寒さが厳しい日もあれば、日中はあたたかさを感じられる日も出て来ましたね。
感染症の拡大に伴って、例年とは異なる年明けのスタートになったな〜と、個人的には感じているのですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
私は、近所をお散歩したり、栄養満点の食事を作ってみたり…、引き続きお家時間が多くなっています。読書の時間も増えました。手に取る本の種類も広がったようにも思いますが、今日は本を読む機会が増えたので、絵本の紹介をしたいなと思います。
リワークの朝の一言などで、メンバーや時にはスタッフが、絵本をテーマにお話をされていたことがありました。知っている絵本や、知らない絵本があり、楽しんで話を聴いていました。
そういった経緯もあって、私も絵本を1冊(正しくは、シリーズものになった絵本を)紹介したいと思います。
“14ひきの”シリーズをご存知でしょうか?
いわむらかずお さん の絵本です。この14ひきのシリーズを紹介したいと思います。昔からある絵本なので、手に取られたことがある方も多いのではないでしょうか。
私は、この14ひきのシリーズが大好きで、大人になった今も、たま〜に読み返すことがあります。14匹のねずみの家族のお話です。森の中に自分たちで作ったお家で生活しているねずみの一家が、時には「せんたく」に出掛けたり、「やまいも掘り」に行ったりする様子が、1冊ずつに描かれている絵本です。
何気ない日常が描かれているのですが、私にとっては、ヒヤヒヤする場面やほっこりする場面があって、何だかこころを動かされる絵本なんです。
何に惹かれているのか?どうして好きなのか?というと…
いわむらかずお さんの絵が好きだから。あたたかみのある可愛らしい絵で、眺めているだけでもほっこりするので、そんな部分に魅力を感じているのだと思います。それだけではなく、四季折々の様子や、大家族なんだけど、一人ひとり(1匹1匹でしょうか?)が、ひとまとめに、一律に描かれるのではなく、それぞれの様子で描かれている、そんなストーリー自体が好きなんだと思います。
以前、いわむらかずお さんが何かのインタビューで、「右向け右の時に、左を向いていると怒られるというのは、好きではない。皆と違うことをしているということは、とても大事なこと」と仰っていたことがありました。この言葉に言いあらわされていることが、絵本の中に描かれているなと感じています。
きょうだいの中には、しっかり者もいれば、豪快でやんちゃな者もいて、それをあたたかく見守るおばあちゃんや、ひやひやするお母さんの姿が描かれています。同じ事柄に家族で取り組むんだけど、それぞれに個性があって、楽しみ方や取り組み方が異なる姿が一つ一つ描かれています。そして、違った方向を向いている誰かを否定するのではなく、皆それぞれの向きがあることを肯定しているような印象を受けます。
しかも、文章でそれらを説明するのではなく、“絵”で表現されているのです。
絵本を開くと、“私だったら、さっちゃんと同じことをしているだろうな”と思いつつも、本当は“なっちゃんみたいに振る舞えたら楽しいのかも”とぶつぶつと喋っていることがあります。自分だったらどうしているだろうなと想像すると、ねずみ一家に仲間入りした気分にもなれて、それが何度も読み返すポイントの一つでもあると思います。14匹それぞれに魅力があって、それぞれの視点があって…、だから何度も読み返したいと思わせてくれる絵本なのかもしれません。
突然ではありますが、リワークのことも取り上げたいと思います。
リワークでは、皆で同じプログラムに取り組みます。しかし、メンバーそれぞれの取り組み方や思いがあると思います。リワークにも、個性があらわされる瞬間がたくさんあって、それらに皆さんの魅力があるなと実感する場面が多々あります。例えば、SSTやグループ作業での様子に限らず、新たなメンバーが加入した時の皆さんの自己紹介の仕方や、朝の一言、書道の時間など、その人らしさや、その人ならではが表現される場面がたくさんあります。
リワークでの取り組みに私自身が魅力を感じるのも、14ひきのシリーズに魅力を感じるのも、共通点があるんだな〜と、絵本を手に取って改めて実感しました。
14ひきのシリーズをご存じない方は一度手に取って頂きたいなと思います。また、リワークの中で感じた、それぞれのメンバーならではの魅力を大切に、これからもリワークに携われたらいいなと感じています。