世の中「コロナ」一色になっています。「敵」の正体が見えず、先が見えない状況でどうしても不安感が募ってしまいますね。身の安全を守るためには正しい情報を得ることが大事なのですが、今はむしろ情報は大量にあふれていて、それらをどう取捨選択して、正しい行動を選択するのかという難しさがあります。
そこで再確認したいのが、コミュニティの中での対話の大切さです。昔から人は井戸端会議のような身近な情報交換の場を持ち、「ああでもない、こうでもない」と話し合いをします。その中で自然に情報を整理したり、意思決定のヒントを得たりしているものです。今回のような社会全体の危機的状況だけではなく、仕事や家庭の悩みなど、個人的な状況をどう乗り切るかにおいても、対話の力は重要です。
リワークプログラムでもメンバーさん同士の対話の力を活用する機会があります。つらい、不安だ、といった気持ちも含めて、メンバーさんの前で気持ちを表現することがあります。それをきっかけに相互のやりとりが広がっていき、皆で「ああでもない、こうでもない」というプロセスを共有することによって、次第に混乱していた心が整理されていきます。ただし、心の表出には場の安全感が不可欠ですので、スタッフはその点をしっかり意識して、よい対話が行われるようサポートしていきたいと思っています。