黄や赤のきれいに色づいた葉が、はらりはらりと落ちていく様を見ていると、冬の訪れを実感しますね。あんなに暑かった夏が遠い記憶になりつつありますが、皆さまは季節のかわりをどんな風に感じておられますか?

 

今回は、言葉を使うこと、相手に言葉を用いて何かを伝えることについて、最近私が感じたことを書きたいと思います。

 

リワークでは、自分の思いや意見を他者に伝えることを目標に取り組まれている方がいます。それは、休職に至った経緯の中で、相談できなかった自分や、一人で抱え込んでいた自分がいたことに気づかれたからこそだと思います。

他者とコミュニケーションを取ろうと思う気持ちの中には、再発を予防につながるという考えなど、メンバーさんによって、いろいろな目的があると思います。

また、目標を立てて、実際に思いを言語化することに挑戦されている方や、ノンバーバルでのコミュニケーションに頼らず、言葉を使うことを意識されている方の姿を見ることがたくさんあります。

そして、伝えて良かったと安堵している方、言葉にしようと思うけれど、何だか怖くて言葉にできなかった・・・と反省されている方の姿も見られます。

言葉を用いて相手に思いを伝えることに、不安や怖さを感じることは、自然な心の動きでもあると思います。

一方で、怖い・不安ということにとらわれてしまい、相手に思いを伝えることの楽しさや嬉しさを忘れているようにも、私は感じています。

 

私事ですが、言葉を覚えたての小さなこどもが言葉を用いてコミュニケーションをはかろうとする姿を見る機会が増えました。

 

言葉を覚えたての小さな子は、熱心にかつ率直に言葉を使って、思いを表現してくれます。

例えば、朝には必ず「おはよー!」と言いながら駆け寄ってきたり、できないと困ったことを「やってー!」と全力で訴えたり。時には、欲しいものを「ちょうだい」と言ったり、嫌なことには「いやー!」とはっきりと言ったりします。躊躇いなく、言葉を使う姿に感心するばかりです(嫌とはっきりと言われると困ることもありますが)。

そして、「いやー!」ということに、「あらら、嫌なんか〜」と応えると、満足そうにしますし、嬉しかったことや欲しいものを伝えて、それが叶った時には、とても嬉しそうにします。

伝わったという感覚があるからでしょうか、何かがあると、積極的に言葉を使って、自分の意思を伝えようとします。

 

こういった小さな子の姿は、私にとって、「自分の思いを他者に伝えることは、そんなに怖いことではないのかもしれない」と思わせてくれる姿でした。

 

他者に思いを伝えることに、怖さや不安を感じることは、いろいろと考えることがあるからこそ、言葉を使って他者に伝えることをためらう気持ちも出てくるのだと思います。それはとても大切なことです。ただ、ためらう気持ちは自然ですが、伝えるべき時に、自分だけのものにしたり、言葉を使わずに終わったりしてしまうだけでは、なんだか勿体ないなと、思わせてくれたのも、小さなこどもの姿でした。

 

私も今日あった何気ない出来事を誰かに伝えたいと感じたり、悩んでいることを誰かに(私の中では明確に思い浮かべている人がいますが)伝えよう、相談しようと思っています。