休職している状態から、復職に至るプロセスには、さまざまな不安が頭の中で渦巻いているのではないかと思います。

本当に自分が復職できるんだろうか…

復職したら仕事はどうなっているのか…

職場の環境はどう変化しているんだろう…

同僚は自分のことをどう思うんだろう…

今の状態でやっていけるのか…

苦手なことは取り組めるのだろうか…

しんどいことが起こったらどうしよう…

わからないことがあったらどうしたらいいのか…

休職した自分を周囲に理解してもらえるのだろうか…

困ったときに頼れるのか…

再び休職してしまうのではないだろうか…



不安はどんどん広がって、気分が落ち込んでしまうこともあるかもしれません。



〈CRESSでは、復職に向けての準備を行うプログラムに取り組んでいます。〉

体調管理ができるように、
柔軟に考えていけるように、
ストレスマネージメントができるように、
人とこれまでよりもうまく付き合えるように、
自分らしく社会で暮らしていってもらえるように・・・



①最初は、続けてCRESSに参加できるかどうかが大切で、新しい環境に慣れていくことが大きな課題です。

②次第にCRESSに体調を壊さずに継続して参加できるようになって、他の人ともコミュニケーションを取れるようになってきたら、少しずつプログラムに積極的にコミットメントしながら、休職に至ったことを振り返り、自分自身について考えることができるようになってきます。
これまでは考えることができなかった大きな問題を、CRESSの仲間とともに考えることが重要になってくるプロセスに入っていきます。

③職場でしんどかったことと同じような出来事が起こり、それについて考えうことが必要になってきます。

④そして、復職後の現実的な自分自身の姿を描けるようになって、うまく自分自身と付き合いながら仕事ができるようになったところで、職場とも連絡を密に取りながら、具体的な復職が見えてきます。


こうしたプロセスの中で、人それぞれ進み方は違いますし、CRESSへの参加の気持ちも違うのは当然のことだと思います。

職場とCRESSの環境が違いすぎて、職場では困っていたけど、CRESSでは何も困ったように感じない人もいるかもしれないし、
職場で行き詰まった状況と同じことがCRESSでも起こって、自分の問題にぶち当たる人もいるかもしれません。

そこで思うことは、休職に至るまでの中で自分に起こっていた問題をどこまで直視して考えていけるかというところに、復職してから自分らしく仕事をしていくためのヒントが隠されているようにみえるということです。


・・・「職場では笑顔を失っていた」でも「CRESSでは、いつも楽しい」
・・・「職場では苦手な人と仕事をしていてキツかった」でも「CRESSでは、苦手な人がいないから問題ない」
・・・「職場では一人で抱え込んで仕事をしていた」「CRESSでは無理せずに過ごせている」

さて、この状況で、果たして復職後、問題なく過ごせるのでしょうか?

この状況のままだったとしたら、CRESSでの自分と、復職後の自分がかなりかけ離れていってしまうのではないでしょうか。

さまざまなプログラムがありますが、“プログラムを聞いたからそれで全部問題ない”というものはありません。
“話を聞いたからそれを全部やっていけばいい”というものでもないし、プログラムに主体的に参加して、その中で、『自分だったらどうするだろう?』『自分だったらどうしたらいいんだろう?』と考える作業が一番大切です。

それが見えないまま、CRESSでの自分と、職場での自分を切り離してやっていくというのは、また別の問題を生み出してしまう可能性があります。


CRESSの中で何も困っていないから問題がないというのではなく、
何も困っていないのはどうしてなのか考えたり、自分のペースでやっていくにはどの程度のことができるのか客観的に見つめなおしたり、自分の向き合いたくないものに目を背けていないかどうか自己点検してみてください。

そこには復職後の自分を支えるようなヒントが隠されているはずです。