リワークを利用された患者様の感想[2016年9月~2017年8月]
CRESSを卒業するにあたり
卒業式の翌日にこの文章を書いています。私はCRESSに入った時点で、3ヶ月後には休職の期限が終わってしまい退職しなければならない状況でした。そういう状況なので、他のメンバーと比べて焦りがあったと思います。その結果、2ヶ月強のCRESSの体験を全速力で走り切って、今はくたくたという状況です。
元々、沈黙が苦手で、自分の気持ちを人に伝えたいという気持ちが強かったので、よく考えずに安易に発言したり、人が発言を言い終わらないのに、被せるように発言したりとCRESSの雰囲気を壊してしまうことも多々あったと思います。しかし、そのことについて私は気づいていませんでした。そのような状況のなかで私は自己開示を続けていました。そして、メンバーの考えや助言を聞くという状況が続いていました。ここでの聞くは、受動的なものでそこから発展することはありませんでした。
しかし、ある出来事があってすごく辛く苦しい気持ちになりました。そして、スタッフとお話をして客観的な意見をいただきました。この出来事があって、私は初めて「気づき」というのを経験しました。それからは、些細な出来事でもノートに書いてみて、そこから考え「気づき」がないか試しました。空振りに終わることも多々ありましたが、いくつかの「気づき」を見つけました。その中で先ほど書いたCRESSの雰囲気を壊してしまうような言動に対しての「気づき」もありました。この「気づき」の時も辛く苦しい気持ちになりました。私にとっては、多くの「気づき」が産みの苦しみを伴いました。「気づき」というのはそういうものだと思っています。
しかし、現状では「気づき」に対しての対処の行動はまだ上手くできていない状態です。これは復職してからの課題だと思います。
振り返ると、私はいいタイミングでCRESSに参加できたのだと思っています。CRESSではスタッフの力はもちろんですが、一緒に参加するメンバーの影響力が大きいと感じています。2ヶ月強という限られた期間で卒業できたのは、一緒に参加していたメンバーに恵まれていたと思います。もし、あのメンバーとあの話をしていなければ、あのメンバーがあの行動をしていなければと考えるとまだ卒業できていなかったのではとも考えます。あと、文芸誌の作成、交流会の準備と参加に関われたことも良かったと思います。
私はCRESSでのメンバーのことを仲間だと感じていました。恥ずかしながら、人生で初めての仲間という体験でした。仲間なので、メンバーが悩んだり、休んだりしたら、自分には何かできることはないだろうかと私も悩みました。自分と他者の課題の分離ができていないのですが、仲間なので分離はできませんでした。私はこれで良かったと思っています。
来週から復職ですが、CRESSでは全速力でしたが、会社ではかなりセーブして臨もうと思っています。あと、自分が弱い存在と自覚して、自分の課題だけを考えていこうと思っています。
リワークプログラムCRESSを利用させていただいて
10ヵ月という長い期間、リワークにはドップリとお世話になりました。また仕事に向かえる、人と向き合えるようにしていただいた先生方、メンバーの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。人の名前を覚えるのが苦手なので、お名前は忘れてしまうかもしれませんが(笑)、リワークでの皆さんとの交流や、助けていただいたご恩は、大げさでもなんでもなく、一生忘れることはないと思います。
これだけ長い間お世話になると、様々なプログラムでの思い出が山のようにあるので、それぞれの感想はいくらでも書けるのですが、やはり私が得られた最も大切なもの「人との関係、つながり」ということについて書かせていただきます。
自分が困っていること、弱っていること、不安に感じていること、苛立っていること、混乱していること、わからないこと、思っていることなどについて、ここまで細かく、深く、たくさん他の人に話したことはありませんでした。でもリワークでは、私の担当をしてくださったO先生をはじめ、先生方やメンバーにプログラム内でも外でもとことん話をさせていただきました。そこでたくさんのアドバイスやフィードバックをいただき、また、家で妻にもとことん話すようにもなっていきました。私は人と接するとき、嫌な気分にさせてしまわないか、怒らせないか、嫌われないか、などと考えてしまい、結局何も言わずに自分で抱え込むところがありました。でも、リワークや家で話すようになってみると私の悪い想像は取り越し苦労であることが多く、また、思っていた通りの結果になったとしても、言ったほうが気分が楽になるということにも気づくことができました。
もちろんリワークや家でできるようになった「弱み、不安、感情を見せること」をそのまま職場ですることはできません。でも、休職前のように自分で勝手に孤立して、勝手に体調不良になって、それで休んでしまうということを繰り返さないように上司、同僚、友人と関わっていくことは心がけたいと思います。
また、雰囲気を察して話しかけてもらえるのを待つのではなく、自分から話しかけて関係づくりをして、そうしていろんな話・相談ができる関係が築く、ということの大切さも大いに学ばせていただきました。
このように私はリワークそのものであったり、先生方、リワークメンバー、ときには特定のリワークメンバーにかなり大きく信頼、共感、依存をしていたので、いつしか「リワークはいい所、職場は嫌な所」という感じになってしまい、復職すること、社会に戻ることが怖かったり自信が持てなくなったりもしました。また、先生の転勤や頼りにしていたメンバーの卒業で大きなロス感を感じることもありました。でも、そんな私を助けてくださって、なんとか復職まで導いてくださったのも先生方やメンバーの皆さんでした。
私は、リワークで自分のことをガンガンオープンにして、思ったことは口にして、それで皆さんに助けていただくという形で過ごしてきました。それは本当に本当にありがたく貴重な時間でしたし、だから今復職している自分があるのだと思います。ただ、心残りは、助けていただくばかりで、「人のため」ってことができなかったなーっていうところです。せめて、アフターリワークでお会いしたときに、助けていただいたお礼をお伝えしたいと思います。
CRESSではみんなが温かく、今まで生きてきた中でここまで人から褒めていただけたことはありませんし、この先もなかなかないでしょうね(笑)。幸せいっぱいです。
CRESSでの経験は、間違いなく一生の宝物です。
今の気分と体調は・・・無理して、見栄張って「100・100」とは言いません。
落ち着いて過ごせているという意味で、「70・70」でお願いします(^^)
ありがとうございました。
CRESSを卒業するにあたり
まずは、私の8ヶ月間のCRESSでの取り組みを支えてくれた先生方、クリニックのスタッフの方々、共に過ごしたメンバー、リワークを勧めてくれた産業医の先生と保健スタッフ、会社との事務的な事での窓口としてサポートしてくれた人事担当、休職を受容してくれた上司・同僚、そしていつも心の支えになってくれた妻と家族に、心から感謝の気持ちを伝えたいです、私ひとりの力では、到底ここまで来れなかったです。本当にありがとうございます。
復職を目前に控えた今だからこそ、CRESSでの体験で、今後もっとも大切にしていきたい事を書こうと思います。
「自分がなぜ休職に至ったのか」
転職や子供の誕生、自らの体調不良など、半ば外的要因に休職の原因を置いていた私にとって、それが本当の原因(真実)でないという事を直視した時、これはCRESSでの体験や先生のアドバイスで気づいていけた事ですが、本当に辛かったです。そして、じゃあ「真実」は何なのかを探っていく事、のちに気づく内省的要因を探し、見つめ、掘り下げていく事は、さらに辛い体験でした。「休職」しているという罪悪感、その根っこを追求していく。時には目を背けたくて、直視できなくて、欠席するという行動をとった事もありました。
そして、ようやくたどり着いた真実。それはCRESSに参加する前に私が決めつけていた原因とは、全く違うものでした。真実を知り、受け入れられた事。辛い体験を乗り越えられた事。これは、自分に対して、真剣に向きあう気持ちが無ければできなかったと思います。
この気持ちを、復職してからも、大事に、丁寧に、大切にしていきます。
CRESSを卒業する事が、治療の終了を意味するものではない、と先生は常々仰言っています。私はCRESSを卒業するからといって、「もう休職しない、再発しない」という確固たる何かを得たわけではありません。「中途採用で入社して、何か会社に来たり来なかったり。休んで復帰したと思ったら、また1年間も休んできて復帰してきた◯◯氏」として復職する事に、これから起こる様々な事に対して、立ち向かえる「こころの準備」はできています。その為にCRESSで頑張ってきました。「頑張れる」っていうのは、簡単そうで難しい事です。小さくても可憐な白い花のように明るく、細くても支えあい柔軟な茎のようにしなやかに、ゆっくりとゆっくりと焦らずに、「不屈の力」を追い求めていきます。
卒業にあたって
私がCRESSと出会ったのは休職してから8カ月が経過した頃です。その頃の私は復職しないといけないと思いながらも、何か不安で体調も優れない日々を過ごしていました。そんな私に産業医の先生がCRESSに行ってみたらと勧めて下さいました。
初めは何をするのかもわかりませんでしたが、とにかく参加してみることにしました。「CRESSという場所に馴染めるのだろうか」と考えると、人見知りの私はとても不安になり緊張して初日を迎えました。そんな私を先生やメンバーの皆さんは暖かく迎え入れて下さり、ほっとしたことを思い出します。
CRESSに入ると、今まで知らなかった様々なプログラムを体験することになりました。SFA、SST、グループミーティング、グループセラピー、軽運動、アートセラピーなど私にとってどのプログラムもとても大切な時間になりました。いろんなプログラムや個別相談で先生からアドバイスをもらい、私の心は次第に広がり、物事を柔軟に見ることができるようになっていったと思います。また、メンバーの皆さんがいろんな悩みを持ち、それを克服するために頑張っていらっしゃることを知り、孤独感から解放され、私も自分なりに頑張ろうという勇気をもらうことができました。
それまでの私は「私の悩みは深い。私はなんて不幸なのだろう。皆が私をいじめにくるのではないか」と周囲への猜疑心を持ち、悲劇のヒロインになっていました。でも、それは自分勝手な思い込みだと気付くことができました。こんな気持ちが私の心の中にあったということに気づいたことがCRESSでの一番大きな成果だったと思っています。「私だけが悩んでいる訳でもないし、不幸なわけでもない。ましてや誰かがいじめにやって来るわけではない。」この気づきが私を復職に導いてくれました。
今こうして復職してみて、以前の自分と違う自分を感じることができます。前はどんなに無理そうな場面でも「わかりました」と何でも受けていた私がいました。でも今は「ここがわからないので教えてください」「もう少し時間を頂けますか」などと自分の気持ちを素直に伝えることができるようになりました。CRESSでの時間がなければ、また自分の気持ちを置き去りにして、無理を重ねてしんどくなっていたかもしれません。これからもCRESSで学んだ「アサーティブに自分の気持ちを伝えること」を大切にしていきたいと思っています。
最後になりましたが、先生方メンバーの皆さま本当にありがとうございました。
CRESSを卒業するにあたり
リワークに参加した当初、自分がいつでも勤務可能な状態だと考えていたため、3ヶ月間で出来るだけ多くのことを学び、復職しようと考えていました。プログラムによる疲れも少なく、毎日の気分・体調も安定しており、順調だと思っていました。 ただ、グループセラピーにはなかなか馴染めず、困惑することが多かったと思います。復職直前でも自ら話題を切り出すには相当勇気が必要でした。
リワーク参加から2ヶ月ほど経った頃、少しずつCRESSでの過ごし方に変化が現れはじめました。プログラムから何かを吸収することに加え、自分の内面を探ることにも意識が向きはじめたように思います。年末年始の長期休暇で調子を崩し、休日の過ごし方に気を配るようになり、グループセラピーでは自分の感情を抑圧していることに気づかされました。2月下旬には長期間リワークを欠席したことから、グループ作業で班長として責任を感じすぎていたことや他のプログラムでもオーバーワークになっていたことを実感し、再び休職しないための課題がまたひとつ明確になりました。
リワークで取り組んできた課題は、自分の心の動きを観察し怒りなどの負の感情にも気付けるようになること、自分のキャパを意識しオーバーワークにならないこと、感情の浮き沈みを少なくし穏やかな状態に保つこと、休日に引きこもらずバランス良く活動することです。
これらの取り組みが全て出来るようになったわけではありませんが、気分と体調の変化を観察することで、少しは課題を意識し軌道修正できるようになったと思います。
また、他のメンバーの方々の印象ですが、はじめの頃は皆さんバランスがとれていて、すぐにでも復職できる人が多いという印象でした。
それから様々なプログラムを受け、学んでいくうちに、いろんな状況で休職し各々課題を抱えていること、それに向かって真剣に取り組んでいることに少しずつ目を向けることができるようになりました。この頃には自分より後に入ってきたメンバーも増え、環境に不馴れな人に極力話しかけるよう心がけていました。
復職前の1~2ヶ月頃には様々なプログラムで自己開示をしているメンバーの様々な傾向性が少しは分かるようになり、自分なりに何か助力になればと思い取り組んできました。
その中で、人の課題は見えやすく、自分の課題は気付きにくいものだと感じました。だからこそグループで取り組み、お互いにフィードバックし合うことが大切なのだと思います。
最後に個々のプログラムだけでなく、休憩時間、掃除等のプログラム以外の過ごし方にも大きな意味があり、そこにも課題が潜んでいる可能性があること、それに気付くかどうかも自分次第だということも学ばせていただきました。 これまでCRESSで学んできたことを更に深めつつ、日常生活で活用していきたいと思います。また、以下の項目を実践し、この先どのような状況になっても休職すること無く勤めあげていきます。
スタッフの先生方や先に復職された方を含めたメンバーの方々のお陰でここまで来ることができました。本当にありがとうございました。
私の実践項目
①自分の気分と体調などを注意深く観察し変化を捉える
②わずかな変化から気分等の変調を察知し早急に対処する
③オーバーワークにならないように注意する
④自分ひとりで抱え込まず周囲に相談する
リワークプログラムCRESSを終えて思うこと
私はこちらのCRESSを1年1ヵ月かけて卒業することができました。今思うと長いと感じることはなく、年を明けてからは特にあっという間だったと思います。最初こちらに入所した時は、緊張ばかりで全身にとても力が入っていました。午前中から全力で飛ばしてプログラムに臨み、午後にはクタクタになっていることが多かったです。自然体ということからは真逆であったと思います。このCRESSでしっかりと取り組み、なんとか希望の扉を開けたいと思っており意気込みもありました。私は休職をするのは三度目となります。前回からはおおよそ6年経過しているのですが、初めて休職を体験してからは12年となります。会社人生の大部分を鬱とともに歩むことになってしまったことになります。
こちらに来てからずっと生活リズムが整わないのがコンプレックスでした。早く就寝し早く起きること、メンバーの多くの方がCRESSの序盤~中盤でしっかり整えることを、終盤までかかっていました。「やれない」「できない」のスパイラルで毎週月曜日のセルフチェックが憂鬱でたまりませんでした。なんでできないのだろうとずっと思い悩んでいました。結局は「今の自分自身」にとって本当に大切だと思ってはおらず、どこかでなんとかなると思っていた甘えが出ていたのだと思います。なぜならこの文章を書いている治療出社を始めた今の自分は意識してできるようになっていますから。
私はこちらで、対人関係の取り方の大きな壁にぶつかることになりました。特定の方に攻撃的かつ被害的な過剰反応をしてしまい、そのことが頭から離れなくなって、何をするにも目につくという状態です。その結果リワークにくることがだんだん苦痛になり、実際に出席率を大幅に下げることとなってしまいました。この過剰反応は一年1ヵ月在籍している間に流行り病のように、3回起こしてしまい、そのたびに自分の成長の無さと無力感を味わいました。今もこの過剰反応は完全に克服というところまではいかず、これからも同じような対人関係での苛立ちを発生させてしまうことがあると思います。けれどこちらで学んだ対処法と自分自身のニュートラルポジションが今どこにあるかを、辛い時ほど意識して乗り切っていければと思います。完全なる治癒状態とはいえないですが、しっかりとどう付き合うかを考え実践していきたいです。
さて、こちらで特徴だなと感じたことをひとつお話ししたいと思います。CRESSは絶えずメンバーの出入り(入所・卒業)があり、メンバーの関係性が常に流動的なところがポイントだと思っております。これは人事異動のタイミングでなければ上司同僚が変わらない職場と大きく違います。入所したての自分、3か月を超えたころの中堅の自分、半年を超えたベテランの自分のポジションと、職場以上に早い期間で感じることができます。私自身、自分より在籍時間の長いメンバーの方が卒業していくことが、次のステップへの自覚としっかりしなくてはという不安と期待を込めた自負へとなりました。他のメンバーの方々とは、決して競争ではないけれど、どこか意識して比較してしまうと思います。メンバーの方々が少しずつ成長していったり変わっていく姿を通じて、自分自身の変化というのは、なかなか気づきにくいけれどもまた自分も着実に変わっているのだなと知ることができたことは大きな経験となりました。
最後になりますが私自身にとってこんなにじっくりと自分の気持ちや感情に寄り添い、時に悩んだ一年は社会に出るまで出てからを含めてありませんでした。自分自身の感情によりフィットする言葉を探し、頭を巡らすことができてたいへん濃密で貴重な一年間となりました。こんな私を最後まで支えて頂きました先生方、スタッフの皆さん、そして貴重な時をともに過ごせましたメンバー(仲間)の方々に心より感謝いたします。本当にありがとうございました。