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リワークを利用された患者様の感想[2023年9月~2024年8月]

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リワークを利用された患者様の感想[2023年9月~2024年8月]

O.T.さん(リワーク在籍期間:396日)

『リワークでの1年1ヶ月を振り返る』

正直もう無理だと思っていました。復職は。自分は一体何回休職退職を繰り返したら気が済むのだろうか、いや、そもそもこの社会で生活していくことすらできないのではないか・・・。

私は2022年8月から1年1ヶ月このリワークプログラムCRESSにお世話になりました。そこから、今までとは何か変えていかないと、と思って通い始めたリワーク、恐怖の職場にすぐに戻りたくない、と思って通い始めたリワーク。卒業することになりましたが、入る前後で自分がどこまで変われたのか、本当に復職してやっていけるのか正直とても不安です。でも自分なりにこの間、一生懸命やってきたつもりです。本当にいろんなことがありました。順風満帆に来たわけではありません。むき出しな感情や、フィードバックに恐怖を覚え、時には休んでしまったり、メンバーの皆さんとぶつかったり、その度に落ち込み、やっぱり自分はだめなんだと思ってしまったり。でも、先生方やメンバーの皆さんとコミュニケーションを取る中で何とか前を向き、やってこれました。45年生きてきましたが、一番自分でがんばったと思える1年1ヶ月であったと思います。

この卒業文集を書くにあたり、この1年1ヶ月、自分は何をしてきて何を得たのだろう、と振り返ってみました。前述のとおり、恐らく大きく自分は変わっていないでしょう。でも自分はどういう人間なのか?というところは少しだけ分かることができた気がします。

大きくいうと、「弱い自分を見せたくない、失敗したくない」というのが根本にあり、そこから派生したいくつかの特徴が自分を形成しているのではと思います。

その1つ目は、休職前の自分はある意味「仮面」をかぶった状態であったということ。仕事で辛かったはずなのに、明るく元気にふるまい、よく笑う自分、弱みを見せない自分。笑うことで自分の辛い感情を麻痺させるとともに、相手にも安心感を与え、自分が傷つかないようにする自分がいたということです。なので、逆に言えば、辛い感情にまともに触れるのが怖い。それが自分の感情でなくても。むき出しな感情やフィードバックに恐怖を覚えるところとも関連しているのではないかと思います。

2つ目は、相談役を担っていること。リワークでの生活に慣れるにつれ、いつの間にかグループ内での相談役を担っている自分がいたのです。振り返ると休職前の自分もそうでした。相談役を担うことで、弱い自分を見せずに済む。本当は自分が助けてほしいのに。人を助けることで満足感を感じていたのです。疎外感を感じやすいところも無意識のうちに行動を起こしている要因となっているのかもしれません。

3つ目は、新しい環境に不安を感じ、孤独に準備しようとすること。できない自分を見せたくないから、念入りに準備し、時間外作業を積極的にしようとするし、人に聞こうとしない。自分ではどうにもしようがない場合にはその環境に踏み出せずに、籠ってしまうのです。異動を言い渡されて、再休職してしまったのですが、この部分が出ていたのでしょう。

いろいろ書きましたが、恐らく自分の特徴の氷山の一角に過ぎないでしょう。この他にも、先ほど書いた疎外感の強さや自己関連付けが多いというのも分かってきました。

正直、リワークを卒業する現在でも、この自分の特徴の意識はしているものの、あまり変われていない自分に不安を感じるし、復職時の問題ではなく、自分の一生の問題として付き合っていかなければならないことは覚悟しています。でも何かまた壁にぶちあたったときに、今度は一人で悩むのではなく、誰かに助けを得ることの大切さを、この1年1ヶ月の間の経験で学べたことは確かです。自分の特徴も自分だけで気がつけたわけではありません。先生方やメンバーのみなさんとの交流、そしてプログラムに取り組む中で教えていただけたからこその内容です。リワークを卒業すると、また環境が変わり、つながりも変化します。自分の性格上、早くつながりを持とうと焦るでしょうが、一歩一歩ゆっくり進んでいきたいと思います。

最後に、コミュニケーションに恐怖感しか覚えなかった自分を卒業まで導いていただけたのは、先生方やメンバーのみなさんのおかげです。本当に感謝しかありません。いったん卒業はしますが、これからもアフターリワークで、どうぞよろしくお願いいたします。

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J.R.さん(リワーク在籍期間:348日)

『リワークを振り返ってみて』

リワークに参加した経緯は職場での人間関係がうまくいかず休職したことで、何もしないよりはと思い参加したのがきっかけでした。休職した当時は職場での出来事を思い出すのもしんどく、睡眠も大きく崩れた状態だったのを覚えています。復職したい気持ちもほとんどなく、私はここで体調を整えて、別分野の職業訓練校に行こうとしていたりとかなり、復職を目指すメンバーとは異なる考えを持っていました。参加してみると、メンバーがリワークに真剣に取り組んでいる姿を見て、自分と比較してしまい、発言の内容が乏しかったり、発言できない日々が続いて、自分が恥ずかしくなったりと落ち込む日々を過ごしていました。リワークのメンバーとは表面上は話せていましたが、何か物足りない気持ちになり、自分がよくわからなくなってしまうことも何度もありました。また、個別相談では担当の田原先生に最初はどう話していいか戸惑う部分の方が大きかったですが、少しずつ自分の気持ちを話してみて、気持ちの整理ができてきました。

ただ、気持ちを復職か転職かといったどちらも自分で決められないフラフラとした中途半端な状態で6ヶ月があっと言う間に過ぎてしまい、職業訓練校の方は「期限がないから、今回は見送ろう」と自分の中で逃げ道をつくって、会社とは何回か面談していたので会社の方から「そろそろ復職してみては」と言われ、リワークのメンバーや先生にハッキリと復職の意思を示せないまま、復職しようとしました。当然、心の準備もできていなく、どんどん気分が沈んでいき、復職できる状態ではないなと感じたので、会社の方には、まだ気持ちが整わないと伝え、休職を延ばしてもらいました。メンバーには表立って復職できなかったことや調子が大きく崩れたことは話せず、その頃には担当の心理士の先生が田原先生から北岡先生に代わっていましたが、先生にはハッキリと自分の弱さが明らかになったと思います。

そこからリワークにいても人と話したくない、心のひきこもりのような状態に陥ってしまいました。そこから、変われたきっかけは、先生から色々なことを言われたこともありますが、リワークのメンバーの存在が大きかったように思います。メンバーが話しかけてくれたりして、またここから進んでみようという気持ちになり、まずはリワークに集中して取り組むことを先生との個別相談の中で、考え決めていきました。プライベート面は一人暮らしができない状態が続いていたので、両親に相談して賃貸を引き払い、実家で生活を整えることを決めました。仕事面では転職はいったん脇に置き、「復職」を軸にして、会社とのクリニックでの合同面談を実施してもらうなど自分の軸を決めていきました。並行して、リワークではグループ作業で班長、副班長を通して、自分がコミュニケーションで課題としている部分「仕事で人に頼れない、一人で抱え込んでしまう」ことを中心に取り組みながら、リワーク通信や卒業メンバーと関われる交流会を経験できました。その中でも印象的だった出来事は弱々しい自分が、ありありと出ていたので、メンバーからもっと班を引っ張ってほしいという思いや遠慮して意見を言いづらかったなどの率直な意見をもらえ、内心は落ちこむことのほうが多かったですが、「ここで終わりたくない」と負けず嫌いな自分も出てきて、やり遂げることができたのは、少し自分の自信につながったように思います。

復職についての職場との面談も自分の気持ちを資料にまとめて、先生やメンバーの助言をもらいながら、生活リズムも整えつつ、臨みました。結果として、リワークを併用しながら復職していくことを話し合ってきめることができました。復職の話が具体的に決まると、腹を括れたのか、生活リズムも安定してきて、リワークの残りの時間も意識して過ごすことができたと思います。

リワークの併用期間の初日は緊張していたので、職場に行って挨拶だけできればいいやと思って、ハードルを下げて行きました。この卒業文集作成も職場とリワークの移動時間にチマチマと書いて、一日一日積み重ねてやっています。振り返ってみると、自分一人では辿り着けなかった場所にきて、自分自身で納得して、次のステップに繋げられたことはリワークをやってみての大きな成果だなと思っています。今までリワークでお付き合い頂いた方々、本当にありがとうございました。この大切な経験を糧に歩んでいきます。

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O.A.さん(リワーク在籍期間:313日)

『リワークを振り返って』

「悩みがないことが、悩みです」

私の初めての個別相談は、こんな言葉で始まりました。

大切なはずの家族とまともなコミュニケーションができなくなっていた私にとって、リワークは温かく、居心地の良い、誰かときちんと話ができる唯一と言っていいくらいの場所でしたし、そのような環境で悩みなどあるはずもなく、当然の言葉だったと言えるでしょう。 そんな私は、リワークに参加してたった3ヶ月目で行けなくなってしまいました。原因は体調不良だったため、とにかく休息を取ることをしたのですが全く良くならず、担当の先生との相談の結果、リワークを中断することになりました。

中断期間中は担当の先生と2人きりで生活を振り返り、何故リワークに行けなくなったのかを考えました。その過程でようやく、ある程度察しはついていたことではあるのですが、この時の体調不良やそもそもの休職の原因は家族との関係にあると明確になりました。この振り返りをしばらく継続し、次第に心身共に状態が整ってきたので、中断をして4ヶ月目にようやくリワークを再開することとしました。

再開の初日、リワークルームの扉を開けると、メンバーさんが笑顔で迎えて下さり素直に嬉しかった一方で、中断前とは半数近くメンバーさんが入れ替わっており、リワークで過ごせる貴重な時間の多くを失ったと実感しました。

もう二度と中断(=休職)はごめんだ、と強く思いました。

そんな思いの中、卒業されたあるメンバーさんの言葉が私のリワークでの過ごし方を大きく変えるきっかけになりました。

「崩れても、人との関わりの中で自分を整えていけることが大切」

この言葉にハッとしました。中断直前、精神的に深くダメージを負った自分をメンバーさんや先生方に共有できなかった私。私にとってリワークが「温かい、居心地がいい」のは、メンバーさん達と表面的な部分でしか関われていなかったことの表れだったのではと思いましたし、ピンチの時に自分の殻に閉じこもって1人でどうにかしようとする自分の傾向に気付きました。

そこからの私は必死です。

メンバーさんにフィードバックしてみる、誰かがやらなければならないことを自分がやってみる等、いかにメンバーさんと深く関われるかを常に考え行動し続けました。その中で、リワークでの悩みがない私はいつの間にかいなくなっていました。

そんな全力とも言える日々の中、担当の先生からこんなご指摘を頂きます。

「軽躁の傾向が出ていて、心配しています」

とても困惑しました。自分の今のエネルギッシュな感じは病気が良くなったからではなく、むしろ、病気の傾向の一つだと言われたからです。この言葉を初めは全く受け入れられなかったのですが、生活記録等客観的なデータを観察し続けると、段々と納得していくようになりました。次第に「軽躁の傾向があるなら、それを持ったままで仕事ができなければいけないのでは」と考え、グループ作業の役職に立候補しました。その立候補の時にあるメンバーさんから頂いたフィードバックは、おそらく一生忘れないでしょう。

「あなたは、どれだけ弱っていても、その弱っていることが見えにくい」

この言葉は、私にとって最大のテーマとなりました。

このグループ作業を含め、私の全力の取り組みは続きました。

メンバーさんと家族が重なって激しいぶつかり合いをしたこともありましたし、自分を正しく理解してくれていると思っていた担当の先生から、到底そうは思えない言葉を投げられ、面と向かって反発したこともありました。

そんな中、職場から復職の話が出ました。

復職の話が出る前から上司には診察の度に現状報告をしてはいたのですが、これまでのリワークでの自分の姿を踏まえ、自分の言葉で、対面で改めて思いや考えを共有したく、クリニックでの合同面談を二度持ちました。それらの面談を通じて、自分がやりたかった仕事や働き方はもう二度とできないかもしれないこと、つまりは理想の自分が実現困難であることを突きつけられ、酷く落胆しました。

ですが、リワークのメンバーさんや先生方と関わっていくことで、どういった働き方・生き方が自分の最適解なのかを考えることができ、結果的には自分の理想を諦めたという形にはなりますが、そうした落胆からは次第に抜け出すことができました。

そんな背景がありつつ、復職にあたっては試し出勤を全うすることが条件とされました。その際に自分の課題である「弱みが見えにくい・見せられない」ことを踏まえ、上司に対し、自分自身の取り扱い説明書を渡しました。自分の弱さを人に見せることを恐れている私にとっては、この取り扱い説明書は「人に弱みを見せる」第一歩でした。

現在、私は午前に試し出勤、午後はリワークに参加という、リワークの併用期間にいます。

上述の取り扱い説明書は勿論、これまでに担当の先生が作って下さった報告書を元に上司が対応して下さっている状態で、「勤務中に何を感じ、帰宅後どう過ごしているか」を毎日上司に共有し、コメントを頂いています。このコメントから、試し出勤初日から自分の傾向がありありと出ていることに気付きました。この気付きをメンバーさんや先生方に共有してフィードバックを頂く中で自分の新たな課題を発見できたことは、リワークの併用ならではの良さと感じています。

残り少ないリワークの期間も全力で取り組みたいと思う一方、もしかするとこの「全力」も私の弱いところの裏返しなのかもしれません。

本格的な復職に向けて、不安を数多く抱えている状態ではありますが、私のことを一緒に、真剣に考えて下さったメンバーさん、先生方に多くの感謝を込めてこの文章を締めさせて頂きます。

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A.T.さん(リワーク在籍期間:208日)

『CRESSでの実りといえば気づき』

2度の休職、度重なる傷病休暇を経験し、「なぜ自分は会社が辛くなり休むのだろうか?」と考えていた。2度目の休職中、人事福利厚生担当者と面談する機会があり「再発予防のためにもリワークへ参加を考えたら?」と話があった。当時の主治医に相談すると「とんでもないリワークはあなたを退職に向かわせる為だ!」と言われ唖然としました。このままでは自分は変われないと考え、会社担当者にも相談をし、一度主治医を変えてみるのも良いのではないかということになり、「和」へ来院し、和田先生に今までの経緯と自分の今の症状を話しし、病名もわかり、自分がリワークへの挑戦をしてみたい事を伝え手続きに入りました。

2023年3月6日リワーク初日、とても緊張し来院したのを思い出します。初日のプログラムはマインドフルネスでした。「今の瞬間を感じる」、今までに考えもしなかった状況を体験することになりました。

グループセラピーでは最初の沈黙に戸惑い、グループ作業では自分の担当をこなすだけで精一杯で、個人プレゼンでは見たこともないプレゼンで何をテーマに何を話しすればいいのだろうかと悩んでいました。あっという間に1ヶ月が過ぎ、生活リズムは一定に保たれてきた感じが出てきました。「自分はCRESSで何を学び」「何を得るのか」自問自答していた時期でもありました。

プログラムの受講を進め、メンバーと少しコミュニケーションを図り、先生との面談などを経て、自分自身を見つめ少しずつではありますが、自分の休職に至った原因が見えてきました。「自分の思いを他者に言えない」「こんな事を聞くと格好が悪い」「このまま黙っていよう」と自分の気持ちをストレートに本音で話すことが出来なかった事に気づいたのです。しかしながらCRESSでも自分の本音をストレートに話せず「他のメンバーから自分はどのように思われているのか?」だけを考え他者の目を気にしていました。面談の際に先生に「他のメンバーが自分の事をどのように思っているか気になる」と話をし、次回のグループセラピーで問うことにしました。

自分の今思っている自分について全てを吐き出しました。自分が思っているほど他者であるメンバーは思っていない事、自分の気持ちに素直になるべきであることが分かり、気持ちが落ち着きスッキリしたのを体感しました。自分が思っているほど他者は自分に対して色眼鏡で見ているわけではなく、それは認知の歪みかもしれないと感じました。自分の中では思い切ってグループセラピーで自分自身の本音をストレートに出し切ったことが大きな実りだと思っています。

しかしまだ実っていない事がありました。そうですSSTの主人公を行うことです。CRESSの卒業を控え自分の中でメンバー、先生方からのフィードバックが怖く、耳の不調を理由にスムーズなコミュニケーションが取れないのではと思っている自分がいるのです。そんな理由付けをし、チャレンジできなかったSSTの主人公にやっと挑戦し、自分のコミュニケーション力、アサーション力を試し、メンバー、先生方からのフィードバックを頂きボロボロになり、今の自分を感じました。今まで逃げてきた事への挑戦を通じ一皮剥けて実りある体験をして卒業していきたいと思っています。

実りそれはCRESSで体験したプログラムだけでなく、メンバーの皆さんと語った事、CRESSで起きた出来事を通じ、自分自身の課題を見つけその課題に対して自分が向き合いどう解消するかを考え行動してきたつもりです。

CRESS卒業まで2週間を切り復職の日が迫ってきています。正直不安と心配でしょうがない状況です。しかし休職前のように会社生活の中で「恰好悪い」「そんなことも分からないのか」など自動思考に惑わされることなく、今の自分の状況、今の本音、今伝えたい事を大切に言語化していこうと思います。この半年強CRESSでの体験が自分の人生の中でも有意義で実のある物であったと思えるように今後の会社生活で再休職せず、休まず、上司、同僚とコミュニケーションを大切に実りあるものとしたいと考えています。

そう気づけた事が私にとっての最大の実りです。

最後になりましたが、この7ヶ月自分自身の気づきのために導いてくださった大野先生並びにスタッフの先生方、共に苦い経験をしながら自身を見つめ、何かを探し求めてきたメンバーの皆さん、本当にお世話になり感謝いたしております。ありがとうございました。

(2023年9月7日個人プレゼン発表内容一部引用)

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S.A.さん(リワーク在籍期間:337日)

『CRESS ― 自分と出会えた場所、大切な人達に出会えた場所 ―』

会社のリハビリ勤務とリワークの併用を開始して11日が経った週末の今、卒業文集を書いています。私はあと3日で、11ヶ月間通ったCRESSを卒業します。

1. リワークを開始するまで
私は2021年11月から休職し、2022年11月からリワークの利用を開始しました。
精神的不調は就職以前からありましたが、社会人になって10年ほど経ってから心身共にストレスフルなイベントがいくつも重なり、ある日出社したら頭が全く動かず仕事ができない状態になっていました。キャリアに影響するのではないかと恐れてずっと精神科への通院を避けてきましたが、さすがにそうは言っていられない状況となり通院したところ、「重度の鬱病」と診断され休職に至りました。
私は現在、会社の転勤で地元の東京を離れて大阪に住んでいます。関西には知人が誰もおらず、ひとりきりで治療していくことに不安があったため、それを主治医に訴え続けた結果、ある程度病状が回復した2022年11月からリワークを開始することになりました。
2. リワーク開始当初の私
リワーク開始初日の朝の会で、私は既に泣いていました。日直のメンバーさんが朝の一言で、休職に至った経緯についてお話をされていて、強く感情移入してしまいました。隣に座っていたメンバーさんが、私の背中に優しく手を当ててくださり、「ここは安心安全な場所なんだ」と実感しました。
そんなことがありながらも、私は他のメンバーさんと主体的にコミュニケーションをとることはありませんでした。集団の中にいることで孤独感が薄れ、当時の私にとってリワークに来る目的は十分達成されていました。連絡先交換禁止のルールを知り、関西で友人をつくりたいという願望が達成されないことを知った私にとって、リワークのメンバーさんは、「休職という同じ目的をもって一定期間物理的に同じ空間で取り組む人たち」でしかありませんでした。私のそういった意識は休み時間に読書をするという、他のメンバーさんとコミュニケーションをとる姿勢すら見せない態度に十分現れていました。
3. リワークでの転換期
私のそういったリワークへの姿勢は、結果的にリワーク利用期間の半分以上、あるいは3分の2以上を占めていたと思います。今思えば非常に勿体ないことをしたと後悔するばかりですが、そういったところが私の大きな課題の一つであったため、自然な成り行きだったかと思います。
リワークへの姿勢が変わるきっかけとなったのは、ある日のグループ作業でのメンバーさんからの「Sさんとは表面上のコミュニケーションは取れても、深いところでコミュニケーションが取れない。“価値観の違い”で話を終わらせてしまい、相手を理解しようとする姿勢がない。」という指摘と、スタッフの先生からの「Sさんはリワークの皆の輪の中に入れていない」という指摘でした。
メンバーさんからの指摘にはすんなりと納得し、反省することができたのですが、先生からの指摘は当時の私の急所に刺さり、消化をするのにそれなりの期間を要しました。すぐには消化できず、その先生に攻撃的な態度をとることもあり、非常に苦しい時間でしたが、私にとっては避けられないイベントだったと思います。
そのあたりからどんどん、「自分」が見えてくるようになってきたと思います。無意識下で自分が疎外されていないか情報を探し回り、些細な情報で認知の歪みとも言い難い、もはやただの被害「妄想」で勝手に疎外感を感じ、勝手に「味方」だと感じていた対象を「敵」認定し、自分を異常に過小評価し、自分がこの世界に存在していること自体に耐え難い苦しみを感じる。こうした思考パターンを私はあらゆる場所で繰り返していることに気付きました。
しかし、この異常な疎外感や自尊心の低さを自覚しながらも、そこからなかなか抜け出すことができない現実は、私にとってかなり苦痛なものでした。自分でそこに壮大な認知の歪み、あるいは被害妄想があることに気付きながらも、感情に押し負けて爆発させ、時には他者を攻撃することもありました。そんなことを何度も繰り返しました。
4. リワーク卒業を前にして
リワークの卒業を目前とした今、ようやく以前より少しは、ほんの少しは、冷静になれるようになってきたと思います。また、疎外感を感じるということは、その対象が自分にとって大切な存在であり、そのような対象と出会えたことはとても幸せなことだと気付きました。
「他者と関わることで自分を知る」。こうした経験を、その場にいるメンバー全員で真剣にすることはなかなかないことだと思います。その機会が得られたことは私にとって本当に大きなことでした。

異なる価値観を受け入れることができない私。
心理的に人の輪に入ることができない私。
部分対象としてしか対象を見られない私。
勝手に特定のメンバーさんに自分を投影していた私。
伝わるコミュニケーションができない私。
白か黒かでしか考えられず、グレーがない私。
休職している自分を受け入れられていない私。
前述したような思考パターンに支配されている私。

沢山の気付きはあったものの、当然全てを変えられた訳ではありません。ただ、何かアクシデントが起きた時に、感情的になりながらも、並行して「私の認知歪んでないかな?」と冷静に考えられたり、「もう少しコミュニケーションを深堀りしてみよう」と取り組めたりと、休職以前から変われた自分がいるのも確かです。
復職への道は不安だらけですが、このCRESSで自分なりに精一杯やってきた自分と、こんな私に手を差し伸べてくださった先生方やメンバーさん達を信じて頑張ります。

5. 最後に―リワークでの出会いに感謝―
最後に、CRESSでお世話になった先生方、本当にありがとうございました。「もう見捨てられても仕方ない」と思うこともありましたが、最後まで見捨てずに、時には優しい言葉を、時には厳しいご指導をくださり、本当に感謝しています。
そしてCRESSで出会ったメンバーの皆さん。私より先に卒業された方、私の卒業を見送ってくださった方、やむを得ず中断された方。伝えきれなかったと思いますが、私は皆さんのことが大好きです。幸せであって欲しいと思っています。それぞれが抱える生きづらさ、病状がお互いに少しでも解消されることを心から祈っています。
皆さんとの出会いに心から感謝しています。本当にありがとうございました。
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Y.M.さん(リワーク在籍期間:355日)

『1年間を振り返って』

私は去年の8月に同僚とのコミュニケーションが上手くいかず、自分がすべて悪いのだと思い込み、何もないのに涙がでたり、ミスがかなり多くなったりと通常通りに仕事が出来なくなったことから休職を選択しました。

リワークを知ったのは、産業医の先生から勧められリワークのある心療内科を調べたことがきっかけでした。休職経験のある上司からもリワークとはどういうところなのか話を聞き10月から参加することにしました。

リワークで自分のダメなところを治して復職しよう。そう思って参加をしました。初めは張り切ってプログラムにも積極的に参加しメンバーさんとも自分から話しに行っていました。3ヶ月経った頃、ダメなところがたくさん見えてきて復職出来るのか不安になりました。不安から遅刻や欠席が増え、担当の先生から中断を提案されました。一度中断をして体調を整えてからリワークに戻る方法もあるよとおっしゃって頂きましたが、私は少し不調なだけでしばらくすればいつものように戻れると思っていたので、中断を提案されるほどなのかとかなりショックを受けました。

しかし、中断を提案された時にリワークに通いながら体調を整えていきたいとはっきり意思を伝えたことで、自分には本当はリワークが必要だと思っていること、メンバーさんとのコミュニケーションを思っていた以上に大切に思っていたことに気が付きました。それまでは、リワークで何か技術的なものを手に入れないといけない、メンバーさんからなにかアドバイスをもらわないといけないと思っていました。ですが、メンバーさんとの繋がりを意識してからは何かアドバイスをもらうためではないコミュニケーションができるようになったと思います。

そこから、焦らず自分のペースでプログラムに取り組みメンバーさんとの交流をしてきました。すると今まで見えていなかった意外な弱点が見つかることもあり、また自分のダメだと思っていたところが他の人から見れば強みだったこともありました。

今実際に復職訓練中で仕事場にでてみて変わっていないなと感じることは多いです。ただリワークで学んだことは自分の根本を変えることではなく壁に当たった時に柔軟に考えコミュニケーションも含め行動し復活できるかだと思っています。ここが絶対に良く変わった!ということはありませんがこの1年間少しずつ積み重ねた経験は確実に私の中に備わっていると思います。

これからリワークに参加される方は色々な思いを抱えて参加されるかと思います。リワークでは楽しいことばかりではなく時には辛い体験を振り返らないといけないこともありますが、辛い時こそメンバーさんや先生方を頼ってほしいと思います。

リワークでの1年間はあっという間でしたが、とても貴重な体験が出来ました。関わってくださった先生方やメンバーさんたちにとても感謝しています。これからリワークで得たことを思い出しながら、焦らず地に足をつけてゆっくりと確実に進んでいきたいと思います。

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M.H.さん(リワーク在籍期間:313日)

『リワークで自分を知る』

私は何故休職に至るほどしんどくなったのかを知るため、再休職を防止するため、CRESSに入りました。リワークを始めてから、友人に「今何してるの?」と聞かれる度、リワークをどう説明するか頭を悩ませてきました。卒業間近になって、やっと説明ができるようになった気がします。私にとってリワークは、一言でいうと、“自分を知るところ”です。

プログラムを通して、スタッフやメンバーとのコミュニケーションを通して、様々な自分の一面を知りました。

しんどいことがあってもポジティブ思考をして、ストレスに気づかない自分。
“できる自分”であろうとして、しんどさを周りに見せず、困りが伝わりづらい自分。
自分自身や自分の考えについて否定されることについて特に強くストレスがかかる自分。
自分の考えに固執して他の考えを受け取りづらい自分。

ここに挙げたのは気づいたことの一部に過ぎません。これらの気づきを通して休職前の自分を振り返ると、思いの外ストレスを抱えていたであろうことが分かりました。一人で考えていた時には気づかなかった、CRESSに通って自分や他者と付き合い続けたからこその気づきだと思います。

さて、様々な自分の特性に気づきはしましたが、その特性を良い方向に変えることはできたでしょうか。いいえ、入る前と変わっていないことばかりです。これまでの人生で築き上げてきた自分を1年弱ですぐに変えることは難しいと感じました。「変われなかったら意味ないのでは」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、“そんな自分を知っている”ということが復職後の力になると、私は思います。これから復職して仕事をする中で、数々の困難に直面し、ストレスに曝されるでしょう。そんな時に自分の置かれている状況について、冷静に見ることができ、必要に応じて周りに助けを求めたり、自分を労ったりすることが、以前よりできると信じています。

最後に、リワークは復職の助けになりますが、再休職しないことを保証はしてくれません。再休職しない可能性を高めるものだと思っています。つまり、「卒業したから大丈夫」ではなく、リワークで培った経験をこれから活かし続ける努力をしなければいけません。“根気強く取り組む”ことが必要です。CRESSを卒業する私ですが、これからも根気強く取り組んでいこうと思います。そして、これからCRESSに入る皆さん、今CRESSにいる皆さんには、「自分と向き合うこと」に“根気強く”取り組んでほしいと思います。

長々と書いてしまいましたが、CRESSで関わった全ての方への感謝をもって締めたいと思います。根気強く、真摯に、私と向き合っていただき、ありがとうございました。

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K.K.さん(リワーク在籍期間:381日)

『CRESSのリワークを振り返る』

【はじめに】
2年間の休職期間中に、CRESSのリワークは後半の約1年間参加し、現在卒業目前にして、この文集を書いている。
私は、休職して前半1年弱の自宅療養後に一度復職を計画していた。しかし、職場は以前と同じように働けるだろうとの意向があり(今思えば十分な配慮があったが)、自身が希望していた段階的な復帰は難しかった。このまま自宅療養を継続しても何も打開策はなく行き詰まりを感じていた。産業医や主治医に相談するとリワークを勧められた。私の仕事は「チーム」が基本で人と人との関りが重要な仕事である。そのような職場で私は休職に至った。原因は人間関係、異動による環境や勤務形態の変化。他に加齢による更年期障害の心身の症状が重なりうつ状態になった。休職に至った自身のコミュニケーションの在り方や心のバランスがどう崩れたか、今後の働き方・生き方を見つめなおすために、「集団療法」を専門的に治療の重点に置いているCRESSのリワークに参加した。
【CRESSのリワーク体験】
はじめは、研修に来ている様な毎日だった。自分事ではなく他人事のように淡々と過ごしていた。遅刻もなく提出物も期日までに出した。しかし、始めてのグループ作業でタイトなスケジュールの焦りや、一人仕事を抱える気持ちから「持ち帰り仕事」をした。そこから、振り返りの時間やグループセラピーにてメンバーから見た私へのフィードバックにショックを受けた。私の嫌な姿でもあり、私の気付いていない私の姿だった。「そんなことはない」「酷いじゃないか」という「怒り」や「恥ずかしい」「悔しい」など様々な感情が心をかき乱し苦しくなった。また、北岡先生からはこの頃、家族がコロナに感染し濃厚接触のため自宅待機していたことにも触れ「(自分の心に侵入するものを)消毒して回る状態」と例えた。それもすごく屈辱的で悔しかった。しかし、この体験から自分を見つめなおすきっかけとなった。「人間関係」で傷つけられたと他者のせいにして自分の殻に引きこもり、社会(職場)を遮断し逃げて休職した自分に気付かされた。振り返るとこのことに気付くまでリワークでも引きこもっていたと思う。
私はプログラムの中で「グループ作業」が自分のことを見つめられるきっかけになったと考えている。作業をする時の感情、役職決めにおける他のメンバーへの複雑な思い、役職をしてメンバーをまとめられない不甲斐なさ、スタッフの先生からの言葉に委縮し落ち込む等、多くの経験をした。これは貴重なCRESSのリワーク体験だと思う。
その様な体験や日々のメンバーとの関りより自分を見つめ直す機会を得たが、性格や思考の癖がそう変えられないのも事実である。こんな自分がある、知らなかった・気付かなかった自分に向き合うことに臆することが少なくなった。「それも自分」と認める勇気が出てきたのはこの1年の賜物かと思っている。しかし、思わぬ自分が出てきて「うわぁ、きっついな~」と思うことは度々ある。
【CRESSのリワークを卒業するにあたり】
正直リワークに1年間通うとは考えていなかった。リワークに参加して半年ぐらいは復職する気もなく職場に定期連絡をしていただけだった。そのような私が元の職場に復職しようとしており、リワークを卒業するとは本当に思わなかった。途中で転職か中断をしてもおかしくなかった。「働く気がないんです」と話す私に職場とのつながりを保つため粘り強く向き合ってくださった北岡先生のお陰と思っている。
【今後について】
不安は山ほどあるのが正直なところ。2年間も休職したため居場所がなくなり、これから職場の居場所づくりが始まる、果たして私の居場所はできるのだろうか…。以前のように働けないことは自覚しているが、求められると応えたい複雑な心境を抱えている。とは言え再発・増悪せず生きること・働けることを大事にしたい。
【最後に】
卒業・在籍のメンバーの皆様。北岡先生をはじめとする、スタッフの皆様、1年間「生きた実感」を得て過ごすことができました。改めて感謝・お礼申し上げます。このCRESSのリワーク体験は私の血肉となり、これからの人生の支えになると思います。本当に有難うございました。
アフターリワークでお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。
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K.T.さん(リワーク在籍期間:180日)

『卒業文集』

休職10ヶ月です。CRESSリワークに来たのは、職場、主治医、看護師さんのすすめで、和田先生、スタッフの先生、看護師さんに助けられ、5月から入所しました。

リワークのプログラムから、休職の原因、分析、生活リズムを整える、再発予防を職場関係以外は休まず無理せず、出席し、学習し、体験しました。
スタッフの先生のはたらきかけで、人事担当者と三者面談が実現し、復職面談にすすみました。そして無事卒業できました。

スタッフの先生、看護師の先生、本当にご面倒をおかけし、お世話になり、ありがとうございました。和田先生、有難うございました。
これまでのリワークの仲間にも助けられ、なんとか復職できました。

ありがとうございました。

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N.H.さん(リワーク在籍期間:266日)

『“Re-Work”と“Re-Life”』

社内調整が大変で、もうこの仕事はしたくない、と思っていた部署へ、相当ハードな業務がある時期に管理職として戻って以降、1ヶ月もしないうちに心身の調子が悪くなってしまい、7年前から通っていた和クリニックのドアを4年ぶりに開けて再通院が始まりました。その後、半年ちょっとで大きな業務の目途が見えたところで、出社ができなくなり、初めての休職するに至りました。

休職開始後2ヶ月が経ち、和田先生からの勧めと、このまま家に居ても仕方がないという自身の思いから、クリニックの奥のスライドドアを初めて開けてリワークに参加することになりました。

「リワーク」(=職場復帰までのリハビリ)と名の付くところですから、職場を模した場所に毎日「出勤」し、生活のリズムを整え、復職に向けた訓練をし、それに慣れてくれば復職できるのかなと考えていました。

確かに参加を続けると、休職以降に乱れた生活のリズムは整ってきて、課題などをこなすことは仕事を彷彿させてくれます。
しかし、リワークのメンバーに対する私の印象は、「個性がかなり濃くて、確かに休職しそうな人だな、と思わせるに十分な『くせ者』」というもので、それは第一印象だけでなく、メンバーの入れ替えはあっても、卒業まで持ち続けていました。

職場の文化が全く異なる、しかし「休職中」という共通項だけを持つメンバーが、年齢・世代や役職も関係なく付き合い、しかも事あるごとに「コミュニケーションを積極的にとりましょう。」というリワークの方針があれば、各メンバーが表出させる個性の濃さに拍車がかかります。

私は転職経験なく同じ組織に長年勤めていることもあり、リワークのような、「仕事上の割り切り」もなく上下関係や役職などがないフラットなコミュニティは新鮮で、業務の貴重な経験ができるのではと、当初から感じました。そんな新鮮なコミュニティでの「コミュニケーション」は、通常所属している組織では起こりえないものだと思いました。そういう意味では、私にとってリワークは「職場とはかけ離れた場所」というその感覚があり、その感覚も卒業まで持ち続けていました。

そんな「コミュニティ」で、私がかなり早い段階で感じたのは、「自分は他者への関心が薄い」「他者への共感が難しい」「自分はやっぱり変わり者」ということでした。

いつも隣同士で座って近しい関係を持とうとするメンバー、席が離れていても、他のメンバー同士が話している内容に必死に聞き耳を立てるメンバー、他者の行動をつぶさに観察していて「あのときあんな態度をとっていましたよね」と言い出すメンバー。リワークプログラム中に泣いたメンバーに他のメンバーが必死に話しかけに行っているのに、自分はそもそもなぜ泣いているのかもわからない。自分が話せることは、自分のことや自分が感じたことだけ。

そして「他人に関心がないから、自分にも関心を持たれないのだろうな。そもそも自分は他人から関心を持たれたいのだろうか。」と自分で思い始めた頃、メンバーからも「他人に関心がないのに、自分に関心を持ってもらえるわけがない」と言われ、リワークというコミュニティの中で、自分の特性がいよいよ見えてきました。

「他人に関心がない」「他者に共感できない」「他者に良くない影響を与える変わり者」

そんな「特性」で、うまく他者と付き合うことは、それは難しいだろう、でも考えれば子供の時からそんな特性を持って人生を送ってきた自分が、このリワークで、「性格改造」が出来るとは思えないし、性格に反した行動をとることもしんどい。この特性を認めないとますますしんどくなる。 そこから、「人(他者)とどう付き合うか、よりも、自分という人とどう付き合っていくのか」ということを考えないといけないと思うようになりました。

こんなに長年ずっと一緒にいる「自分」とどう付き合うのか、それを一番考えられるのは自分。人(他者)に関心は持てなくても、少なくとも自分という人には関心を持てるはず。若い人と比べると短い残りの人生。これからは、自分に対してエネルギーを使ってみたい。
そこから、自分にとって、“Re-Work” は “Re-Life” を考える場にもなってきました。

人(他者)の考えや存在に敏感に反応するのではく、それらも尊重しつつ、自分は自分という人とどう関わるか、自分はこれからどんな人生を過ごしたいのかを、自分でゆっくり考えたいというようなことをリワークの中で話すようになり、「和」や「共感」といった、他者との関係に自身の存在を依存するようなリワークのメンバーには相当な混乱を与えたと思います。

しかし、こういった意見を言えるようになったことで、自分にとって適度な「自分と他者との関係」を冷静に考えられるようになってきました。自分のような人間がリワークに一人ぐらい居てもいいのではないかとも思えました。

そして、リワークで得た気づきを踏まえて、今の職場で、自分の特性に向き合った仕事をもう一度やってみたいと思えるようになり、復職に向けた気持ちが高まってきました。

また、「ドッグイヤー」的な時間を過ごすことになるリワークの中で、メンバーも入れ替わっていき、参加歴が長くなった自分の発言の影響が強くなってきたのではと感じ、怖くなりました。「変わり者の自分は他のメンバーに悪い影響を与えているのでは。」「『青鬼』のように去っていきたい。」と思うと、リワークから離れて復職したい気持ちがさらに強くなりました。自分の特性からして、やはりそんな気持ちが出てきたなと改めて気づきましたが、リワーク卒業までの限られた時間を、他のメンバーと自他尊重した適度なコミュニケーションを取ることができたことは復職に向けて少し自信がつきました。

今日はリワーク卒業日。卒業までの期間は予想より長くかかりましたが、これは自分の復職にとって必要な長さだったと改めて思います。
リワーク(復職)はあくまで通過点。これからのリライフを考えるきっかけとなった「休職」という経験と、こんな「変わり者」を真摯に受け入れてくれたリワークという場、リワークの先生とメンバーに本当に感謝したいと思います。

そして、休職期間中にも自分を支えてくれた職場の上司と健康管理室、復職に向けた自分の気持ちを真摯に受け止めてくれた職場の人事にも感謝したいと思います。

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S.T.さん(リワーク在籍期間:173日)

『私のリワーク体験記』

リワーク卒業と復職を前にして今思うのは、『今後続いていく人生のためにも、自分にとってとても意味のある貴重な経験が出来た』という事だ。遡る事約半年前、リワークの利用を決めた頃は、復職を前にして最終調整をする場と思っていた。生活リズムが整いつつある中で、1週間を通して決められた時間にリワークに通うことで体に負荷を掛ける。プログラムを通じて学び、再発防止に役立てる。そんなイメージで参加を決めた記憶がある。3ヶ月が最低滞在期間と聞いた時には「そんなにいるもんかな」と正直なところ思っていた。「あまり復職まで時間を掛けすぎるのもよくないし、もっと短期間で終わらせるようにしよう。休職の原因は異動によって大きく変わった業務内容なので、ここさえ調整されれば問題なく復職できる。」そう思っていた。

そんな気持ちでリワークを開始。まず思ったことは、「思い描いていたものと違う」、という事だった。長く通っているメンバーさんでも、生活リズムを崩したり、明らかにしんどそうにプログラムを受けている人もいた。「復職が近い人が集まっているわけではないのか?」そう思った。また、プログラムによっては再発防止に役立たせるための知識習得、というイメージとはかけ離れたものもあった。自分の内面をさらけ出し、相手へ思いをぶつける。時には刺し合いになったり、聞いているだけでも心の奥底をえぐり取られるような感覚に陥ることもあった。恐怖を感じ、何も言えない、その場にいるだけでもしんどさを感じる自分がいた。せっかく落ち着いて来たのに、悪影響を受けてしまわないか?そうも思った。最短期間で復職する。リワーク開始当初は、その思いがさらに強くなったのを覚えている。

リワークに参加して3ヶ月があっという間に経った。想像と違っていた事による衝撃は強かったが徐々に慣れていき、大きく調子を崩す事もなく、生活リズムも安定していた。求められる提出物は期限通り提出し、1日も遅刻・欠席することなく参加出来ていた。メンバーさんとの会話も徐々にではあるが自然と増えていった。目標としていた復職タイミングも迫り、予定通りのスケジュールで復職したいと担当の先生には伝えていた。でも先生からは、「今ここでやめてしまうのはもったいない。光がみえてきつつあるところ。」と言われた。今思えば、目標通りのスケジュールで復職したいと言いながらも、先生の言葉が引っかかるし、何か自分の中でも、リワークには通っているものの、再発防止に繋がるような体験を十分に積めているのだろうか、という不安が少なからずあった。「せめてヘルプを出すタイミングだけでも掴んで卒業してほしい。」そう、先生は繰り返し言っていた。主治医さんの見解も同じだった。「戻ってすぐにどうこうなるとは思っていませんが、長い目で見ると不安が残る。リワークを見て学ぶ期間は終わったと思う。あとはやってみて学んでください。」と言われた。この時点で、何が何でも予定通り復職したいのであれば、リワークを中止するという選択肢もあった。だが、自分の中での不安がそれをさせなかった。

この頃(リワーク開始4ヶ月目~)から、少しずつリワークに対する姿勢が変わっていったように思う。見て学ぶ(受け身的にただ通っていたリワーク)から、やって学ぶ(積極的に発言する。SSTの役をする。グループ作業の役職に就く。)姿勢に変わっていった。朝は10時に教室に入るようになり、放課後も毎日残って会話をするようになった。メンバーさんとの距離を自ら詰めるようになった。プログラムでの経験を通じて、考える事、感じる事も増え、自分と向き合うようになった。なぜあの時こう感じたのだろう?なぜああいう行動に至ったのか?といった、心が動いた事、無意識のうちにやっている事の原因は何なのか、について考えるようになった。メンバーさんから心に突き刺さる言葉を掛けられることも増えた。結果、これも踏まえてさらに自分の思考の癖や特徴について考える事、今までの人生経験を振り返る事が増えた。「自分とは」と深く考えるようになった。

気付けばリワークを開始してから、5ヶ月半が経っていた。特に最後の2ヶ月半の間に、多くの気付きがあったと思う。自分の事を理解していない、そもそも理解しようともしていなかったことに気付いた。今思えば、自分が自分でなくなってしまうのではないか、そんな不安から、自分と向き合うのが怖かったのだと思う。そんな中で、休職に至った原因を異動後の業務内容や職場環境と決めつけていた自分がいた事に気付いた。自分の思考の癖や、どういったところにストレスを感じやすく、どういった形でそれが出てくるのか、どうなると危ないのか、その対処法は、等、自分について深く理解した今なら、もっとやりようがあったと思う。自分と対峙し、自分の事を知る。一人だけでは十分に出来ない事、普段はやろうともしない事、やり方も分からない事を、様々なプログラム、先生方やメンバーさんとの会話を通じて、経験できたと思っている。

卒業を前にして、当初の目標からは復職タイミングが後ろ倒しになったが、2ヶ月半延長してよかったと心から思う。今は、3ヶ月の頃と違い、5ヶ月半の間で再発防止に繋がるような体験を十分に積めたと不安なく言える。もちろん、今後どうなるかはわからないし、100%大丈夫とは言い切れないが、自分について深く知れたこの経験が、必ず助けになると信じることができる。

以上が、私のリワーク体験記だ。最後に、私が今までどん底に落ちた時、救ってきてくれた、奮い立たせてくれた言葉で締めようと思う。この言葉は、27年間に及ぶ獄中生活を経てなお、アパルトヘイト(人種隔離)撤廃のために、生涯をかけて戦った元南アフリカ共和国大統領ネルソン・マンデラ氏の言葉だ。

“The greatest glory in living lies not in never falling, but in rising every time we fall.”
「生きるうえで最も偉大な栄光は、決して転ばないことにあるのではない。転ぶたびに起き上がり続ける事にある。」

この言葉に、私がリワークで得た経験をさらに付け加えたい。

「でも、すぐに起き上がる必要はない。」

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T.K.さん(リワーク在籍期間:593日)

『リワークの開始・中断・再開とようやく迎えた卒業』

・リワーク開始と中断
2022年6月20日「早期卒業、早期復職」の希望を持ってリワークに参加しました。
しかしその希望は初日で叶わないものとなりました。
リワークの扉を開けるとそこには、明るく笑顔で楽しそうに話す先輩メンバーの方々がいました。
「この状態でもまだ卒業できないの?」と思いながら自己紹介を聞くと、リワーク在籍歴が半年やら8ヶ月やら言っておられるのを聞いてそんなにかかるのかと驚きました。
2、3ヶ月で卒業できると思っていましたが考えが甘かったです。
プログラムも難しくしんどくて、初めの1週間は半日の参加でしたが、週末には疲れ切っていました。今考えるとまだリワークに参加できる状況ではなかったのかなと思います。
リワークの参加状況は、家庭の事情、子供の進路、認知症の父親の事、自身の怪我などによりリワークを休む機会も多く、毎月出席率ギリギリの状態でした。終りの見えないリワークに疲れ果てていた頃にコロナウイルスに感染、副作用が長く残り、2022年12月中旬にリワークを中断となりました。苦しいながらも何とか続けていたリワークを中断した悔しさ、情けなさ、悲しみ、いろいろな感情に押しつぶされそうになり、「もう復職は無理かな」と考え、家族に伝える会社を辞める言い訳ばかり考えていました。
・自分と向き合い、足掻いた日々
気分、体調がなかなか上向かない状態が続いてクスぶっていたある日、子供が言った言葉に自分の状態に気づかされ、このままでは自分が終わってしまう、これではダメだと思えました。
何とか少しでも元気になれないかと見た本に書かれていた言葉に心が動き、「時間がかかってもいい、まずは顎を上げて前を向き、少しずつでも前に進もう」と決めました。
その頃、ふと「なぜこんなことになっているの?」と休職に至った経緯、リワークでの出来事を思い返していると、だんだんと腹が立ってきて「絶対復職してやる」と大望を抱きました。今思うとよくそんなこと思えたなと思います。怒りが力に変わり良い方向に向きました。
それからは生活習慣を改め、起床時間、就寝時間をまず守り、家から出て活動し決めた歩数を必ず歩き体力回復を図り少しずつ、少しずつ体調を戻していきました。
・復職支援面談を経てリワーク再開へ
体調回復を少しながら感じたころ復職支援面談での復職を提案されました。リワークに戻る気持ちもなく、「目標は復職で一緒」と考え復職支援面談に切り替えました。
この頃には自分の考え方も変わっていました。今までの経緯を思い返し自分の考えが凝り固まっていることに気付き、色々な方向から物事を見て考えるように少しずつ変えていくことが出来ました。
体調が徐々に上向いて来ていたこともありますが、出席率ギリギリながらもリワークに通って学んだことが実を結んだと思います。
復職支援面談でご担当いただいた先生にも回復を確認して頂き、復職時期を考えた頃に「リワーク再開」の提案を受けました。
提案当初は、「せっかく回復してきた体調がまた崩れたらどうするの?」、「今更リワークに戻らなくてもいいでしょう」などいろいろ言い訳をして散々抵抗しました。ご担当いただいた先生には本当に申し訳なく思います。
なかなか前向きになれずにいましたが、リワーク中断で味わった、悔しい思い、情けない思い、悲しい思いを晴らすためリワーク再開を決め、短期利用として2023年9月25日にリワークを再開しました。
リワーク再開時は体調の回復もあり、リワーク開始時のしんどさは感じず、少しですが余裕をもって取り組めたと思います。結局短期利用と言いつつ4ヶ月を越えるリワークの受講後の卒業となりました。
ただこの約4ヶ月の間にもいろいろな気づきと自分自身の成長も感じましたし、メンバーの変化や回復、成長も見て取れて、改めてCRESSのリワークって凄いところだなと思っています。
・最後に
休職期間は約2年となってしまいました。こんなにかかるとは思っていませんでした。
ただこの2年間を経験した私は人として強くなったと思います。
この長い2年間家族は、「いつまで休むの?」とか「この先どうするの?」など復職をせかすような言葉はひと言も言いませんでした。家族にとっても長い長い期間で不安であったと思いますが私を信じて待ち続けてくれたことに感謝しています。

最後になりますが、私をメンバーとして迎え入れてくれ人として接してくれ共に過ごしていただいたリワークのメンバーの方々、リワーク落ちこぼれの私を卒業まで支えてくださった先生方、スタッフの皆様本当にありがとうございました。

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K.M.さん(リワーク在籍期間:264日)

『絶望していた8ヶ月前の私へ』

会社の中でうまくやれず挫折して退職し、支えてくれていた大切なパートナーとも、不安定な心を甘えてぶつけすぎてしまい、別れを告げられ、ショックと絶望感で本当に心が折れていましたね。

安定したいのに安定できない、恋愛においては、同じようなことを繰り返して相手も自分も不幸にしている自分を悔やみ、それは家族のせいでは無いか?と家族のことも責めて、うまく行かない人生に絶望し、もう動けなく寝たきりみたいになっていましたね。
周りは結婚したり子供産んだり、仕事でキャリアアップしていたりしてるのに、私には何一つ残っていない、頑張って評価されていた時もあったのに、、悲しい、もう生きていける自信が無い、もう楽しいことは無いだろう、私は上手くできない、、そう思っていましたね。

でもそうではないですよ。

CRESSのリワークプログラムに、頑張って通い、8ヶ月間、真剣に自分に向き合うことが出来ました。そして卒業を決断し、次の環境に進んでいますよ。

リワークに通い始めた当初は、周りの人達と自分を比較して余計に不安定になるし、まったく笑えないし、リワークのメンバーさんのことを信じれないし、心を開けない時が続きました。
嫌な指摘をされて落ち込むこともありました。

それでも先生達と自分を信じて、プログラムに向き合いました。メンバーさんが助けてくれることも出てきました、メンバーさんに心が開けるように少しずつなりました。

メンバーさんや先生に有難いと思うことが増えていきました。友達や家族に、有難いと思うことも増えていきました。
新しく入ってきたメンバーさんに、頼られることも出てきました。自分の得意なこと、自分が求められていることを感じるようになりました。
自分の成長を良く思ってくれる絆、繋がりを感じられる居場所が出来ました。そして自分も仲間のために活動的になれました。
自分がなぜ休職、退職する事になったかを冷静に客観的に考えられる時間が増えました。

そうすると自分の課題、弱点が見えてきました。
自分の弱点を感じたり、向き合うのはしんどいけれど、克服するほうが自分にとってプラスになると感じました。自分の弱点を周りに指摘されたり受け入れたり認めることが少しずつ出来るようになっていきました。

今取り組んでいることは、

① 自分に自信がもてない1つの要素に、ミスや約束忘れが多い自分がいると思い、人とゆとりを持って接することで信頼されて、自分にも自信が持てるようになると思い、時間に余裕を持つこと、特に朝ゆとりを持って出勤している人には信頼感を感じるから、朝にゆとりを持つことを意識するようになりました。
けどなかなか朝が弱い私は、早めに就寝して朝早めに起きる習慣づくりから頑張っています。
以前よりも就寝時間が1.5時間くらい早くなってきています。

② 仕事において、成果や目的を果たすことは大切だが、それだけでは無い。やはり人と人の付き合いなのだから、気持ちの良い関係性を維持しながら、仕事に取り組むことは大切。
成果出てたら何をしてもいい、どう見られてもいい、それだと助けて欲しい時に頼りにくくなるし、やはり人間関係が悪くなる。そうすると居心地も悪くなってしまう。日々思い遣れて気持ちいい人間関係を職場でも作っておくことは大切なこと。これはプライベートの人間関係なら尚更そう。

③ ずっと優しく全て受け入れる、受け流す、それが居心地のいい関係なのではなく、ネガティブなことや相手にとっては不都合なことでも、主張したいことは伝えたり、伝えられる関係が大事とゆうこと。
なかなか言いづらい時もありますが、表現に気をつけながら本音、気持ちは流さず伝えることを意識しています。逆も然り、聞き入れることを意識するようになってきています。

こうして、あなたは卒業を選択出来ましたよ。だから大丈夫です。もしこれから落ち込むことがあっても、この8ヶ月間のことを思い返してください。自信がついています。
乗り越えていけると思います。

【元気になってきて卒業を決断できた私より】

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O.N.さん(リワーク在籍期間:236日)

『自分自身との対峙』

リワークの卒業を控え振り返ると、リワークは他者との関わりの中で、自分自身と対峙する時間だったと感じます。

私は、休職期間も長く、長期間人と接する機会がなかったことで、人との関わりが怖いという思いを抱えてリワークに入りました。

休職期限が近づいており、復職したい気持ちは非常にあるのに反し、他のメンバーさんや昔の自分と比較して、自分が出来ていないことばかりに目を向け、こんなに出来ないことが多い自分が復職なんてできないという思いも同時に抱えていました。

そんな中、特にこのプログラムが嫌だなどの不満は感じていなかったものの、リワークを欠席することが増え、2ヶ月~4ヶ月目にはリワークの中断を勧められるほどに出席率が低迷し、休職した時の状態が再現されることになりました。

そんな中でもリワークは続ける判断をし、リワークの様々なプログラムを体験する中で、できないことを全部自分が出来るようにならないといけないのか?と立ち止まる瞬間がありました。

「この人のようになりたい」と目標を持つのは良いことだと思いますが、同じようになる必要はない。他の人が出来ていることすべてを自分が出来るようになる必要はない。自分を生きにくくしている原因は何なのか?今後の自分が生きやすくなるにはどうすれば良いのか?「自分に出来ないこと」と「自分の課題」を冷静に切り分けることで、やっと本当の意味で自分自身に目を向けることができたように感じます。

リワーク参加前は、何か不満に思ったり、不安を感じたり、負の感情が芽生えることがあっても、気にしないことや、自分の中に飲み込んで自分で処理することが「強さ」だと思っており、休職前は、自分なりにそれを実践していました。大変な仕事でも、それが業務遂行に必要なことだと思っており、不満を出すこともなく、自分にとってプラスなことだと真剣に考えてこなしていました。

しかし、リワークの体験の中で、元々自分は負の感情に鈍感で、自覚のないままストレスを溜めてしまい、それが休職に繋がっていたことに気づきました。

「リアルタイムに自分の感情を理解出来ない自分」
「人の悪意・自分の悪意に鈍感になってしまう自分」
「感情が邪魔だと言ってしまう自分」
「負の感情に向き合おうとしない自分」
を知りました。

もともとは自分の強みだと思っていた、与えられた環境に適応しようという力や負の感情をあまり抱かないところが、リワークの中で逆に自分の欠点だと指摘され、「負の感情に鈍感なのは良いことだ、なんでもかんでも敏感にマイナスに捉えて不満に思うよりずっといいのでは」と反発していた時期もあり、それに向き合うことは、辛く、受け入れがたい経験でした。負の感情を飲み込んで拒否してしまうことが自分を苦しめていることを受け入れ、自己理解するのには時間がかかりましたが、自分の問題点や感情を丁寧に振り返ることで、負の感情に目をそらしたり飲み込んだりするのではなく、認めて事実として受け入れること。嫌な感情を抱いている自分を受け入れて、適切なケアができることが「強さ」だと学びました。「自分の感情を丁寧に振り返ること。そして負の感情から目をそらさずに認め、適切なケアをすること」を大切に、これからも自分自身と付き合っていきたいと思います。

リワークの中でたくさんフィードバックや意見をいただいた先生方、メンバーの皆様、関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。

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K.S.さん(リワーク在籍期間:130日)

『リワーク経験について』

今回リワークの参加について、私は事務的な職種ではやってきてなく現場的な職種で最初はメンバーの顔と名前を覚えることが必死で何もプログラムが、身に入らず困りました。それで帰宅後に宿題をする事が多くなり1ヶ月たちました、段々とプログラム内容のグループディスカッションわかってきて発言をしても、しどろもどろになったがやっと聞き取れることができることができて良かったです。2ヶ月目に入ると、グループ作業が忙しくなり慌てました。3ヶ月目で印象的だったのがアートセラピーとグループ軽運動が面白かったです。4ヶ月目に入ると各プログラムが分かってきたところで復職の準備がありました。ありがとうございました。

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T.Y.さん(リワーク在籍期間:376日)

『リワークは人生の転換期』

私は2022年12月中旬に休職し、2023年3月初旬~2024年3月中旬の1年間リワークに参加しました。
参加当時は37~38歳の男性です。

リワークは和田先生に勧められ復職のステップとして必要なんだと理解し、具体的にどういったことをする場所なのかよくわからず参加を決めました。
自分で調べたり知ろうとしたりする力が当時はなかったのかもしれません。

私は家計の問題で参加当初は最低でも3ヶ月以内にはリワークを卒業して復職するつもりでいました。

リワーク参加初日は、耳の不調と息苦しさが出て、自己紹介すらまともにできませんでした。
不安や緊張、久しぶりに会う狭い空間での人の多さに圧倒され身体症状として現れたのだろうと思います。
ですが、翌日以降は休むことなく、遅刻することもなくリワークに参加し続けました。

まるで子供の頃の学校のように優等生でいる自分、先生の言うことを聞き、プログラムに前向きに取り組んでいる自分は、先生から評価され、卒業できるんだと、それが正しいんだと思っていたのかもしれません。ですがリワークはそんな場所ではありませんでした。

リワークに参加して1ヶ月半が経つ頃、個別相談で会社へ提出する仮の報告書を北岡先生からいただき、それは個別相談で話してきたことから、北岡先生が感じておられることをまとめたものでした。
その内容は今まで話してきたこともあるので想像を超えるほどのものとは言わないまでも、文面として見ると自分がいかに幼稚であるか、強烈に愛情を求める子供のようでした。

自分のことを分かってほしいという気持ちが抑えられない、子供染みた自分が本当の自分なんだ。
と思った時、急に今までの前向きさが無くなり、不安が押し寄せてきました。

こんな子供が社会で生きていけるのか?リワークに来て何も変わっていないし、このままではきっとまた同じことが起きてしまうと思いました。

心苦しかったですが、母親にお願いして金銭面の支援を受けリワークを継続することにしました。
しかし、リワークで何をすればいいのか答えが分からない、雲を掴むようなことをしているようで、5月以降も自分の不安定感を感じていました、そして幼稚な自分は他のメンバーさんを頼り、話して、聞いて、繋がっていると思いたかったのかもしれません。一人じゃない、孤独じゃないと。

そして、思いもよらないことが起こりました。6月6日飼っていた猫が5歳という若さで急死しました。私にとって愛情を注ぎ続けた我が子のような存在でした。さらにその1週間後、動物病院の不手際で死因を特定できなくなってしまうという二重苦がありました。

この出来事から崩れ始めていきます。6月末に盲腸、8月に祖母の死、9月に円形脱毛症発症、11月にはメニエール病発症。
その他にも体の炎症反応がいくつもあり、病院へ通う日々でした。

今思うと、休職中に不幸が重なり、よく自分自身持ちこたえたなと思います。

そんな私は8月大きく崩れるとともに復職へ向かうメンバーさんから取り残されていくような気がして強い疎外感、孤独感を感じていました。 親しくしていたメンバーさんの卒業を見て、すごいな、しっかりと考えて自分と向き合ってリワークを過ごしていたんだなと思うと、自分はここで何をしているんだろう、カッコ悪いなと思うようになりました。

それが9月のことです。半年も経ってようやくリワークに、自分に、本当の意味で向き合い始めます。
すると、自分がここで何をすべきなのか、ぼんやり分かり始めてきました。

ですが、会社の休職期限が11月8日までで、崩れた心身と生活リズムを取り戻すには時間が足りませんでした。
会社と10月末頃に面談した結果、休職期限を延長していただけることとなり1月の復職を目指します。

10月にグループ作業というプログラムで「響生」という紙面を作る約3ヶ月間のプロジェクトのリーダーに立候補し、仕事に取り組んでいく中で見えてくる自分がどういったものなのか、積極的に自分に向き合うために負荷をかけていきました。

復職が近づく中で精神的には少しずつ持ち直してきていると思っていましたが、11月末頃にメニエール病を発症してしまい、再度復職の延期をせざるを得なくなりました。会社と相談した結果、最終的には3月の復職となりました。

さらに12月末頃から円形脱毛症が進行し始めました、精神的には回復してきていると思っているのに身体の炎症反応は止まるどころか進行していきます。

自分が心の奥底で感じている不安は何なのか北岡先生と話し分かりました。
それはリワークを卒業することへの不安です。リワークの中で築き上げたメンバーや先生との関係性。自分を認めてくれる、見守ってくれると思っている人たちがいるリワークが自分の生活から無くなる事への不安があったのだろうと思います。

38歳にもなって恥ずかしいなとは思いましたが、自分の幼さ、弱さ、それが今の自分なんだと認識し、受け止めることができました。改めて精神的な自立が必要なんだと思いました。

それは、リワークを卒業してから、復職してから、仕事の中で、生活の中で、いろんな人と関わる中で、成長していきたいと思っています。 円形脱毛症は今(2024年3月)も進行していて、不安が取り除かれたわけではありません。
でも、リワークで多くの人と関わる中で、負の感情に支配されていた状態から、ともに苦しみ、助け合い、考え、喜び、怒り、悲しみ、楽しみ、様々な感情に触れて自分が蘇ってきたような感覚です。

1年もいることになるとはリワーク参加当初は思いもしなかったですが、ようやく卒業、復職を迎えることができました。

リワークでの後悔はいろいろありますが、それも1つの体験となりました。
心に残っていることとしては、メンバーさんへ自分の思いを伝えられなかったこと。
でも、その後悔があったからこそ、卒業したメンバーさんの言動を見てきたからこそ10月以降で過ごしたメンバーさんには思っていたことを伝えていくようにでき、リワークの中で互いに影響しあって過ごすことができました。

この卒業文集を書いているのは復職の約2週間前からですが、卒業したメンバー、在籍中のメンバー、これからリワークに参加する方々、スタッフの方々が見ると思うと何を書こうかなと悩みました。
考えた末、1人の人間がリワーク体験を通じて心に刺激が与えられ、少しずつ気持ちに変化が起きていったことを伝えたいと思いました。
この文面の中から何か感じてもらえることがあれば嬉しいです。

最後に、リワークを卒業したから自分の課題もクリアしたというわけではありません。
でもリワークに来たから自分を知ることができたし、こういうことに陥りやすい自分がいると分かりました。

知っていれば対処できるかもしれないし、不安を小さくすることもできるようになるかもしれません。
それは仕事の場面だけでなく、普段の生活の中でもリワークの経験が活きてくると確信しています。

1年3ヶ月の休職となりましたが、リワークでしか得られない経験をすることができ、後に人生の転換期になったと思える日が来ると思っています。

リワークで私と関わってくれた方すべてに感謝します。ありがとうございました。

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K.T.さん(リワーク在籍期間:73日)

『リワークで過ごした貴重な時間』

私がリワークに参加するようになったのは、転勤後、職場で一緒に仕事をする人との関係が悪くなり、次第に前向きに考えることができなくなりました。そして、うつ病を発症し、休職となった事がきっかけでした。今思えば、関係が悪くなりというのは、一方的な見方だと思えるようになりましたが、当時はそう思えませんでした。

また、リワークに行くことも最初はなんで仕事を休んでいる時に、仮の職場のような場所に行かなければいけないんだと正直言うと思いました。

なので、参加すると決意するまでに3ヶ月もかかりました。
今では、、、少しでも、1日でも早く参加していればよかったなと思いました。

そして、日々、プログラムに参加していく事で、職場では得ることができなかった貴重な体験をする事になりました。本当にいろいろ考える事が次々と出てきました。そのたびに、1つ1つ向き合って考える事で、新たな考え方を学んでいきました。

自分は、正しいことは何かということにとらわれすぎてしまい、一方的に決めつけてしまうクセがありました。
プログラムを受けて、心理士の先生と何回か面談を重ねていくうちに、自分を受け入れてあげる事の大切さや、物事には多面的な見方があることに気づく事ができました。

そして、最終的に自分なりに理解できたこと、、、、

それは、人間関係・コミュニケーションに絶対の答えはなく、100人いれば100通りの答えがあり、そこには良い悪いの両面が存在する。だからこそ、良い時の自分も悪い時の自分もありのままを受け入れ、相手の考え方も認めていく。そうする事で、物事に対して柔軟に対応できるようになる。
ただ、これも世の中の答えでは無いかもしれません。
誰かからしたら、違うと言われるかも知れません。

でも、そんな考え方もあるという事実も今では認められる自分になりました。

リワークの中で過ごした時間は、自分のことを自分で理解するためにとても必要な時間だったと心から思いました。
この考え方を認めるためには自分ひとりでは出来ませんでした。
リワークのメンバー・心理士の先生方・院長先生・看護師さんと関わって、取り組んできたからこそできたことでした。

この場所、この人たち、この環境だからこそ、今こうして前に進もうという自分になれたと思います。
本当に感謝しています。

「ありがとうございました」

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K.I.さん(リワーク在籍期間:290日)

『卒業』

2023年8月から約9ヶ月、リワークに参加しました。

主治医の先生に勧められるまま面談を受け、本当は不安でいっぱいで参加したくなかったです。そのことをはっきりと伝えられないまま、CRESSに参加しました。
参加した当初は自分自身に目標もなく、会社を辞める勇気もなく、休職原因ですら分かっていませんでした。

リワークでメンバーさんが自分の考えを伝え、自分の気持ちを共有している姿を見て驚きました。その姿を見て、「私にはこんなことできない・・」という戸惑いと共に、なぜか「このチームに馴染まないと!」という気持ちになりました。そのため、プログラムでも積極的に発言し、常に100%の力でリワークに取り組んでいました。

メンバーさんから参加姿勢を褒められると嬉しく、「頑張りすぎじゃない?」という声には、頑張ることの何が悪いの?と思い、その言葉を受け入れられませんでした。

また、スタッフの先生方のフィードバックに怒りを覚えたり、SSTの主人公をしてメンバーさんから自分のコミュニケーションへの癖を指摘され泣いたり、毎日たくさんの感情が動いていました。

初めは優等生でありたい、周りに良い関心を持ってほしい、弱いところを見せたらみんな離れていってしまう、という考えから、自分の本心を相談することができませんでした。そこで1人でぐるぐる考えてしまい、気持ちが落ちていくのが自分の課題だと気づきました。 そこからメンバーさんに悩みを相談したり、個別相談でプログラムや感情を振り返ったりすることで、一つ一つ自分のコミュニケーションや考え方と向き合うことができました。

参加して3ヶ月経つ頃には、自分のしんどくなる考え方や傾向はわかったけど、どうしたらいいのか?と悩むようになりました。そんな時、グループ作業でサブリーダーになり、作業で困った時に誰かに助けを求めるという思考にならないことに気づきました。普段のリワークでは悩んだりするとメンバーさんに相談できていたのに、仕事となると自分がすべきことだと決めつけ、1人でなんとかしようと抱え込む自分がいました。また、個別相談で自分の行動や発言が正しいか正しくないかで判断していることを指摘されました。もう少しリワークでの経験や実践が必要だなと感じた瞬間でした。

そして年明けに、自分よりリワーク参加の歴が長いメンバーさんが次々と卒業していきました。とても寂しく心の拠り所となるメンバーさんがいなくなる不安で、卒業式では泣いてばかりでした。また、新しいメンバーさんが増えてきて、環境の変化に不安を感じる自分がいました。その頃から、もうリワークに居たくないという思いで、復職のために会社に連絡を取りました。ですが、復職したからって楽になれる訳ではないということも分かっていました。

会社と連絡を取るうちに、今まで自分がリワークで取り組んできたことが評価され、安心したのを覚えています。また、このまま新しいメンバーさんたちとの関りから逃げていちゃダメだと思い、自分から話しかけ、自己開示を積極的にしました。交流していく中で、自分は人が好きだと考えていましたが、信頼できる人が少ないこと・関係を作るのに時間がかかることを実感しました。 そして今、復職直前です。もう居たくないと思っていたリワークを離れる心細さがあり、メンバーさんとの別れを寂しく感じています。私にとってリワークでの時間は、自分の嫌なところや休職原因と向き合うしんどい時間でもあり、社会復帰を目指すメンバーさんたちと深く関われた場所でした。正直、まだまだ人生においての課題はたくさんあります。復職への心配もたくさんあります。けど、できることはやりました。この先何か起きても一つずつ解決していこうと思います。

本当にこの9ヶ月、CRESSに参加できてよかったです。一緒に過ごしたメンバーの方々、スタッフの先生達、ありがとうございました。

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Y.K.さん(リワーク在籍期間:192日)

『リワークCRESS 卒業文集』

1. CRESSとの出会い
「リワークCRESS」に出会うまでは、別のリワーク施設へ通所していた時期がありました。そこでは、環境や取り組み方に納得できず、途中で中断してしまいました。
「今後、どうやって復職していこうか…」そう悩む日々を送っていた時、主治医の先生(私の場合は、こちらのクリニックではなく別の先生)から、こころのクリニック-和-でされているリワークプログラムがあると伺い、CRESSと出会うきっかけをいただきました。
2. CRESSでのスタート
リワーク参加初日は、不安と緊張が出てしまい、出だしから出席できませんでした。しかし、担当心理士の先生からサポートをいただき、翌週には改めて参加初日を迎えることができました。初めは、やはり不安と緊張がありましたが、心理士の先生、看護師の先生、スタッフの方、メンバーの方々、皆さんのサポートや触れ合いもあって、リワークの環境に馴染めていけました。徐々にメンバーの方とも関われるようになり、いつの間にか自然体の自分で参加できるまでになりました。
心理士の先生をはじめ、看護師の先生、スタッフの方々の、すぐそばでサポートしていただける体制は、私には心強い環境で、この環境なら、自分の思考や体調を整えていくことができると感じました。今度こそ、自分としっかり向き合う機会にしようと決心できたポイントだったと思います。
3. CRESSでの体験
CRESSでの各プログラムを体験して、得意なプログラムと苦手なプログラムに、自分の中で分類できる程、各プログラムに特色がありました。プログラム中のメンバー同士の話し合いや協力作業を通して、「自分のコミュニケーションの特徴」「相手に対して自分がとる言動の特徴」「自分に対する意見や考えを指摘された時の自分の反応」を認識し、今の自分と向き合えました。それが自分の思考の偏りや捉え方を見直す、有意義な体験になったと感じています。
リワークへ通う日々が進むにつれ、自分の思考や言動に対して深く理解することができ、「この考え方や捉え方が自分の心身に影響を与えていたのかも」と思うことができる自分がいました。各プログラムを体験して、精神的に辛い時も多々ありましたが、「心身の回復」「考え方・捉え方の成長」を感じることができています。
4. 卒業を迎えて
2023年11月中旬~2024年5月中旬までの約6ヶ月間、このCRESSで過ごしてきた時間は、自分と向き合う「アップデートの時間」だったように感じます。自分の思考や捉え方を更新し、今後のスタートを踏み出す力を蓄える時間でした。CRESSでの経験と時間を活かせるように、自分のペースで前進していこうと思います。

心強いサポートをしていただいた先生方(特に親身に寄り添っていただいた担当心理士の大野先生)、メンバーの方々、スタッフの方々、関わっていただいた皆様には、とても助けられ、感謝しております。ありがとうございました。

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K.S.さん(リワーク在籍期間:74日)

『リワークを経て』

私はこの文を卒業の前日に書いています。今の気持ちは複雑です。CRESSで過ごした2ヶ月半はあっという間で、切磋琢磨し合った仲間とのお別れがたいへん寂しいです。また、次の月曜から会社に行くことを思い浮かべると、同僚や上司に謝罪と感謝の挨拶ができるためほっとする気持ち、お給料がもらえる楽しみ、社会に戻れる嬉しさ、信頼を取戻していく不安などで胸がドキドキします。リワークに入る前は、ひたすら悲しく空虚だったため、復職時にこのような複雑な気持ちを抱くなどつゆにも思いませんでした。

以下は、私のリワークに入った経緯、得たこと、経験について紹介します。これからリワークに参加される方のご参考になれば幸いです。

入った経緯
休職して1年2ヶ月、ようやく何かしてみようという気力が出てきた。社会復帰に向け生活リズムを整えたいと思い、主治医に相談しリワークの存在を知る。ネット検索で職場近くにあった本院に転院し、リワークの参加ができることに。
得たこと
宿題やプログラムなどで自らを振返り分析する様々な機会を得た、体や気分の変調に気付くようになってきた、自分にない視点や気づきをメンバーから学べた、チームで何かを生み出す素晴らしさを思い出せた、プログラムの中でコミュニケーションのトライ&エラーができた(社会でエラー=失敗をしたら距離を置かれて終わりだがリワークではメンバーに意見をもらえた)、同じ目標に向かって一緒に悩みを共有できる仲間ができた、関わる中でお互いに影響しあい変わる様を感じられた、自らを振返り確認することで自信の取戻し方がわかってきた、考えないようにしてきた気持ちやネガティブな感情を受けいれた…。
経験
はじめは毎日来て過ごすだけで精いっぱいだった。1ヶ月経つとどっと疲れが出たが、そこで体調のコントロールの練習ができた。徐々にフィードバックからコミュニケーションの癖を認識したり、休職理由の認識の変化があった。この認識の変化は、再発防止の一部にもなると感じており、想像以上に大きい経験ができたと思っている。

さいごに、卒業された方や先生方を通して引継がれているCRESSの環境で、この紙面を読んでくださったあなたが本来の姿を早く取戻せるよう祈っております。
また、この大切な経験は私の今後の人生の宝になりました。同じ時間を共にしたメンバーの方々、心理士の先生方やスタッフの方々、和田先生、まっすぐ丁寧に向き合っていただきありがとうございます。

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M.K.さん(リワーク在籍期間:129日)

『リワークで過ごした日々』

この卒業文集を書くにあたり、何度も筆が止まってしまいました。それぐらいこのリワーク「CRESS」には思い入れがあったのだと思います。 まずリワークに参加しようと思ったきっかけは3つあります。

1つ目は最初に当院に通院していたこと。

2つ目は、休職が決まり産業医の先生から復職するための手がかりとして「自分でできる復職プログラムサポートブック(監修 医療法悠人会 稲田泰之)」の実践を勧められたこと。

3つ目は休職から少し回復が見られ、やや動けるようになった頃、和田先生からCRESSの紹介を受け、スタッフさんから説明を聞いたところ、このサポートブックに書かれた内容に近いことを実践するプログラムだったことです。当時「自分でできる」というタイトルではありますが、内容はとても自分でできるとは思えませんでした。そんな時にまるで手を差し伸べてもらった気がしました。この手を掴みたいと強く思いました。 リワークに通い始めた頃は「こんなに明るく、皆、活発に活動している場に自分は馴染めるのだろうか?」と不安になりましたが、様々なコミュニケーションを促すプログラムのおかげで、最初は挨拶程度しかできなかったのが、実際は様々な問題や、事情を持った人たちが集まっている場所だと理解でき、また自分もその一員なんだと仲間意識が芽生えました。おかげで毎日通うことができました。

それでも、自分の目的と取り組む姿勢は、本にあるカリキュラムによっていたため「うまく過ごして知識を得て、記録や課題を実践し、目標をクリアすること」になっていて、一部のコミュニケーション重視プログラム「グループセラピー」や「SST」では「あなたはまだロボットのようだ。あなたの本心は誰にも伝わっていない。そのままではまた潰れてしまうかもしれない」というフィードバックにショックを受けることもありました。

そういったプログラムを通じて、自分はもっとメンバーと話をし、先生とも相談したり、自分のこと、他の人をちゃんと知ろうとしているのか?といった課題に直面しました。

なかなか課外時間(昼休みなど)でのコミュニケーションが苦手でしたが、プログラム内のお題を活用して自分が思っていること、皆が言っていることに興味を持ち、話すことを心がけました。

それでもまだ「上手にやりたい」「皆に嫌われたくない」「いい人でいたい」といった自分が大きく変わったわけではありません。正直それが自分だし、急に別人になったりはしません。

自分の心と向かいあえばあうほどますますわからなくなりました。

ただ「以前の◯◯さんならそんな風なこと言わなかったよね」「真面目だと思っていたけどお茶目だよね」と笑いながら他のメンバーから声をかけられたり、好きなことについておしゃべりしたり、悩み事を打ち明けたり、様子が心配なメンバーに声をかけてみたり、自分から卒業メンバーに駆け寄って声をかけたりするようになりました。(全部よくできたわけではありません、後悔もあります。もっと出来るようになれたら…という思いも残っています)

それがいい人のフリなのか、自分の本心なのか、自分でもまだ分かりません。

ただCRESSでは基本的なプログラムはもちろん、多くのメンバーたちと共に過ごして、話そうする機会を掴むことができます。自分の変化やチャレンジを見てくれている人がいる、自分もメンバーさんたちや先生たちの事を見、知ろうとして話す、それを自分が本当に出来ていたかはともかく、毎日そんな機会を与えてくれる場所にいたことはずっと忘れられないと思います。

最初のハードルであった「生活リズムを整え、毎日通うことができ、プログラムをこなすことができること」はクリアしたとして、産業医の先生の意見もあり、復職を決断しましたが、本当の意味で実生活で心の問題と向き合っていくことについてはスタートでしかないのかもしれません。

それでもこの4ヶ月、通う期間はそれぞれでも、共に過ごしたメンバーの皆さん、いつも優しく(時々は厳しく)指導、相談していただけた先生、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。

とても名残惜しく、まだまだ残って話したい、学びたいことばかりですが、ここで筆を置くことにします。

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Y.K.さん(リワーク在籍期間:213日)

『これからリワークへ向かう自分へ』

私は、7ヶ月のリワーク期間で得たものを振り返り、初日にこちらへ来ることになった自分にメッセージを送ります。当然、タイムスリップして自分へ伝えることはできませんが、その時の自分と今の自分を忘れないために、以下のように記します。また、これからリワークへ通う方にとっても何か力になれる要素があれば幸いです。

明日、リワークへ行く自分。とても緊張していますね。当たり前です。リワークに7ヶ月通って1番緊張したのは初日です。すぐに慣れるわけではありませんが、徐々に緊張はほぐれていくので安心してください。

リワークメンバーの皆さんと会い「みんななぜここへ来ているんだろう…」と不思議に思うはずです。それぞれ異なる課題があります。違っているけれども、それに一緒に向き合って考えていくことが、自分の課題に気づいたり、新たな自分の一面を知るきっかけになるので、チャレンジしてみてください。「それほど深い付き合いなんてしなくてもいい、そつなく終えたい」と今は思っているはずですが、せっかくの機会だから、少しずつ積極的に関わってみてください。職場にいた頃の自分が嬉しかったことや、本当は辛かったことを思い出す手がかりにもなるかもしれません。

色々なことを思い出す中できっと辛い体験もするでしょう。いや、します。先に言い切ってしまうことは不安を与えるだけかもしれませんが、「まぁ、そりゃ治療のために行ってるんだったら辛いこともあるよね~」と軽く受け止めてもらえたら充分です。

そして、本当に辛いことが起こったら、リワークのメンバーやスタッフの方々に相談して大丈夫です。休職前は「この悩みってそもそも相談していいレベルなの?」という疑問ばかり浮かんでいましたね。その疑問も、一旦度外視して問題ないです。言ってみるだけでも、意外と落ち着きます。そこで相手の言葉に耳を傾けられたら、もっと楽になるヒントもあるかもしれません。たくさん悩んだら、周りに聞いてもらう時間も貰ってみましょう。その分、周囲の困り事にも気づけるようになるはずです。私は今になってやっと「お互い様ってこういうことかもな」と実感しています。

最後に、私もこれから転職活動および社会復帰するにあたり、「まぁ、そりゃ仕事してたら、失敗することも落ち込むこともあるよね~」と心のどこかでボソっと呟いています。しかし、その独り言が消えてしまったり、「どうしよう、失敗したらダメだ!」とかつて何度も頭の中でぐるぐるしていた言葉が再び蘇ってしまうのではないかという不安もあります。ただ、ここにそれを書いておけば、いつか読み返した時に自分の本心に立ち返れるでしょう。

卒業を目前にした今、リワークで築いた関係や一つひとつの気付きは、今後の仕事だけではなく、人生にもきっと大きな影響を与えると確信しています。今から一歩踏み出す自分にも、最終的には同じ気持ちになっていてもらえることを願っています。

出会ってくださったメンバーの皆さん、担当の眞田先生はじめスタッフの先生方、主治医の和田先生、7ヶ月間本当にありがとうございました!

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