10月に入り、季節もようやく秋へと移ろうとしていますね。前回の「豆太郎」は、夏真っ盛りの時期だったので、暑さに影響を受けやすい胃腸についてお話ししましたが、今回も引き続き「胃」についてもうひとつ豆情報を載せておこうと思います。

「機能性ディスペプシア」お聞きになったこと、ありますか?

 

一度では恐らく覚えられないこの病名、何とも難しい病気のように感じますが、これは今まで「慢性胃炎」として扱われていた症状の、新たな病名です。

 

機能性ディスペプシアとは…

 胃の痛みや胃もたれといった不快な症状があるにも関わらず、検査をしても異常がみつ    からない場合に診断される病気。

 

○診断基準  ①つらいと感じる心窩部痛(みぞおち辺りの痛み)

       ②つらいと感じる心窩部灼熱感(みぞおち辺りの焼ける感じ)

       ③つらいと感じる食後のもたれ感

       ④つらいと感じる早期飽満感(食事開始後すぐにお腹がいっぱいになり、

                     最後まで食べられない。)

これらの症状のいずれかが少なくとも6カ月以上前に始まり、且つ、直近の3ヶ月間にも症状が続いている。

 

○原因  胃の機能低下、ストレスや不眠、胃の知覚過敏、遺伝的要因、喫煙・飲酒・不眠

     等の生活習慣の乱れ、菌やウイルス感染の後遺症など、症状の原因・誘因は多様。

 

○治療  内服治療

     (胃酸を抑える薬・胃の働きを良くする薬・漢方・抗不安/抗うつ薬)

     生活・食習慣の改善

 

胃の調子が悪くて検査を受けたが異常はなかった、自律神経の問題だと言われた、といった話をよく耳にします。このように言われると、医療的な治療法はなく自分で何とかして下さい、と言われたような気がして、そのまま症状を持ち続けてしまう方もおられるのではないでしょうか。確かに生活・食習慣を整えることは個人の努力が必要です。しかしはっきりとした病名が分かれば、その病気にあった内服薬の処方、指導を受けることができ、早期改善、回復に向けた治療が期待できます。症状は続いているけど仕方ない、と諦めている方、このブログを読んで気になった方は、もう一度消化器内科にご相談されてみてはいかがでしょうか。