SNSが社会を席巻するなか、「インスタ映え」や「いいね」などを巡るSNSの負の側面が話題になることも多くなりました。フォロワーに認められたい、一目置かれたいと思うあまり見栄を張ったり、話を「盛る」人も少なくないのでしょう。
 そしてSNSに限らず、承認に餓え、「認められたい」と切望するのが現代の日本人の傾向として指摘されています。日本には諸外国と比べて認められ、褒められる体験が会社や学校などで得られにくい文化・風土があるともいわれます。
 しかし、ただ褒められればいいというものでもありません。高い評価を得て認められ、期待されすぎるのもまた、失敗できないプレッシャーになるといった複雑な様相があります。

 では、どうすればいいのでしょうか。「承認欲求」問題を検討するうえで、ひとつ重要と考えられるもの、それは「自己開示」です。周囲から認められない満たされなさ、期待に応えねばならないという重圧。それをひとりで抱え、さらに頑なにそれを悟られまいとするならば、その苦しみは増幅します。そうするよりも、飾らず、背伸びせずそれを誰かと共有出来たら、それだけで楽になることがあるように思いませんか。同僚でも、友人でも、家族でも、誰かと分かち合えたら。

 リワークは、その機会にあふれているといえそうです。自己開示においては、とくに自分の失敗体験や弱みが共有できるかどうかが重要とされます。リワークには自分の失敗や弱さも含めて語り合える仲間がいますし、葛藤や思いを受け止めるスタッフもいます。もしこれまで自己開示が上手でなかった人が、ここで自己開示によって楽になる体験ができたら、復職後におおいに活きるように思います。
 そしてリワーク卒業後も職場内外でうまく自己開示する環境が作れたら、前とは違った働き方、生き方が見えてくるかもしれません。
(参考図書:『「承認欲求」の呪縛』太田肇著)