●パニック障害とは
パニック障害は、突然、自分がどうにかなってしまいそうな程、強い不安発作に襲われる病気です。このような突然の不安をパニック発作といい、動悸、呼吸苦、胸のしめつけられる痛み、手足のしびれ、発汗、めまい、吐き気などの身体症状を伴います。体の病気を疑って内科を受診しても問題ないと診断された場合、パニック障害の疑いがあります。
パニック発作は特定の場所や状況で起きる方もいますし、場所や状況に限らずに起きる方もいます。特定の場所や状況でよくあるケースは、満員電車や人混みといった窮屈な空間、会議や外食など自由がきかない状況など「逃げ場がない」と感じる場面です。
また、パニック発作が起きていないにもかかわらず、「また発作が起きたらどうしよう」という不安にしばしばとらわれる方もいます。これを予期不安と言います。
●パニック障害の治療
パニック障害は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンのアンバランスが原因と推定されています。したがって、セロトニンを調節する薬(SSRI)が有効です。薬を服用することでパニック発作を抑え、日常の生活で感じる不安を軽減してゆきます。また、過労や睡眠不足などの不摂生な生活や精神的なストレスも症状に悪影響を与えますので、これらに対処してゆくことも大切です。
普段の生活で安心感も持てるようになってくると、苦手な場所や状況に少しずつ慣れてゆくことが必要になります。というのも苦手なものを避けていると、苦手意識がますます強くなってしまうからです。リラックスできる対処法を相談しながら、段階的に試してゆくことで「大丈夫」という感覚を積み重ねていきましょう。生活や行動範囲に制限がなくなり、パニック発作が起こらない状態が維持されてくると、薬も減薬してゆくことが出来ます。