。

 「和 なごみ  〜こころの寄り道〜」のグループ作業の体験は、それぞれのメンバーにも、こころの発見をもたらしてくれたように思います。
 この大切な創刊号は、今後CRESSに参加されるメンバーの皆さんにも、引き継がれていくはずです。