八月も残すところあと一週間ですが、まだまだ蒸し暑い日々が続いています。
 照りつく太陽でスタミナが奪われたり、逆に冷房で身体が冷えて体温調節がうまくいかなかったりして、この時期は自分でも気づかないうちに、夏の疲労がたまっているものです。
 身体からのメッセージにも耳を傾けながら、一歩ずつ着実に「こころ」と「からだ」の交流とバランスを取り戻していきましょう。

 さて、リワークプログラム「CRESS」では、参加者の皆さんに『夏』から連想すること、イメージすることを、真っ白な画用紙に、鉛筆と水彩絵具を使って自由に描いてもらいました。
 みなさん絵筆を持たれるのは久しぶりだということで、当初は、上手に描けるだろうかという心配もおありのようでしたが、限られた時間の中で集中して取り組まれ、作品を完成されました。
 その後、お一人ずつ感想や気づきを発表していただくと同時に、参加者のみなさんから感想やコメントが出され、全員で一つ一つの作品を鑑賞していきました。

 絵には、その方のこころの世界の何らかが、映し出されます。
 絵の中に、自分でははっきりと意識できていなかった思わぬものが現れることもあります。
 自分が何を描いたかを見て、鑑賞することは、自分自身を知る一つの切っ掛けになりえます。

 そして絵を描くことは、こころの中でイメージしていることや考えていることを、外に目に見える形で伝える行為(コミュニケーション)でもあります。
 イメージ通り絵を描けたというのはすばらしいことですが、「イメージ通り描かなかった」、「うまく描けなかった」という経験にも、とても大切な意味があります。
 こころの中にはあることと、それを外の世界や相手に伝えることとのあいだにある隔たりや難しさに、絵画という表現方法を通じてではありますが、思いをはせ、考えることができるからです。

 また、制限時間内で絵を描くということには、一定時間、集中して作業に取り組み、仕事を仕上げるという意味もあります。

 苦手だと思っていたことや、敬遠していたことでも、一度取り組んでみると、予想していなかった発見や充実感、楽しさを感じられるかもしれません。

 CRESSでは、絵画に代表される「表現」や「芸術」のもつ治療的な力を取り入れたプログラム(絵画療法、芸術療法)も提供しながら、復職を目指そうとされる方を支援できればと思っています。

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